住めば都の花柳館 第七回 よしわかった、ちゃんと選挙に行くよ！(泣)の巻

　三人目は紀州代表(？？)「陸奥陽之助」くんです。一応今回の麻咲的ベスト萌キャラでございます。

　陸奥のキーワードは、




「海援隊」

「天満屋事件」

「富国強兵」



　……あたりでどうでしょう？？


　ではネタバレご所望の方は下の「→」からどうぞ！！

　陸奥陽之助(ムツ・ヨウノスケ)。俺様です。
　才谷梅太郎(＝坂本竜馬)の右腕を自称する男。あくまで自称。笑。
　背が低くて童顔で可愛いんだけど、なにしろ性格が悪い。爆。
　自他供に認めています。
　他人には尊大な態度で、心酔する才谷と、石川誠之介(＝中岡慎太郎)以外の人を「さん」付けで呼ぶことはけしてありません。
　基本的に才谷の言うことしか聞きません。完璧な信者です。
　これも才谷の影響か、会話に英語を取り入れる癖があります。特に多用してるのは「シャラーップ！！」のような気が……。
　頭はキレるのですが、武術の心得は全くないので、今回の攻略キャラの中では(いや前作を合わせても)ぶっちぎりの最弱でございます。
　逃げ足の早さだけは天下一品ですが。

　才谷が頻繁に花柳館に顔を出すため、陸奥もそれを追ってやって来るのですが、いつも口の悪さで顰蹙を買い、特に食客の一人である辰巳とは犬猿の仲といったふうでしょっちゅう口喧嘩してます。

　ヒロインも陸奥のわがままな行動に振り回されて、よくひどい目に遇うのですが、陸奥の語る信念や理想には時々はっとさせられることもあったりします。


　才谷による貿易結社・海援隊に所属する陸奥は、真の攘夷を成すためにはまず、外国と貿易して国力を増し、対等に渡り合う力をつけることが大切だと主張しているのですが、辰巳や御陵衛士の篠原から「それは全部才谷の受売りじゃないか」と馬鹿にされてしまいます。

　実際才谷の思想にどっぷり染まっている陸奥は、図星をさされて怒り、その場を逃げ出してしまうのですが、才谷は辰巳たち、そしてヒロインに、自分の思想も勝海舟の受売りに過ぎないのだと語り、陸奥を擁護します。

　ヒロインは陸奥を追い掛け、見付けるのですが、陸奥はすっかりいじけた様子で、自分がみんなから憎まれていることはわかっているが、自分の性格は変えられないし、自分を否定したくないんだと語ります。

　ヒロインはそんな陸奥を実はとても純粋な人なのかもしれない、と思います。

　しかし才谷の言葉に反省した辰巳や篠原たちに謝罪され、陸奥は一気に復活。いっそ増長します。

　呆れる辰巳とヒロインに、才谷は「どうせ憎まれ者がはばかる世の中なら、陸奥のような憎まれ者がはばかるのがいい」といった言葉を投げ掛けます。


　この頃から無自覚に陸奥もヒロインを意識し始めており、才谷はそれとなくヒロインに「陸奥のような男はどうやか？」と売り込んだりしてくれます。


　才谷という太陽のような存在に見守られ、ゆっくりと育まれる二人の恋。


　しかし、悲劇は突然訪れます。


　才谷梅太郎……坂本竜馬、暗殺。


　才谷が狙われていると知ったヒロイン、辰巳、咲彦が駆け付けた時にはもう遅く、才谷は近江屋で息を引き取っていました。
　才谷の遺体の前で三人でうちひしがれていた時に、


「才谷さん……？」



　って背後から陸奥の声が聞こえた瞬間、鳥肌が立ちました。

「才谷さん、こんなところにいちゃだめじゃないですか」
「部屋に戻りましょう」
「才谷さん……才谷さん」

　痛い。
　悲しいとかせつないじゃなくて、この場面の陸奥はとにかく痛かった。
　三木が兄の遺体を前にしたシーンも辛かったけど、陸奥はもう……。泣。
　じわじわ錯乱していって、帰ろうと言うヒロインたちに「嫌だ！　才谷さんと一緒にいるんだ！」と半狂乱でとりすがり、見かねた辰巳が陸奥を殴って昏倒させ、身柄をヒロインに委ねます。

　目を覚ました陸奥は、ヒロインに才谷を暗殺した人物に心当たりがあると言い、絶対仇を討つと言い残して去ります。


　陸奥の様子がおかしいことを気にしていたヒロインは、陸奥たち海援隊が、いろは丸事件で才谷に恨みを持つ三浦休太郎が暗殺の首謀者だと考えており、その命を狙っていることを探りだします。


　黒い頭巾をかぶって変装し(ただしバレバレ)、三浦が宿泊している天満屋に向かう陸奥を、ヒロインは引き留めようとします。

　犯人は三浦ではないのではないか、と問うと「多分お前は正しい」と言う陸奥。

　それでも海援隊の仲間が命を賭けて天満屋に向かったのだから、自分も行かないわけにはいかないと。


　結局天満屋に向かってしまった陸奥をヒロインも追い掛けます。
　三浦を警護していた相馬たち新撰組と対峙しますが、ヒロインは陸奥を守るために間に入り、相馬の剣を受け止めて、ともに撤退します。

　ちなみに陸奥を斬る気はなかった相馬は、手加減していたつもりなのですが、咲彦は「陸奥さん相手ならもっと大胆に手加減しないと」とアドバイスします。笑。


　そんなやりとりがなされているとは知らない陸奥ですが、自分を守ってくれたヒロインに珍しく素直に感謝し、「怪我はないか？」と気遣いを見せます。

　そんなちょっとだけいい雰囲気の二人の前に、どうやらずっと陸奥を探し回っていたらしい辰巳が現れて何か言いたそうにしているのですが、その日は何も言わないまま立ち去ります。


　後日、ヒロインは陸奥を心配して宿を訪ねるのですが、陸奥は黙ったまま何も話そうとしません。

　何か陸奥に嫌われることをしただろうか？　と考えてしゅん、としていると、不意に陸奥が、

「よく見ると、お前は魅力的な女だよな」

　ヒロイン、呆然。

　プレイヤーも多分、唖然。笑。

　陸奥は驚くヒロインを宿から連れ出して、河原のようなところへ。

　陸奥は才谷の仇を討てないばかりか、見当違いな報復行為で仲間を死なせた自分を嘲り、自分は必要のない人間なのかもしれないと語ります。

　才谷と違って憎まれ者の自分には、海援隊をまとめることなどできないし、誰もついてきてくれないだろうと。

　才谷という唯一の理解者を失った今、せめて誰か一人でも自分を理解してくれたら……と呟く陸奥。

　ヒロインは意を決して、「陸奥さん、私……」と切り出すのですが、



「その一人、俺がなってやろうじゃねえか」



　ヒロイン＆陸奥、愕然。

　プレイヤー、多分騒然。笑笑。


　突如現れた辰巳が、「俺がお前を理解してやる」と言い放ち、「お前に仕えてやる」と宣言します。
　陸奥ルートだけ見てると唐突過ぎてマジでびっくりしますが、辰巳ルートを見ると少し納得できます。

　自分が陸奥の刀になるから、陸奥は陸奥なりのやり方で理想を貫けと言う辰巳に、陸奥は憎まれ口を交えながらも感激し、「俺とお前が揃えば文武両道だ」と一気に元気になります。

　これにヒロインは「では今更私が入る余地はありませんね」とぽつり。

　陸奥は思いっきりうろたえながらも、「俺はお前にも側にいてほしい」と告げ、三人で理想を目指そうと誓いを立てます。



　数年後、通称の陽之助から、本名の宗光を名乗るようになった陸奥。
　政治家となった陸奥(辰巳ともども衣装が和装から洋装に！)は辣腕を奮いますが、薩長ばかりが優遇される中央政府で、紀州出身の陸奥はなかなか重く用いられることなく、さまざまな政策を訴えかけてもスルーされまくり。

　不遇の彼に、紀州藩が帰国して力になってくれと言ってきます。

　陸奥は過去に遺恨があるとはいえ、故郷は故郷だとしてこれを受け入れます。

　陸奥は紀州において、自分の政策を実行することで新しい日本のあるべき姿を政府に見せてやると張り切ります。

　そして陸奥は「徴兵制度」を実施して、紀州には中央政府すら圧倒する驚異の軍隊が誕生。
　陸奥は自分の正しさを実感するのですが、そんな彼に不意に悪魔が囁きかけます。


　今の政府が存続するに値しないなら、いっそのこと……？


　その直後、政府が突如廃藩置県を敢行します。
　かつて陸奥がいくら訴えても聞き入れられなかった改革が、皮肉なタイミングで行われ、これを受け入れれば紀州の軍隊は解散せざるを得なくなってしまった。

　折角作り上げた最強部隊を解散させなくてはいけない、かといって廃藩置県を拒否すれば、それは自分の理念を否定することに繋がる。
　苦悩する陸奥に、ヒロインは政府が陸奥の政策の正しさを認めたのだから、これは陸奥の勝利だと諭します。

　これを受けて陸奥は兵たちの前でギレン＝ザビもびっくりの大演説をして、拍手喝采を浴びながら紀州軍は解散されるのでした。

　憎まれ者だと思っていた自分をこんなにも大勢の人が支持してくれたと感激した陸奥は、これもヒロインのおかげだと深く感謝します。

　この一件には隠された真実があり、陸奥もそれに気付いているのですが、陸奥ルートでは明かされません。辰巳ルートをお楽しみに。笑。


　この後、陸奥は政府転覆をもくろむ土佐派と通じていたことが発覚して投獄されてしまうのですが(本気で政府転覆を望んでいたわけではなく、土佐派をないがしろに出来なかったから、という感じ)、特赦により無事シャバに戻って来ます。笑。

　陸奥を笑顔で迎えるヒロインと辰巳。
　そしてまた三人の理想へのあくなき挑戦が始まります……。




　まあ、だいたいそんな話でした。笑。
　辰巳ルートを見ないと補完されない部分が結構多いんですが、単体で見るとやはり才谷との関係性がぐっときちゃいますね。

　礼儀知らずで生意気なやつなのに、才谷さんの前でだけはいい子なんですよ、本当に。
　おこうからも「みんながいない時は結構素直でいい人」とか言われてましたが。笑。

　私の大好きなスラムダンクの清田信長を賢くしたような感じがする。爆。

　そりゃあハマらないわけないなあ。

　黒頭巾被った姿がめちゃめちゃ可愛いなあと思っていたんですが、wiki見たら陸奥宗光の黒頭巾姿が本当にあってウケた。すげー。

　史実でいくと陸奥は念願の議会民主政治の達成ができないまま死んじゃうんです。


　さあ、今度から必ずみんな選挙に行こう！！ 泣。



　しまった。結局長くなっている。汗。
　次は鹿取菊千代編でーす！！