暗闇の果てで君を待つ【トゥルーエンド＆ギャラリーコンプリート後のまとめ感想・その１】

　大変後れ馳せながら、ようやくまとめました。

　ゲーム自体の攻略は比較的スムーズだったのですが、最後の最後に一枚だけ埋まらないCGがあって、そこだけ攻略サイトのお世話になりました。

　何かと思ったら某キャラの固有BADエンドだった……。セーブ残してなかったし。汗。

　え、あのルートもっかいやんの！？ しかもBADエンド見るために……！？

　……と、物凄く鬱になったのですが、あれは見ておいて損のない結末だったと思います。ある意味、トゥルーエンドより深い。

　コンプリートご褒美のCGも可愛かったし、大満足ですよ。
　不覚にも「いえーい」に吹いた。笑笑。


　ネタバレ感想はいつものように「つづき」から書こうと思いますが、とりあえずネタバレなしの総評でも。


　シナリオの完成度の高さは揺るぎないです。
　若干フラグ処理が甘いため、イベントの発生タイミングがおかしくなってしまうことがあるのが残念ですが、それほど気になるものではないかと。

　システム面は、エンドリスト、バックスキップ、テキストの履歴表示があれば文句なかったのに。

　でもエンドリストがあったらあったでコンプしたくなって、バッドエンド集めに何周もする羽目になりそうなので(考えただけで気が滅入る作業だ)、ある意味なくてよかったのかな。笑。

　また、シナリオによって真相に深く迫るものと、そうでないものがあるので、いっそのこと攻略可能な順番をある程度固定してもよかったんじゃないかと思いましたね。


　攻略順、私的には、

風野
↓
秋山
↓
穂波
↓
葵
↓
高坂
↓
桜葉


　……あたりがお勧めです。
　とにかく早く事件の真相に迫りたい人は逆にやればいいんじゃないかな？？


　それにしても、桜葉くんはどう考えても設定的にメインヒーローだと思うのですが、何故葵先輩にその座を譲っているのか、とっても謎です。


　ちなみにキャラで最萌だったのはやはり、第一印象から変わらずの、風野太郎ですね。仕草とか表情が、なんか野良猫みたいで可愛いし。
　特に上目遣いで睨んでる顔がたまらない……！！　猫耳つけてくれないかな。笑。

　葵先輩も結構可愛くて好きだったんですが、葵先輩びいきの発言をすると、だいたい風野の好感度が下がるんですよ。
　その時に「んー……嫌かも」って思ったので、私は風野が好きなんだな、と実感しました。笑。
　いや、でも２トップかなー。


　その他の、はじめ眼中になかった秋山、穂波、桜葉もやってみたらそれぞれ萌えました。やっぱりシナリオがいいからですよねー。

　でもシナリオの意外性や衝撃度では高坂先生に勝るものはないでしょうね。
　未来永劫乙女ゲーム史に残ると思います。笑。


　最後に。このゲームは間違いなく名作なので、私的には超お薦めです。

　ただ。

　鬱展開、人死にが苦手な方にはやっぱり向かないゲームだと思います。

　公式に名前の出ている人は、どんなルートを選んでも２人以上必ず死にます(ひどい時は全滅だ。当然バッドエンドだけど。笑)。決まっているので、避けられません。


　↑↑それだけは一応、ご忠告までに。



　ではでは、ネタバレ感想をつづきに書きますね～。

《風野太郎》


　見るからになんかしでかしそうな他校生のボーヤ。一応、年下キャラです。笑。

　病気の妹と、宗教被れの両親を抱えて孤軍奮闘している彼は、筋金入りの守銭奴。命と金にはハングリーです。
　《仮面の死神》から「強欲」の罪で告発されてしまいます。

　転んでもタダでは起きない男なので、生きて帰ることだけではなく、この事件を利用して何らかの利益を得ようと常に目を光らせています。

　油断ならない相手ではありますが、最初に独自の推理から、深雪をシロに断定してくれる人でもあります。思ったよりツンツンしてなくて、意外にも話せる奴でした。

　風野ルートは、事件の真相はそっちのけ。笑。

　高坂貴彦と《仮面の死神》が犯行を自供する遺書を残して死んでしまったことから、叔父である貴彦の醜聞を隠蔽し、葵財閥を守ろうとする葵水央との対決がラストステージとなります。

　えっ、ラスボスお前……！？

　↑↑って、素でびっくりしました。笑。
　はなっから天然王子に勝ち目なんかあるわけないじゃないか……！！ 爆。


　風野ルートで印象深かったのが、「ゆびきり」の場面。
　風野くんの「約束」についての考え方が私とよく似てたんですよね。

　相手が絶対裏切らないって信じるから約束するんじゃなくて、裏切られても構わないと思うから約束するんだ、っていう。

　深雪は怒ってましたが、私は深く共感しましたし、彼なりの不器用な愛情を感じました。

　エンディングに至るまでずっと不器用でぎこちなくて、そんなところがたまらなかったです。

　しかし株式の仕組みがイマイチわからない残念な大人なため、どうやって風野くんが儲けたのかちゃんと理解できてない私を誰か助けて下さい。笑。




《高坂貴彦》


　はい出た、衝撃のジェノサイドシナリオ。笑。

　このシナリオでは、深雪ちゃんの名推理もあって、内通者が高坂貴彦であること、「仮面の死神」が彼の双子の弟・秀彦であることが中盤であっさり判明します。
　めでたしめでたし……かと思いきや、何故か深雪ちゃんがご乱心。

　高坂先生にかどわかされて、共犯者になってしまいます。

　で。
　次々に仲間たちを殺して回ります。

　厳密に言えば、殺しているのは仮面の死神で、助かる手段を潰して回って、間接的に殺しているのですが……いやあ、キツイですよ。マジで。

　さっきは必死に助けて回った人たちを、今度は必死に殺して回る。

　劇中に、死神と天使の絵とポエムが出て来ますが、あれはこのシナリオの暗示のような気がします。

　後ろ手に鎌を隠した天使は深雪で、天使に何かを語りかけている死神は高坂先生で。

　鎌から逃れた花は０。
　全て刈り取られて残らない。
　……ぞっとしますね。


　高坂ルートのラスボスは仮面の死神こと、高坂秀彦。
　快楽殺人狂の双子は、今までに何度も殺しを重ねてきたが、お互いに本当に殺したい相手を殺さなければ満たされないことに気づいていました。

　弟の秀彦にとってその相手とは実の兄。また、兄も自分を殺したがっていると信じていました。

　が。兄が殺したかった相手は自分自身。
　同じ姿をした弟を手に掛けることでそれを疑似体験したかっただけ。

　……ということで、お兄ちゃんのほうが一枚上手の変態でした。笑。

　２人の壮絶な兄弟喧嘩(笑)に巻き込まれた深雪ちゃんは、秀彦にナイフを突き付けられてしまうのですが、ここでの選択肢でエンディングが大きく変化します。

　どうせ殺されるなら高坂先生じゃなきゃいやだー、と、高坂先生に「私を刺して」とお願いすると、みなぎった先生が頑張って弟を倒します。笑。

　そして最狂バカップルは、血塗れでキャッキャしたあと海外へ逃避行。
　死が２人を分かつまでラブラブで暮らしましたとさ。めでたしめでたし。

　……なんじゃこりゃあ。汗汗。

　一方、秀彦に「私を殺せ」と言った場合は、深雪ちゃんは決着を見届けることなく昏倒。

　気付いたら目隠しされて、縛られて監禁されてました。
　一連の事件は全て深雪の犯行とされ、絶賛指名手配中ですが、先生と一緒だから幸せなの……というエンディングなのですが。

　エンディングCGをギャラリーでワンクリすると判明する真実。
　実は先生のフリをしてる秀彦なんですよ……！！(恐らく本物は死亡)

　↑↑ぎゃあああああ……底なしの奈落のようです、高坂ルート。汗汗。


　これは、双子愛好家・ジェミコンを自称する私への挑戦状と受けとりました。

　それでも双子を愛せますか？ 萌えられますか？ ……的な。


　……確かに取りようによっては双子サンドイッチなの、か……！？　汗。


　いいでしょう！いただきますッ！！(え)。


　もともと私、幕末恋華の大石鍬次郎とか、戦国BASARAの明智光秀とか結構好きなんで。
　意外と彼ら自体は嫌いじゃないんですよ。
　現実には存在してほしくないし、近づきたくもないけど、虚構の存在としては抗いがたい魅力を感じます。

　でも「そっち側」にヒロインがいってしまうのは流石に辛かった。
　攻略中、泣きそうなくらい辛かったです。




《穂波陽介》


　高坂ルートの口直しにと、急いでやりました。笑。
　ちょっぴり毒舌でわがままなキラキラ金髪ハーフくん。

　実は最初から内通者推理を的中させているのは彼ひとりなのですが、それもその筈の天才頭脳の持ち主。
　おまけに華奢に見えてテニスもめちゃめちゃ強い。

　何故そんなに超人かというと、実は実父の実験体として遺伝子操作をされていた……という、いきなりのＳＦ展開にびっくりです。倫理的はもちろんNG。禁忌の子です。

　金髪碧眼は劣性遺伝だから、普通の生殖では遺伝しないよ……ってな話が出て来るのですが、漫画とかだとよく出て来るよね？　金髪碧眼の日本人と欧米人のハーフって……あれは間違った表現だったのだな。汗汗。

　実の親から実験対象にされて、挙げ句に失敗作って(女の子になる筈でした)どんだけ可哀想なんだよ……！！

　……と思うのですが、きっと穂波くんのパパみたいなぶっ壊れた人の存在ありきで科学って進歩してるんだよな……と、考えてしまう私もいる。汗。

　人間はダメで、動物実験は倫理的にもOKってのも、理屈はわかるけど、なんだかなって感じじゃないですか。

　数多の犠牲の上に、今の我々の生活があることを忘れてはいけないよなー……と、ちょっと思いました。

　穂波くんは、自分の気持ちはどうせ誰にも理解してもらえない、との思いから他人との間に壁を築いている子なんですが、テニスでダブルスを組んでる秋山くんに対しては、一種の甘えから極端にわがままになって、振り回してしまっている。

　そのことからこの非常時にも２人は喧嘩してしまったりするんですが、最終的には本当の友情を築いていくのが熱いですね。

　穂波ルートの最終決戦は二段階。

　まずは穂波くんの出生の秘密を暴き、穂波父を告発しようとしている、ルポライターの綿貫。

　自分自身の平穏な生活を守るために、必死に綿貫の説得を試みているところへ、真のラスボス・仮面の死神まで出現。

　力を合わせてこれを撃退し、なんとか綿貫の理解も得て一件落着。

　穂波くんのエンディングCGは物凄く綺麗なので、一見の価値ありです。


　仮面の死神との直接対決はあるものの、こちらも風野ルートと同じく、事件の真相にはあまり肉薄しない展開でしたね。

　穂波くんは若干メンタルは不安定だけど、なにしろ頭がいいので、パートナーとしてはかなり心強かったです。




　長くなってきたので、前半のまとめはここまで。
　次の記事で残り３人まとめます。

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