維新恋華 龍馬外伝【沖田総司ルート・感想】

　予告通り、沖田総司ルートについて書きたいと思います。


　沖田総司から突撃した理由は、ＴＧＳの試遊で一番気になったということと、キャストが日野聡さんだったことです。

　私の中で日野さんは、三浦祥朗さんとともに、出てたらとりあえず気になってしまう声優さんツートップなのです。

　純粋に声が好きなのもありますが、演技の幅もすごく広いし、インタビューやイベントなどを通して、役作りに対する真摯な姿勢が感じられ、常々敬意を抱いているのです。

　どの役も全部ハマり役。ゆえに敬意をもって「イタコ」とお呼びしています。笑。


　今回イタコさんが演じた総司くんは、とても不器用で、複雑な内面を持ち、非常に屈折した、エロい人でした。笑。

　つづきからネタバレ感想いきます。

　沖田総司くんは言わずと知れた新選組一番隊組長。

　旧シリーズでは、三度の飯より斬り合いが大好きなデンジャラス美少年だったのですが、今回はまた新しい沖田総司像を打ち出してきました。

　まず旧シリーズでは上洛後の新選組しか描かれなかったのに対して、本作では試衛館時代から描かれているという特徴があります。

　ヒロイン・菜乃香と初めて出会った時は、まだまだおチビさんだったのですが(でも強い)、再会した時には長身美形に育ってました。

　本編に年齢についての明確な描写はありませんが、菜乃香は龍馬と同世代の筈だから、結構年下なんですよねー。

　旧シリーズではヒロインより年上だったので、そういう意味でも新鮮ですね。

　総司くんは小さい頃大変辛い目に遭ったために心を固く閉ざしており、また、その苦境から救ってくれた師・近藤勇の期待に応えることだけが自分のすべてだと考えている人です。

　天才的な剣士ですが、近藤さんの望みだから、という理由だけで無感情に刀を振るい続けています。

　菜乃香は総司くんを側で見守るうちに、彼のそんな空虚な生き方に疑問を抱き、干渉していくことになります。

　総司くんは本心では人を傷つけたくないのではないか？　もっと自由に生きるべきなのではないか？　……と、考えたわけです。


　旧シリーズの新選組は、大石一人を悪役にすることで、プレイヤーにあまりダーティなイメージを与えず、「いいひとたち」として描かれていましたが、本作の新選組は、もうちょっとシビアに描写されていて、より現実的な血生臭い存在なんです。

　総司くんは本当は子どもたちと遊ぶのが大好きな優しいひとで、実は剣術よりも美術に興味があるんですよね。
　佐久間象山に見せてもらった西洋絵画に衝撃を受けて「あんな絵を描いてみたい」と、非番の折りに菜乃香をモデルに絵を描いたりします。

　だから本来、新選組みたいな血生臭い組織になじむようなタイプではないんです。
　そんな自分を偽るために普段から感情を殺しているんですね。

　でも菜乃香と再会して、恋人関係になって、ちょっとずつ変わっていきます。池田屋事変では、近藤に斬れと命じられた敵を菜乃香のために逃がしてしまう。

　近藤に背いてしまった罪の意識で倒れるほど追い詰められるのですが。

　その後、総司くんを弟のように大事にしてくれていた山南さんが脱走→切腹という更なる大事件があるのですが、山南さんは総司くんに介錯をさせることで「命の重み」を理解させ、また、命と引換に近藤さんとも取引をする。

「自分のあとに新選組から除隊したいと言う者を、罰しないでほしい」というその取引は、総司が新選組を辞めたくなった時の為の切り札でした。

　↑↑わたくしこの件で早速泣きました。涙腺が弱いんです……。
　山南さん、いい人すぎ。しかもテライケメン。今のところ攻略キャラ差し置いての最萌です。笑。

　ところが総司くんははっきり現状に憂いを感じるようになりながらも、自分の道がどうしても定まらない。

　この時期の総司くんはちょっと自棄になって菜乃香と無断外泊してみたり、土方さんに「非番に何をしようが勝手でしょう」と逆ギレしたり、遅い反抗期全開です。ちょっとかわいいんだぜ。笑。

　心を決められず、煮えきらない総司くんの代わりにこの切り札を伊東参謀ら使ってしまい、新選組を離脱してしまいます。

　↑↑こう書くとなんか伊東さんがすごい悪いみたいですけど、彼も彼なりに色々考えてしたことなんですよ。

　また同じ頃、総司くんは頻繁に咳込むようになり、労咳の疑いが浮上。


　まさに身も心も追い詰められた沖田総司。さあどうなる！？


　……というところでルート分岐が発生。


　Ａルートでは、総司くんの病がどんどん進行していきます。
　時代に翻弄され、新選組を取り巻く環境が激変していく中、隔離され、何も出来ない総司くん。つらい。でもそれが史実……なんですよね。

　しかし総司くんは、ここに来て近藤さんに対する自分の思いと向き合い直し、戦いたくても戦えない状況になって初めて「戦いたい」という明確な意志を持つんです。

　どうしても戦いたいと言う総司くんに、近藤さんは「７日後に迎えに来る」といい、総司くんはそれを信じてひたすら近藤さんを待つんです。

　でも近藤さんは総司くんを迎えに来ることなく戦場へ向かい、やがて帰らぬ人に……。

　これがＡルートのエンディング、そして、歴史ポイントの値によってエピローグが分岐します。

　エピローグ１では、近藤さんの死を知らないまま、病と戦いながらずっと待ち続けた総司くんが、ついに天に召されてしまう史実エンド。
　わかっていてもつらい。とってもつらいからなるべく先に見ましょう。笑。

　エピローグ２は、私の中で一番意外な展開だったんですが、なんと気力で(？)病に打ち勝った総司くんが菜乃香とともに、最北の地で戦う土方さんに合流するんですよ！！
　この時総司くんは洋装なんですが、菜乃香がダンダラの羽織(←近藤さんへの忠誠心の象徴として描かれるアイテム)を着せてあげるんですよ。
　私が最後に見たエピローグなんですが、すごく胸が熱くなりました。たぎりました。

　３人は恐らく、この戦場で命を散らすことになるんですけど、全然悲壮な感じじゃなくて、不思議と爽やかな後味でした。最高ですねー。


　そしてルートＢ。こっちは、いろいろ超展開です。

　まず分岐してすぐに総司くんが元気になります。
　労咳かな、とみんな思ってたけどそんなことはなかったぜ！

　そして近江屋で襲撃されて行方不明になった筈の龍馬の幻(？)からも助言を受けて、次第に「山南さんの気持ちに報いたい」という思いを強くする総司くん。

　そして総司くんはついに「絶対」の存在だった近藤さんに背き、油小路で襲われる筈の伊東さんを勝手に護衛しちゃいます。

　なんと総司くんのおかげで油小路の変が回避されました。いえーい。御陵衛士タナボタ。笑。

　それによって、史実では御陵衛士に銃撃を受ける筈の近藤さんの負傷フラグまで回避となり、代わりに墨染で、総司くんと近藤さんの「けじめ」の決闘が行われます。

　決闘と言っても実は仲良し師弟がじゃれ合ってるだけなんですけど。笑。

　結果近藤さんが勝つんですが、斬られる覚悟だった総司くんに、「鬼ごっこをしよう」と提案する近藤さん。

　近藤さんの思いを察した総司くんは菜乃香の手を取って、自由に向かって全力で逃げ出すのでした。

　これがＢルートのエンディングです。
　終始明るい雰囲気で、心があったまるエンディングでした。

　エピローグ３では、所帯をもって蝦夷地で暮らす２人が描かれます。
　２人の男の子が生まれており、お腹には３人目が！ ……でも総司くんはもっと欲しいようです。エロいからな。笑。

　エピローグ４では、海外に行って本気で絵を勉強するのもいいかもねー、みたいなことを話しながらイチャイチャしている２人のもとを誰かが訪ねてくるという結末。多分龍馬ですね。

　このエピローグだけなんか終わり方あっさりなので、エピローグ５とかに続いたりして。


　ルート的にはＢが好きなんですが、エピローグ的には２が一番好きかもしれません。


　ちなみにバッドエンドはすごくあっさりしてて、親密度不足で恋人関係にならずに途中で終わるエンドと、キーイベント(告白イベント)での選択肢によって起こる失恋エンドでした。

　とっても虚しい気持ちになるので、まさにバッドエンドですね。


　途中で起こる様々なイベントで印象的なのはまず、サプライズ１のパイ揉み(←サプライズどころじゃねえよ！！)。

　そしてサプライズ２の酔っぱらった総司が布団をめくってウェルカムするイベント。
　ウェルカムしといて気絶睡眠する総司……女に恥かかすな！ 笑。

　あとジェラシーイベントもだいたい萌えたね。
　やっぱクールっぽい人のヤキモチはいい。
　特に中岡編が好きかも。中岡の残念な感じも含めて。笑。

　あとテーマイベント「偉業？」の総司くんの容赦ない盲目ぶりもたまらない。笑。
　マジで菜乃香以外の女なんて目にも入らないんですねー。

　ストーリーイベントでは、やっぱり山南さん周辺と、最後のほうの近藤さん周辺がマジで泣ける！！

　特に山南さん……ああ山南さん……。

　菜乃香の胸に顔を埋めて泣きながら山南さんの名前を呼ぶ場面は、日野聡さんの神演技が光る名場面です。


　好きなイベントＣＧはたくさんあるのですが、あえて２つだけ選ぶならエピローグ２のＣＧと、キーイベントの告白後キスかなー。エロすぎるのは私あまり……。笑。


　そして、キャラクターマニアのほうも全部開いたんですが、今回はシチュエーション×感情で、同じシチュエーションの台詞を色々な感情に合わせて喋ってくれます。９割ネタです。笑。

　特にシチュエーション「特殊１」「特殊２」はひどい。いい意味でひどい。笑。

　でもやっぱ恋華って言えば「○だ○祭」は外せませんからのぅ……。

　他のキャラクターの「特殊」はまた違うんでしょうか？ 早く聞きたいものです。笑。

　次は、今回あんまり出番がなかった高下駄愛好家をオトしたいと思います。笑。