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プロフィール
HN:
麻咲
年齢:
41
性別:
女性
誕生日:
1983/05/03
職業:
フリーター
趣味:
ライブ、乙女ゲーム、カラオケ
自己紹介:
好きなバンド
janne Da Arc
Angelo
犬神サーカス団
シド
Sound Schedule
PIERROT
angela
GRANRODEO
Acid Black Cherry 他
好きな乙女ゲームとひいきキャラ
アンジェリークシリーズ(チャーリー)
遙かなる時空の中でシリーズ(無印・橘友雅、2.藤原幸鷹、3.平知盛、4・サザキ)
金色のコルダシリーズ(1&2・王崎信武、3・榊大地、氷渡貴史)
ネオアンジェリーク(ジェット)
フルハウスキス(羽倉麻生)
ときめきメモリアルGSシリーズ(1・葉月珪、2・若王子貴文)
幕末恋華シリーズ(大石鍬次郎、陸奥陽之助)
花宵ロマネスク(紫陽)
Vitaminシリーズ(X→七瀬瞬、真田正輝、永田智也 Z→方丈慧、不破千聖、加賀美蘭丸)
僕と私の恋愛事情(シグルド)
ラスト・エスコート2(天祢一星)
アラビアンズ・ロスト(ロベルト=クロムウェル)
魔法使いとご主人様(セラス=ドラグーン)
危険なマイ★アイドル(日下部浩次)
ラブマジ(双薔冬也)
星空のコミックガーデン(轟木圭吾)
リトルアンカー(フェンネル=ヨーク)
暗闇の果てで君を待つ(風野太郎)
ラブΦサミット(ジャン=マリー)
妄想彼氏学園(神崎鷹也) 他
バイト先→某損保系コールセンター
janne Da Arc
Angelo
犬神サーカス団
シド
Sound Schedule
PIERROT
angela
GRANRODEO
Acid Black Cherry 他
好きな乙女ゲームとひいきキャラ
アンジェリークシリーズ(チャーリー)
遙かなる時空の中でシリーズ(無印・橘友雅、2.藤原幸鷹、3.平知盛、4・サザキ)
金色のコルダシリーズ(1&2・王崎信武、3・榊大地、氷渡貴史)
ネオアンジェリーク(ジェット)
フルハウスキス(羽倉麻生)
ときめきメモリアルGSシリーズ(1・葉月珪、2・若王子貴文)
幕末恋華シリーズ(大石鍬次郎、陸奥陽之助)
花宵ロマネスク(紫陽)
Vitaminシリーズ(X→七瀬瞬、真田正輝、永田智也 Z→方丈慧、不破千聖、加賀美蘭丸)
僕と私の恋愛事情(シグルド)
ラスト・エスコート2(天祢一星)
アラビアンズ・ロスト(ロベルト=クロムウェル)
魔法使いとご主人様(セラス=ドラグーン)
危険なマイ★アイドル(日下部浩次)
ラブマジ(双薔冬也)
星空のコミックガーデン(轟木圭吾)
リトルアンカー(フェンネル=ヨーク)
暗闇の果てで君を待つ(風野太郎)
ラブΦサミット(ジャン=マリー)
妄想彼氏学園(神崎鷹也) 他
バイト先→某損保系コールセンター
アクセス解析
2008/12/18 (Thu)
二次創作関連
今週中には、とか言ってたら朝イチで早速完成してしまった。笑。
1万アクセス突破記念SS、「危険なマイ★アイドル」の二次創作になります。
もともと、本家で日下部とのクリスマス特別シナリオがなかったということから、「だったら自分で書きますよ!」と書き始めたものでした。
メールイベントとか、胸キュンサイトイベントとか、最近になってフォローがあったので、わりと気は済んだんだけど、やっぱり後日談は見たいじゃないですか!!
そんなわけで私なりに日下部のクリスマス特別シナリオを創作してみました。電撃GSのブログともちょっと絡めてます。
SSを読んで下さる物好きな方は以下のことにご注意下さい。
・日下部浩次グッドエンドの後日談のため、力いっぱいネタバレを含みます。
・ヒロインの名前はデフォルトネーム「葉山さつき」。
私の書き方の癖が出て、モノローグの口調が本家と微妙に違います。汗。
・他のキャラクターは名前しか出て来ません。笑。
・本家にシーン回想がないため、記憶を頼りに書いてるので何か間違ってたらすいません。
以上を踏まえた上で、自己責任でご閲覧下さい。
そして、コメントでもメールでも拍手コメントでもいいので感想を頂けると非常に嬉しいです。
それでは↓↓どーぞ。
1万アクセス突破記念SS、「危険なマイ★アイドル」の二次創作になります。
もともと、本家で日下部とのクリスマス特別シナリオがなかったということから、「だったら自分で書きますよ!」と書き始めたものでした。
メールイベントとか、胸キュンサイトイベントとか、最近になってフォローがあったので、わりと気は済んだんだけど、やっぱり後日談は見たいじゃないですか!!
そんなわけで私なりに日下部のクリスマス特別シナリオを創作してみました。電撃GSのブログともちょっと絡めてます。
SSを読んで下さる物好きな方は以下のことにご注意下さい。
・日下部浩次グッドエンドの後日談のため、力いっぱいネタバレを含みます。
・ヒロインの名前はデフォルトネーム「葉山さつき」。
私の書き方の癖が出て、モノローグの口調が本家と微妙に違います。汗。
・他のキャラクターは名前しか出て来ません。笑。
・本家にシーン回想がないため、記憶を頼りに書いてるので何か間違ってたらすいません。
以上を踏まえた上で、自己責任でご閲覧下さい。
そして、コメントでもメールでも拍手コメントでもいいので感想を頂けると非常に嬉しいです。
それでは↓↓どーぞ。
《聖夜の涙》
12月24日。
午後9時13分。
1年に1度の聖なる夜に、私は一番大切な人の笑顔を見つめていた。
……ただしそれは、テレビの画面越しに、だけど。
人気バラエティー番組のクリスマス特番……その生放送のスタジオに、私の恋人は、いた。
私は今、人気アイドル・日下部浩次と付き合っている……らしい。
自分のことなのに、「らしい」っていうのは変かもしれない。
だけど、正直なところ、未だに実感を伴っていなかった。
彼と気持ちを確かめあってから1ヵ月ちょっと。
実は2人きりでゆっくり過ごせた日は1日もない。
お騒がせアイドル・日下部浩次、番組本番中に噂の美人プロデューサーと真剣交際宣言!! ……という、いろいろな意味で頭の痛くなる見出しは、スポーツ新聞やネットニュース、更には全国ネットのワイドショーで日本中に繰り返し伝えられた。
告白を受けた時は感激して胸がいっぱいだったから気にもならなかったけど、あれだけ大胆なことをしてしまったら、それはもちろん反響も大きいに決まっている。
冷静になった私はすっかり青ざめてしまった。
実名こそ出されなかったものの、しばらくはマスコミからのアプローチが絶えなくて、社長や事務所のみんなには何かと心配と迷惑をかけてしまったし。
特に社長と寛貴、そして私がプロデュースしてる悟くんには……本当に色々大変な思いをさせてしまった気がする。
担当アイドルより先に有名になってどうするんだか……我ながら恥ずかしい。
そして日下部さんのほうはといえば、一躍時の人になってしまった模様。
いい加減そうに見えて気遣いは心得ている彼は、番組の中で自分の過去を話すこと、私への気持ちを告白することを、事前にしっかりアストレアに通していた。
しかも、あっさり許可されたとのこと。
日下部さんはそれまで女性関係のスキャンダルに事欠かなかったから、アストレア側も何かと苦労が絶えなかったらしく、落ち着いてくれるなら万々歳といった感じらしい。
日下部さんはもうアイドルとしては中堅だから、「真剣交際」であれば恋愛もマイナスイメージにはならないという判断をしたんだろう。
実際、離れていったファンはごくわずかで、むしろそれまでは「遊んでそう」「チャラチャラしてそう」と敬遠していた人たちが、一転して好感を抱くようになったようで、人気は急上昇。
話題性抜群として、もう朝から晩までテレビに出ずっぱりだし、こらから更に人気が出そうだ。
CM契約や、映画出演のオファーもバンバン入っているみたい。
日下部さんのマネージャーから直々に感謝されて、私はそれはもう複雑な気持ちになってしまった……。
今日の生番組だって、急遽企画されたもの。
日下部さんのレギュラー番組の中では元々人気のあるバラエティー番組だけど、やっぱり最近視聴率は右肩上がりなんだとか。
せめてクリスマスイブくらいは、一緒に過ごせないかな……という淡い期待は儚く消え去ったけど、日下部さんにとってはいいことなんだから仕方ない。
「ねえ、さつきちゃんが寂しいなら……俺、断ってもいいよ」
なんて冗談めかして言っていたけど、そんなことさせられるわけがない。
「バカなこと言わないで、ちゃんと仕事して下さい。私も年末進行で忙しいんですから」
とバッサリ切り捨てて……今に至る。
実際仕事は目が回りそうなほど忙しかったから、寂しいと感じる暇はなかった。
こうして家路について、独りきりになるまでは。
泊まりの地方ロケで寛貴もいない。
静かな部屋の中、飾り付けたツリーだけが私を待っていた。
コートを脱いで、疲れた体をソファーに預けて、しばらくぼんやり天井を見上げて。
ふとさりげなくテレビのリモコンに手を伸ばした。スイッチ入れて、すぐに彼の笑顔が映し出された。ドキッとした。
「日下部さん……」
ぽつりと呟く。
「……時田、くん……」
テレビの中でアイドルとして振る舞う彼の姿は、やっぱり記憶の中の「時田航平」くんとはうまく重ならない。
日下部さんをなんだか遠くに感じてしまって、せつなくなった。
少しでも時間ができると、日下部さんは私に会いに来てくれる。
かつてないほどの多忙な日々を送りながら、多少無理してでも、私のために時間を作ってくれる。
それは本当に、お茶一杯飲むのがやっとのごくわずかな時間で。
名残惜しそうに何度も振り返って、手を振りながら去っていく彼の姿見ていると、ふと「行かないで」とか、わがままを言いたくなる。
言えるわけない。
寂しい、なんて……。
側にいる時はあんなに幸せなのに、離れている時は、それが全部夢だったんじゃないかと思ってしまう。
私がアイドルの日下部浩次と付き合う……なんて、ありえない。
アイドルの日下部浩次が、あの時田くんだなんて……私の妄想だったりして。
そんなくだらないことを考えてしまうくらい、距離を感じてしまう。
日下部さんはこれからもっともっと売れて、もっともっと忙しくなるかもしれない。
私だって悟くんを一流アイドルに導いてあげなくちゃいけないんだから、忙しくならないと困る。
寂しいなんて思ってたらやっていけない……。
「私たち……普通の恋人同士みたいにクリスマスを過ごせること……これから先……あるのかな」
独り言が虚しく響く。
今日は、寒い夜だ。
何か、硬質な音を聞いて目が覚めた。
いつの間に眠っていたのか、それすらサッパリわからない。
つけっぱなしのテレビは砂嵐になってしまっていて、不自然な姿勢で固定されていた身体はあちこち痛みを訴える。
小さく唸りながら身体を伸ばして、砂嵐を消す。
ドンドン。
音がする。
さっき深い眠りから引き戻された時に聞いた、硬質な音はこれに違いなかった。
ベランダのほうからだ。
重い身体を持ち上げて、ベランダに向かい、閉ざされていたカーテンを引いた私は、「いっ」と短くへんてこな悲鳴を上げて、急いで窓を開けた。
「く、日下部さん!?」
「メリークリスマス♪」
記憶の途切れる直前までテレビの中にいた人が、今目の前で屈託のない笑みを浮かべて立っていた。
「ななな、何やってるんですか!?」
「普通に玄関からっていうのも面白くないかなーって。サプライズだよ、サプライズ!」
「サプライズって……ここ5階なんですけど!」
「大丈夫。だって俺、サンタさんだから」
「は?」
「前に言わなかった? 俺は君専用のサンタクロースだって」
何を楽しそうにしょうもないことを言ってるんだろう、この人は……。
多分すぐそこの木を登って、壁にあるわずかな足場を辿って乗り移ったんだろうけど……。
「下に落ちて怪我したり、泥棒と間違われて通報されたらどうするんですか!!」
「あはは、ごめんごめん。怒らないでよ。良かったら部屋に入れてくれない?」
良かったらも何も、閉め出せるわけもなく。
私は、日下部さんを部屋へと招き入れた。
ひんやりとした外気をまとった日下部さんの吐く息はほのかに白く、頬は僅かに紅潮している。
身体、冷えてるんじゃ……。
「とりあえず座ってて下さい。温かい飲み物でも入れますね。紅茶でいいですか?」
ダイニングに向かおうと、 背中を向けた瞬間、抱き締められた。
「っ」
ぎゅっと、強く。後ろから。
「……会いたかった」
囁く声。
「……さつきちゃんは?」
「え……?」
「俺に会いたい、って思ってくれてたかな……」
せつなげな声が胸を締め付ける。
抱き締めていた腕を緩めると、優しい仕草で私の身体を翻らせて、今度は真っ直ぐ正面から見つめてくる。
「……寂しかった?」
「……」
私は答えを迷っていた。
正直に答えることは、彼にとって負担にはならないかと……。
真っ直ぐ見つめたまま、私の髪に触れて、日下部さんはまた口を開く。
「俺はさつきちゃんの側にいられない時はいつも寂しいよ。いつだって、会いたくてたまらないんだ。
……さつきちゃんは『寂しい』とか『会いたい』とか、俺には絶対言わないよね。
それはきっと……俺に気を遣ってくれてるからなんだろうなって、思う」
長い睫毛が影を落とす、綺麗な瞳は真摯な想いを語りかける。
懐かしい面影をそこに宿しながら。
「……だけど、時々妙に不安になっちゃったりするんだよね」
「……不安?」
「俺が期待してるほど、君は俺のこと好きじゃなくて、こんなに苦しいほど会いたくてたまらないのは俺だけなんじゃないか、とか」
「そんなこと……!」
はっとした。
そうだ。
おんなじなんだ。
私が時々、日下部さんとの関係に実感を持てなくなって、不安になってしまうように、日下部さんも怖かったんだ。
「寂しい」「会いたい」「行かないで」「側にいて」……彼を想うからこそ飲み込んだ言葉だったけど、その言葉が出ないことが、返って彼を戸惑わせてしまっていた。
「……寂しいなんて……当たり前よ」
「さつきちゃん……」
「今日だって……本当は2人でずっと一緒に過ごしたかった」
初めて私は、その言葉を口にした。
日下部さんの瞳が大きく揺らめいたかと思うと、すっとぼやけて、かすんでいった。
私、泣いてる……。
「ごめんね」
優しい声。
「寂しい思いさせて、ホント……ごめん」
私の両目に一度ずつ降りてきた唇が涙を掬って、最後に唇に触れた。
そっと包み込むように抱き締めて、何度も、何度もキスをくれる。
会えなかった時間が、心の隙間が、2人の距離が、いとも簡単に埋まっていくのを感じた。
本音を語り合うこと。
気持ちを伝え合うこと。
ただそれだけのことが必要だったのに。
私たちは2人ともちょっと不器用なのかもしれない。
不意にキスを中断した唇が、耳元で囁く。
「……ここからは、朝まで一緒でいい、のかな?」
私は小さく頷いてから、ふと思い立ち、
「……日下部さんは仕事」
大丈夫なんですか? ……と問おうとした私の唇を、長い人差し指が制する。
「心配ご無用♪……仕事は仕事でちゃんとがんばるよ。蔑ろにしたりしない。君を困らせたくないしね。……それより」
日下部さんはいきなり子どもっぽく口を尖らせる。
「ねえねえ、いつまで俺は『日下部さん』なわけー? なんかよそよそしくて俺寂しいんだけど!」
あ、言われてみれば……そう、か。
恋人を芸名で呼ぶって、ちょっと変かも。
「じゃあ……時田くん?」
「……」
まだ不満そうな顔をしている。
「……えっと、航平、くん?」
「はーいっ♪」
機嫌良く返事をすると、満面の笑みを浮かべて、チュッと、もう一度キスをくれる。
「……ありがとう。愛してるよ、さつきちゃん」
「……私も、大好き。……航平くん」
同じ教室の中で過ごしていたあの頃、私たちはお互いに抱いていた淡い気持ちを伝えられないまま大人になった。
もう一度巡り会って恋が出来たのに、今もまだこんなに不器用で、臆病で。
これから先も何度も不安になったり、すれ違ったりするかもしれない。
会いたい時に会えなくて、寂しい思いもしていくだろう。
だけど、けして離れたりしない。
仮に離れてしまったとしても、また何度でも出会って、あなたと恋をする。
2人はきっと、運命だから……。
《聖夜の涙・END》
12月24日。
午後9時13分。
1年に1度の聖なる夜に、私は一番大切な人の笑顔を見つめていた。
……ただしそれは、テレビの画面越しに、だけど。
人気バラエティー番組のクリスマス特番……その生放送のスタジオに、私の恋人は、いた。
私は今、人気アイドル・日下部浩次と付き合っている……らしい。
自分のことなのに、「らしい」っていうのは変かもしれない。
だけど、正直なところ、未だに実感を伴っていなかった。
彼と気持ちを確かめあってから1ヵ月ちょっと。
実は2人きりでゆっくり過ごせた日は1日もない。
お騒がせアイドル・日下部浩次、番組本番中に噂の美人プロデューサーと真剣交際宣言!! ……という、いろいろな意味で頭の痛くなる見出しは、スポーツ新聞やネットニュース、更には全国ネットのワイドショーで日本中に繰り返し伝えられた。
告白を受けた時は感激して胸がいっぱいだったから気にもならなかったけど、あれだけ大胆なことをしてしまったら、それはもちろん反響も大きいに決まっている。
冷静になった私はすっかり青ざめてしまった。
実名こそ出されなかったものの、しばらくはマスコミからのアプローチが絶えなくて、社長や事務所のみんなには何かと心配と迷惑をかけてしまったし。
特に社長と寛貴、そして私がプロデュースしてる悟くんには……本当に色々大変な思いをさせてしまった気がする。
担当アイドルより先に有名になってどうするんだか……我ながら恥ずかしい。
そして日下部さんのほうはといえば、一躍時の人になってしまった模様。
いい加減そうに見えて気遣いは心得ている彼は、番組の中で自分の過去を話すこと、私への気持ちを告白することを、事前にしっかりアストレアに通していた。
しかも、あっさり許可されたとのこと。
日下部さんはそれまで女性関係のスキャンダルに事欠かなかったから、アストレア側も何かと苦労が絶えなかったらしく、落ち着いてくれるなら万々歳といった感じらしい。
日下部さんはもうアイドルとしては中堅だから、「真剣交際」であれば恋愛もマイナスイメージにはならないという判断をしたんだろう。
実際、離れていったファンはごくわずかで、むしろそれまでは「遊んでそう」「チャラチャラしてそう」と敬遠していた人たちが、一転して好感を抱くようになったようで、人気は急上昇。
話題性抜群として、もう朝から晩までテレビに出ずっぱりだし、こらから更に人気が出そうだ。
CM契約や、映画出演のオファーもバンバン入っているみたい。
日下部さんのマネージャーから直々に感謝されて、私はそれはもう複雑な気持ちになってしまった……。
今日の生番組だって、急遽企画されたもの。
日下部さんのレギュラー番組の中では元々人気のあるバラエティー番組だけど、やっぱり最近視聴率は右肩上がりなんだとか。
せめてクリスマスイブくらいは、一緒に過ごせないかな……という淡い期待は儚く消え去ったけど、日下部さんにとってはいいことなんだから仕方ない。
「ねえ、さつきちゃんが寂しいなら……俺、断ってもいいよ」
なんて冗談めかして言っていたけど、そんなことさせられるわけがない。
「バカなこと言わないで、ちゃんと仕事して下さい。私も年末進行で忙しいんですから」
とバッサリ切り捨てて……今に至る。
実際仕事は目が回りそうなほど忙しかったから、寂しいと感じる暇はなかった。
こうして家路について、独りきりになるまでは。
泊まりの地方ロケで寛貴もいない。
静かな部屋の中、飾り付けたツリーだけが私を待っていた。
コートを脱いで、疲れた体をソファーに預けて、しばらくぼんやり天井を見上げて。
ふとさりげなくテレビのリモコンに手を伸ばした。スイッチ入れて、すぐに彼の笑顔が映し出された。ドキッとした。
「日下部さん……」
ぽつりと呟く。
「……時田、くん……」
テレビの中でアイドルとして振る舞う彼の姿は、やっぱり記憶の中の「時田航平」くんとはうまく重ならない。
日下部さんをなんだか遠くに感じてしまって、せつなくなった。
少しでも時間ができると、日下部さんは私に会いに来てくれる。
かつてないほどの多忙な日々を送りながら、多少無理してでも、私のために時間を作ってくれる。
それは本当に、お茶一杯飲むのがやっとのごくわずかな時間で。
名残惜しそうに何度も振り返って、手を振りながら去っていく彼の姿見ていると、ふと「行かないで」とか、わがままを言いたくなる。
言えるわけない。
寂しい、なんて……。
側にいる時はあんなに幸せなのに、離れている時は、それが全部夢だったんじゃないかと思ってしまう。
私がアイドルの日下部浩次と付き合う……なんて、ありえない。
アイドルの日下部浩次が、あの時田くんだなんて……私の妄想だったりして。
そんなくだらないことを考えてしまうくらい、距離を感じてしまう。
日下部さんはこれからもっともっと売れて、もっともっと忙しくなるかもしれない。
私だって悟くんを一流アイドルに導いてあげなくちゃいけないんだから、忙しくならないと困る。
寂しいなんて思ってたらやっていけない……。
「私たち……普通の恋人同士みたいにクリスマスを過ごせること……これから先……あるのかな」
独り言が虚しく響く。
今日は、寒い夜だ。
何か、硬質な音を聞いて目が覚めた。
いつの間に眠っていたのか、それすらサッパリわからない。
つけっぱなしのテレビは砂嵐になってしまっていて、不自然な姿勢で固定されていた身体はあちこち痛みを訴える。
小さく唸りながら身体を伸ばして、砂嵐を消す。
ドンドン。
音がする。
さっき深い眠りから引き戻された時に聞いた、硬質な音はこれに違いなかった。
ベランダのほうからだ。
重い身体を持ち上げて、ベランダに向かい、閉ざされていたカーテンを引いた私は、「いっ」と短くへんてこな悲鳴を上げて、急いで窓を開けた。
「く、日下部さん!?」
「メリークリスマス♪」
記憶の途切れる直前までテレビの中にいた人が、今目の前で屈託のない笑みを浮かべて立っていた。
「ななな、何やってるんですか!?」
「普通に玄関からっていうのも面白くないかなーって。サプライズだよ、サプライズ!」
「サプライズって……ここ5階なんですけど!」
「大丈夫。だって俺、サンタさんだから」
「は?」
「前に言わなかった? 俺は君専用のサンタクロースだって」
何を楽しそうにしょうもないことを言ってるんだろう、この人は……。
多分すぐそこの木を登って、壁にあるわずかな足場を辿って乗り移ったんだろうけど……。
「下に落ちて怪我したり、泥棒と間違われて通報されたらどうするんですか!!」
「あはは、ごめんごめん。怒らないでよ。良かったら部屋に入れてくれない?」
良かったらも何も、閉め出せるわけもなく。
私は、日下部さんを部屋へと招き入れた。
ひんやりとした外気をまとった日下部さんの吐く息はほのかに白く、頬は僅かに紅潮している。
身体、冷えてるんじゃ……。
「とりあえず座ってて下さい。温かい飲み物でも入れますね。紅茶でいいですか?」
ダイニングに向かおうと、 背中を向けた瞬間、抱き締められた。
「っ」
ぎゅっと、強く。後ろから。
「……会いたかった」
囁く声。
「……さつきちゃんは?」
「え……?」
「俺に会いたい、って思ってくれてたかな……」
せつなげな声が胸を締め付ける。
抱き締めていた腕を緩めると、優しい仕草で私の身体を翻らせて、今度は真っ直ぐ正面から見つめてくる。
「……寂しかった?」
「……」
私は答えを迷っていた。
正直に答えることは、彼にとって負担にはならないかと……。
真っ直ぐ見つめたまま、私の髪に触れて、日下部さんはまた口を開く。
「俺はさつきちゃんの側にいられない時はいつも寂しいよ。いつだって、会いたくてたまらないんだ。
……さつきちゃんは『寂しい』とか『会いたい』とか、俺には絶対言わないよね。
それはきっと……俺に気を遣ってくれてるからなんだろうなって、思う」
長い睫毛が影を落とす、綺麗な瞳は真摯な想いを語りかける。
懐かしい面影をそこに宿しながら。
「……だけど、時々妙に不安になっちゃったりするんだよね」
「……不安?」
「俺が期待してるほど、君は俺のこと好きじゃなくて、こんなに苦しいほど会いたくてたまらないのは俺だけなんじゃないか、とか」
「そんなこと……!」
はっとした。
そうだ。
おんなじなんだ。
私が時々、日下部さんとの関係に実感を持てなくなって、不安になってしまうように、日下部さんも怖かったんだ。
「寂しい」「会いたい」「行かないで」「側にいて」……彼を想うからこそ飲み込んだ言葉だったけど、その言葉が出ないことが、返って彼を戸惑わせてしまっていた。
「……寂しいなんて……当たり前よ」
「さつきちゃん……」
「今日だって……本当は2人でずっと一緒に過ごしたかった」
初めて私は、その言葉を口にした。
日下部さんの瞳が大きく揺らめいたかと思うと、すっとぼやけて、かすんでいった。
私、泣いてる……。
「ごめんね」
優しい声。
「寂しい思いさせて、ホント……ごめん」
私の両目に一度ずつ降りてきた唇が涙を掬って、最後に唇に触れた。
そっと包み込むように抱き締めて、何度も、何度もキスをくれる。
会えなかった時間が、心の隙間が、2人の距離が、いとも簡単に埋まっていくのを感じた。
本音を語り合うこと。
気持ちを伝え合うこと。
ただそれだけのことが必要だったのに。
私たちは2人ともちょっと不器用なのかもしれない。
不意にキスを中断した唇が、耳元で囁く。
「……ここからは、朝まで一緒でいい、のかな?」
私は小さく頷いてから、ふと思い立ち、
「……日下部さんは仕事」
大丈夫なんですか? ……と問おうとした私の唇を、長い人差し指が制する。
「心配ご無用♪……仕事は仕事でちゃんとがんばるよ。蔑ろにしたりしない。君を困らせたくないしね。……それより」
日下部さんはいきなり子どもっぽく口を尖らせる。
「ねえねえ、いつまで俺は『日下部さん』なわけー? なんかよそよそしくて俺寂しいんだけど!」
あ、言われてみれば……そう、か。
恋人を芸名で呼ぶって、ちょっと変かも。
「じゃあ……時田くん?」
「……」
まだ不満そうな顔をしている。
「……えっと、航平、くん?」
「はーいっ♪」
機嫌良く返事をすると、満面の笑みを浮かべて、チュッと、もう一度キスをくれる。
「……ありがとう。愛してるよ、さつきちゃん」
「……私も、大好き。……航平くん」
同じ教室の中で過ごしていたあの頃、私たちはお互いに抱いていた淡い気持ちを伝えられないまま大人になった。
もう一度巡り会って恋が出来たのに、今もまだこんなに不器用で、臆病で。
これから先も何度も不安になったり、すれ違ったりするかもしれない。
会いたい時に会えなくて、寂しい思いもしていくだろう。
だけど、けして離れたりしない。
仮に離れてしまったとしても、また何度でも出会って、あなたと恋をする。
2人はきっと、運命だから……。
《聖夜の涙・END》
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