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乙女ゲーマー麻咲(あさき)の、2.5次元を彷徨うブログ
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  プロフィール
HN:
麻咲
年齢:
41
性別:
女性
誕生日:
1983/05/03
職業:
フリーター
趣味:
ライブ、乙女ゲーム、カラオケ
自己紹介:
好きなバンド

janne Da Arc
Angelo
犬神サーカス団
シド 
Sound Schedule
PIERROT
angela
GRANRODEO
Acid Black Cherry 他

好きな乙女ゲームとひいきキャラ
アンジェリークシリーズ(チャーリー)
遙かなる時空の中でシリーズ(無印・橘友雅、2.藤原幸鷹、3.平知盛、4・サザキ) 
金色のコルダシリーズ(1&2・王崎信武、3・榊大地、氷渡貴史)
ネオアンジェリーク(ジェット) 
フルハウスキス(羽倉麻生) 
ときめきメモリアルGSシリーズ(1・葉月珪、2・若王子貴文) 
幕末恋華シリーズ(大石鍬次郎、陸奥陽之助) 
花宵ロマネスク(紫陽) 
Vitaminシリーズ(X→七瀬瞬、真田正輝、永田智也 Z→方丈慧、不破千聖、加賀美蘭丸) 
僕と私の恋愛事情(シグルド) 
ラスト・エスコート2(天祢一星) 
アラビアンズ・ロスト(ロベルト=クロムウェル) 
魔法使いとご主人様(セラス=ドラグーン)
危険なマイ★アイドル(日下部浩次)
ラブマジ(双薔冬也)
星空のコミックガーデン(轟木圭吾)
リトルアンカー(フェンネル=ヨーク) 
暗闇の果てで君を待つ(風野太郎)
ラブΦサミット(ジャン=マリー)
妄想彼氏学園(神崎鷹也) 他

バイト先→某損保系コールセンター 

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2024/05/21 (Tue)
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2010/04/14 (Wed)
 こんばんは、芹沢くんの中の人が、某テニスアニメに出ていることを今まで知らなかった麻咲です。

 昨日アニメイトのCD新譜コーナーで、キャラソンを見かけて初めて知ったという……ヲタのクセに、メジャーな作品を案外チェックしてないんで、最近の流行りはよくわかりません。リボーンとかももうサッパリです。汗。

 某マンスリー刀アニメに出てるのは、知ってたんですけどね……あ、今週末か。また忘れずにチェックしなければ……。



 そんなわけで、芹沢×かなで四部作ラスト。

 【恋の音:♪♪♪♪】イベントと、エンディングに相当するエピソードです。

 そして、今回のテーマは「ご奉仕」です。笑。


 あまり多くは語りませんので、どうぞ早速お楽しみ下さい。


 今回も芹沢×かなでのシリーズ既読前提、本編ネタバレありです。おっけーな方は「つづき」へどうぞ。


 今回も是非、拍手・コメントよろしくお願いいたします★★

 アンケートも絶賛(?)受付中です★

 次回のカプについては本日、反省会でお知らせします♪

「……やっと合った……」

 ようやく矛盾なく、余剰も不足もなく、すべての数字が並んだ会計報告書に満足して、芹沢は安堵の溜め息をついた。

 いざ答えがわかると、逆に今まで何故わからなかったのか、何を悩んでいたのかがわからなくなってくる。

 奇妙だが、人間なんてそんなものなのだろう。


 ふと時計を見れば、随分遅い時間になっている。

 そろそろ就寝するべきかもしれない……と、思うのだが、全く眠気を感じない。

 気分が高揚しているのだろうか……全国大会ファイナルを明日に控えて。

 自分が出るわけでもないのに?
 そう考えると、笑えてくる。

 だがもう、実のところとっくに認めている。

 自分にとって彼女がどんな存在になりつつあるのか、ということを……。

 さて。

 その彼女は今、どうしているのだろうか。

 流石に早く休んだだろうか、それとも自分と同じように眠れなくて困っているのだろうか。

 あるいは……。

「……まさか……」








【 いとおしきもの 】









「せ……芹沢くん!?」

「……小日向さん、あなたと言う人は……」

 怒っているのか、呆れているのか、その両方なのかはわからないが、芹沢の目は完全にすわっている。

「……そこまで『師匠』をリスペクトしなくて結構です。本番に障りますよ」

 心を読まれてしまった。
 かなではとりあえず苦笑する他無かった。

 今夜は、ソロファイナルの時に東金がそうしたように、ギリギリまでスタジオにこもって練習しようとしていたのだが、まさか芹沢がいきなり乗り込んで来るとは夢にも思わなかった。

「でもね」

 とりあえず言い訳を試みる。

「出来る努力は全部やっておきたくて」

「気持ちはわからなくはないですが……万全なコンディションで臨まなければ、尚悔いが残るのでは?」

「……確かに」

 芹沢の主張は正しい。

 いくら努力をしても、本番で実力を発揮出来なければ何にもならない。

「じゃあ」

 言い訳が通らないなら、次は譲歩しかない。

「あと一時間だけ」

 芹沢の眉間に目一杯皺が寄る。
 まずい。却下されそうな雰囲気だ。

「じゃあ30分!30分だけならいいよね?」

「……わかりました。30分ですからね」

「よかった! ありがとう、芹沢くん!」

 芹沢は深く溜め息をつきながら、すぐ側にあったパイプ椅子に座った。

 終わるまではそこにいるつもりらしい。

 こんなに近くで芹沢に見られているのかと思うとなんだか緊張するが、そんなことを言っている場合ではない。
 30分しかないのだから、集中して練習しなければ……。

 かなでは二度ほど深呼吸をした後で、ヴァイオリンを構えた。

 その時、それは起きた。

「……痛ッ……」

 唇から悲鳴が漏れた。


「……小日向さん!?」

 ガタッと音を立てて、芹沢が立ち上がる。

「どうしました……?」

「足……」

「足?」

「つっちゃった……」

 心配かけないように笑いかけようとしたのだが、うまくいかない。

 また呆れられてしまうだろうと思ったが、芹沢は表情を変えず、つかつかと歩み寄り、

「つっている足を伸ばしたまま、力を抜いて下さい」

 簡潔に指示したかと思うと、背中と足を支えるようにして、ヴァイオリンごとかなでをひょいっと抱き抱えてしまった。
 それは、俗に言う「お姫様抱っこ」というスタイルに他ならない。

「えっ……?」

 突然の出来事に対する驚きと、苦痛とで頭が真っ白になっている間に、すぐ側にあった低い長テーブルの上に、足を伸ばした状態で下ろされていた。

 芹沢が問う。

「痛むのはどこですか?」

「右の、ふくらはぎのとこ……」

 ぼんやりしたまま答えると、芹沢は即座に床に膝をつき、

「失礼」

 と断りの言葉を告げると、かなでの右のローファーに手をかけ、手際よく脱がせた。

「あっ」

 慌てている間にハイソックスも脱がされ、素足が露になる。

 たかが靴、たかがソックス……それなのに、いたたまれないくらい恥ずかしい気持ちになって、ヴァイオリンを抱えたまま固まってしまう。

 だが、芹沢はそんなかなでの様子などお構い無しだった。

 かなでの足先を自分の胸元に押し付けて支えるようにしながら、剥き出しのふくらはぎに指でゆっくり触れていく。

「せっ……芹沢くん……」

「動かないで、力を抜いたままでいて下さい」

「う、うん……」

 芹沢の手はとても優しく、繊細に動いて、痙攣した筋を優しくほぐしていく。

 恐らく、適切な応急処置なのだろう、と思うのだが、鼓動が早くなっていくのを止められない。


 『いとおしい人』に優しく触れられて、ドキドキしない女の子がいるだろうか?


 それでもなんとか気分を落ち着けるため、かなでは言葉を探した。

「……ずっと立ったままで練習、してたからかな……?」

「……そうでしょうね。あなたは、もう少し日頃から身体を鍛えたほうがいいのでは?」

「……うぅ……普段結構そのへん走り回ったりしてるんだけどなー……」

「……まだ、痛みますか?」

「……あ、ううん……大丈夫、ありがと」

 ようやく、芹沢の手がかなでから離れた。

 解放されたような安堵と、少し名残惜しいような奇妙な感覚が同時に起こって、すぐには動けなかった。

 まだ膝をついたままの芹沢は、そんなかなでを斜め下から見上げ、

「……俺に履かせてほしいんですか?」

 と、問い、そのまま傍らに置かれたローファーに目線を向けた。

「い、いいよ……!! 持ってて!!」

 かなでは慌ててヴァイオリンを芹沢に半ば無理矢理押し付けて、ハイソックスとローファーを急いで履き直す。

 芹沢はひとつ溜め息をついて、立ち上がった。

「最後まで手のかかる人ですね……」

 ああ、やっぱり呆れられてしまった……と、かなでも溜め息をついた。

「……今日はやっぱり、練習終わりにしてもう帰ろうかな」










 スタジオから寮までの、さほど長くはない帰り道。
 車はそれなりに通るが、ほとんど人気はなく、とても静かだ。

 芹沢は何も喋らず、まるでかなでの護衛をするかのように、一歩後ろを歩調を合わせてついて来る。

 確か、夏祭りから帰った時もこの道を、こんなふうに通った。

 翌朝顔を合わせた時には、芹沢はいつもの他人行儀な敬語に戻ってしまっていて、それ以後、祭での出来事については何も触れようとしなかった。

 やっぱり、夢だったのかもしれない……と大真面目に考えてしまう。


 そうでなければ芹沢が、2度も「デートをしよう」などと言ってくれるわけがない。

 だがもしそれが夢ではなく、現実だったとしたら……?

 一体、どんなつもりでそう言ってくれたのだろうか。

 ぽん、と背中が何かにぶつかった。

「……どうしました?」

 ぶつかったのは芹沢の身体だと気付いてから、自分が立ち止まっていたことに気付いた。

「……小日向さん?」

 かなでは振り返らずに、ゆっくり口を開いた。

「芹沢くんは、私の『お守り』なの」

「……それは、聞きました」

「よかった……夢じゃなかったね」

「……は? 何を言ってるんですかいきなり」

 芹沢の声音は、当然ながらいぶかしげだったが、かなでは構わずに次の言の葉を紡いだ。

「……星奏学院が優勝したら、デート、してくれるんだよね?」

「……ええ、そう言いました」

「それって、星奏学院じゃ、天音学園に勝てないと思ってるから言ったわけじゃないんだよね?」

 そう口にした瞬間、左肩をぐいっと掴まれて、身体を反転させられていた。

 黒い瞳に、正面から強い意志で射抜かれ、心臓が躍り上がる。

「……そんなつまらないこと、冗談でも言うな」

 キッパリと言い放たれた言葉に、そのまま心臓を鷲掴まれる。

「そうだよね……変なこと言って、ごめん」

 叱られたのに、嬉しいと思うこともあるのだと知る。

「勝つからね、私達」

 そして今やっと、強い決意をもって宣言できた。

 肩に乗ったままの手に、そっと、自分の手を重ね、微笑んでみせる。

「……デートのプラン、ちゃんと考えておいてね」

 黒い瞳が、あの夜と同じように優しく細められた。

「……承知しました」











 そして、運命の日。勝利の女神は微笑んだ。

 栄光のトロフィーは、星奏学院オーケストラ部に贈られ、そして……。











「どう……かな?」

 最初に見せる相手は、どうしても彼がよかった。ゆえに、

「素敵、だと思います」

 と言われ、それがお世辞だとしても、素直に嬉しいと思った。

 着替え用に用意してもらった控え室に、わざわざ呼び出した甲斐があった、と。

 しかし、芹沢は涼しい顔でこう付け足した。

「ドレスは」

「……ドレスだけ?」

 何度もステージ用に正装したことはあるが、こんなに高級な質感の、豪華なドレスをまとうのは初めてだったため、着こなせているのか不安ではあったのだが。
 やはり釣り合っていないのかと、一気にテンションが下がる。

 それを見て、芹沢が小さく息をついた。

「……誤解しているようですね」

「……どういうこと?」

 そう問うと、芹沢は不意に、スタスタと鏡台のほうに近付き、恭しく椅子を引いた。

「どうぞ」

「?? ……う、うん」

 かなでは何が何やらわからないまま、芹沢に促されて椅子に座った。

 鏡には、緊張した面持ちのかなでと、いつも通りの芹沢が映っていた。

 鏡の中で芹沢が、静かに囁く。

「……ドレスはそのままで素敵ですが、あなたはこれから、もっと素敵になります」

 言い終わるや否や、かなでの髪を飾っていた白い薔薇のコサージュを外してしまった。

「え?」

 びっくりしているかなでに何も説明せず、芹沢は備えつけられていたブラシを手に取って、かなでの髪をすき始める。

「……少し、紫外線で傷んでいますね。一度サロンでトリートメントしたほうがいいかもしれません」

「あ、うん……気を付ける……」

 そんな会話をしている間に、着々と作業は進む。

 かなでの髪は、ブラシと同じく備え付けのソフトなジェルとヘアピンで丁寧にまとめられ、後ろでアップにされる。

 そういえば、こういうのが好きって言ってたな……と、思い出した時、芹沢は制服のポケットから、くるくると環状にまとめられた状態のリボンを取り出した。

 深く、優しい色に染まった、藍色のリボン。

 アップにした髪にリボンを飾り、先程外したコサージュをそこに付け直すと、芹沢はブラシを台に置き、満足そうに鏡を見た。

「……ほら、このほうがいいでしょう?」

 かなでは、コクン、と頷いた。

 たとえ100万人から「似合わない」と罵られたとしても、彼が「このほうがいい」と言うなら、頷いてしまう他ないだろう。

 かなでは前を向いたまま、鏡に映った自分と、芹沢とを見つめ、口を開いた。

「お願い、叶えてね……芹沢くんが神戸に帰っちゃう前に」

 夏の終わりは、もうすぐ側まで来ている。

 鏡の中の芹沢が、静かに呟く。

「……あなたのような危なっかしい人を置いて帰るのは、心配ですね」

 かなでは苦笑する。
 心配されて当然だ。
 今まで芹沢にどれほど助けられて来たことか。何度守られて来たことか。

「今のうちに、ひとつだけ、忠告しておきます」

 芹沢は、そう言って、藍を飾られたかなでの髪に、再び触れた。

「こんなふうに簡単に、異性に触れさせたりしたいこと」

 その指が、優しく髪を掬う。

「いとおしい人に触れる時、邪な考えを抱かない男はいない」

「……え……?」

「……もちろん、俺もだ」

 かなでは顔を真っ赤にしながら、自分の髪に口付けをする『いとおしい人』を見つめていた。









【END】

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