シャーク・ブラコン。違った。シャーク・ブランドン。

　「アラビアンズ・ロスト」三人目、シャーク・ブランドンをクリア。

　ロベルトがツボり過ぎたので、もう他のキャラオトさなくていいかなあ、とか一瞬思ってしまったが(笑)、やってみたらシャークもなかなかよかったです。

　あと個人的には彼の設定がタイムリー過ぎる。笑。
　何がタイムリーかは、このブログをまめに読んで下さってる方には、ネタバレ見たらすぐにわかることなので、あえて触れませんが、私はこの部分にシナリオライターさんの技を見ました。

　「やられた」と思いましたよ。

　何に「やられた」のか知りたい方は、下のネタバレリンクへいらっしゃいませ。

　シャーク・ブランドン。
　一代にして成り上がった密輸商人ですが、何故か大病院の院長にしてギルカタール一の名医(ちなみに外科医)でもあります。
　本職の商人のほうでは、金のためなら手段を選ばないような悪徳商人で、暗殺者ギルドに武器や毒薬を流したりもしてる「死の商人」的な側面も持っています。
　医者としてのシャークは金持ちからは目一杯ふんだくりますが、貧しい患者には良心的。
　このへんの二面性も魅力だけど、アイリーンの健康面を気遣うような台詞が多いし、重要なイベントはだいたい病院で起きるから、私はお医者さんのイメージのほうが強いかも。

　性格はわりとざっくばらんでとっつきやすい印象。医者だけに面倒見がいいですが、商人だけに大変強欲で守銭奴でもあります。

　よく見たらそこそこの男前にも関わらず、成金趣味の派手派手な服装と、ちょっとゴキブリみたいな髪型(オールバックで前髪を二本垂らしてる)をアイリーンから馬鹿にされまくっています。可哀想。

　私は赤と金の色合わせ結構好きだから、そんなに趣味悪いと思わなかったけどなー。

　婚約者候補になる前からよく王宮に出入りしており、アイリーンのことは「姫さん」とやや砕けた感じで呼んでます。

　あとからわかることなんですが、シャークは以前から、王族でありながら型にハマることなく、飾らないアイリーンに密かに憧れていて、少なからず好意を持っています。



　ちなみにアイリーンは同行するようになるまでシャークが医者やってることを知らなかったため、白衣姿を見ていきなり爆笑します。本当に可哀想に。笑。

　そこは笑うところじゃなくて萌えるところでしょうに。


　アイリーンの乙女ゲームのヒロインらしからぬデリカシーのない発言は止まるところを知りません

　病院で、長く患って入院しているシャークの年の離れた弟、メイズ(利発そうだが儚げな美少年)と出会ったアイリーンは、シャークに面と向かって「似てないわね」と言い放ちます。
　シャークは自分が父親似で、メイズが母親似なんだと説明しますが、アイリーンは「両親ともに違うんじゃない？」と更にぶっちゃけ、シャークは呆れながら「本当に血が繋がってなかったらどうするんだ。地雷踏んでるぞ」とツッコミを入れる。

　……というコミカルなやりとりがあるのですが、実は本当にこの兄弟、血が繋がってません。

　中盤のイベントで、メイズがいきなり「お気付きの通り、僕と兄は血が繋がっていません」とかサラッと言ってきて、ちっともお気付きじゃなかったアイリーンはさーっと青ざめます。

　私も「ええっ」て声に出してびっくりしてしまいましたわ。

　マジで全然予想できなかったね。

　見た目似てない年の離れた兄弟とか出て来たら、定番ネタとして「本当の兄弟じゃないのかな？」ってちらっと思うじゃん？

　でも序盤の軽い会話でネタにされて否定されたら「あ、違うのね」って納得するじゃん？？


　ライターさんうめーな、こんちくしょう！　笑。


　実はシャークには、実の弟を病気で亡くしたという過去がありました。
　その時、貧しいがゆえに診療を拒否した医者と、自分達を捨てた母親への憎悪から奮起したシャークは商人としてのし上がり、その時の病院を買収して乗っとり、母親を探し当てて復讐した(明言してないけど、多分殺した)。

　しかし死んだ弟はもう帰ってこない。

　それからしばらく後に、病院に助けを求めて来た孤児のメイズに、シャークは自分の弟をダブらせてしまい、「弟になってくれ」と頼んだ。

　メイズはシャークをとても慕っているのですが、自分は「身代わり」なんだという意識がずっとあって、「病気が治ったら弟の代わりでいられない」と思い込んで、病気がよくならないように自分で薬の量を調節したり、挙げ句には自殺未遂を繰り返してきました。

　シャークはシャークでメイズの病気を治そうと躍起になる反面、病気が治ったらメイズは自分から離れていくんじゃないかという不安を抱いたりします。

　不器用ながら互いを思い合う二人の間を仲介する形で関わっていくアイリーンですが、終盤になるとシャークはアイリーンがメイズと仲良くなり過ぎて嫉妬します。両方に。笑。

　「メイズにお姉さんになってほしい、って言われたわよ」って言ったら「なんだと、とるなよ」とか言うし。笑。

　メイズからしたらもちろん「兄さんと結婚してほしい」的な意味合いで言ってるわけなんですが。


　メイズは本当にいい子なんですよ。ギルカタール人だから、可愛い顔して裏があったりするのかなーと思った自分が恥ずかしいくらいい子。

　
　目標達成EDでは、シャークが、病気がだいぶよくなって外出できるようになったメイズとともにアイリーンの執務を手伝っています。

　優秀なメイズを見て宮仕えさせたいと主張するアイリーンと、商人として成功するように仕込むというシャークは対立しますが、言い合う二人を見て「お父さんとお母さんみたい」とメイズ。

　「兄さんも姉さんもいなくなっちゃったから、僕、兄弟がほしいなー」とかからかわれる二人。

　その後二人きりになった時、後押しされる形で、シャークからプロポーズされます。

　メイズなしには語れないシャークルートですが、駆け落ちEDになったらメイズどうなっちゃうのー？　…と心配でした。

　しかしそこはシャーク。当然ながらメイズを捨てたりしません。
　アイリーンに仮病を使わせて緊急入院させ、面会謝絶にするという荒業で見事アイリーンをさらいます。都合が悪くなった政治家みたいです。笑。

　これ、駆け落ちっていうのかな。でも幸せそうだからいいや。


　そういえばアラロスの独特のテクニックに気付いたんだが、前半と後半で同じシチュエーションを作ることで二人の仲が深まってくるのを表す場面が多いのね。

　たとえばシャークの場合、オアシスで水を呑む時に、最初の頃は手で呑ませてくれるんだけど(それはそれで萌)、後半になると口移し、というかアイリーンが不意打ちでキスして水を奪う。笑。

　それから、酒場のシーンとかも。
　シャークは夜勤疲れで、一緒に酒場にいくといつも寝ちゃうんだけど、最初の頃は寝言でアイリーンの名前を呼ぶ。
　中盤になると、寝惚けてアイリーンに絡んでしまう。
　終盤にはむしろムキになって寝ないように頑張ります。うとうとしてて可愛い。笑。


　しかしここまで三人プレイしてきてつくづく思うけど、悪い男ほど可愛いのはなぜなんだろうか……。


　次はカーティスいきますよ。