「アラビアンズ・ロスト」携帯アプリ版に挑戦☆(ネタバレ有)

　特に攻略とか見ずに手探りでプレイしたのでかなりイベントを見落としたが(エンディングは見れた)、勘がつかめたので次は行けるだろう。


　問題作を次々に発表している乙女ゲーメーカー・QuinRoseの２作目にあたり、１作目の「魔法使いとご主人様」と世界観を同じくする「フルークハーフェン大陸シリーズ」。
　PS2版も出てるけど、アプリのはPC版からの移植です。

　この「アラビアンズ・ロスト」、「登場人物全員悪党」というのが売りでございまして、ヒロインも攻略キャラも脇役もモブキャラもみんなガチで悪党です。笑。

　ストーリーはこんな感じ。
　犯罪大国ギルカタールのプリンセスであるヒロイン・アイリーンには、「普通」になりたいという夢があり、プリンセスの立場を捨てることはできないまでも、せめて「普通」の男性と、「普通」の恋愛結婚をしたいと願ってます。
　国の有力者との結婚を勧める両親と対立したアイリーンは、25日の間に自力で1000万G稼ぐことができたら自由にしていい、という取引をすることになります。

　稼ぎ方はまっとうに稼ぐもよし、カジノで当てるもよし、盗んでも搾取してもよし(笑)。

　とはいえ世間知らずのプリンセス一人では1000G稼ぐのは至難の技ということで、アイリーンは五人の婚約者候補(親が勝手に決めたことなので、お互い婚約自体は乗り気でない)の力を借りることにします。

　婚約者候補とは、幼馴染みで北地区の有力者の息子・スチュアート、同じく幼馴染みで南地区の有力者の息子・タイロン、天才暗殺者・カーティス、カジノの元締め・ハロルド、密輸商人・シャークの五人。

　加えて、ヒロインに盗みの技術や戦い方を仕込んだ家庭教師のライル、自称王族の謎多き金貸し屋のマイセン(「魔法使いと～」のヒロイン・アリシアの兄貴)と相棒の自称悪魔・ミハエルなんかが出てきます。

　同行者を連れて依頼をこなしたり、モンスター倒したりして金と経験値稼ぐのが基本なんで、システム的にはBLの「王子様Lv1」みたいな感じ。



　さて、このゲーム、最初は1000万Gなんて稼げるのかなー、と思っちゃうんですが、かなり簡単です。笑。

　初回プレイでは最終的に4000万～5000万Gくらい稼ぎました。

　恋愛と同じくらい金稼ぎも楽しみだった私としては目標額が低すぎて、ちょっとゲームバランスが悪いなあと思った。

　理屈で言うと、とりあえず最終日2日前くらいまでに300万Gあれば、あとはカジノで100万G一点賭けして勝つまでロードし続ければ1000万Gに届くからね。笑。


　恋愛のほうはというと、そこは一応RPGなので、イベントでもほとんど選択肢がないんですなー。
　誘うor誘わないとか、誰を選ぶか、とか根本的な質問はありますが、会話の受答えを選ぶような場面はなかったです。

　ひたすら同行者に選んでいけば勝手に恋愛が進んでいくので、ベストED到達は難しくないでしょう。



　初回プレイの相手に選んだのは、一番まともそうだったので「タイロン」。笑。

　南地区まとめ役の跡取りのタイロンはガタイが良くて、ちょっとぶっきらぼうなアイリーンの幼馴染み。アイリーンのことを「お嬢」と呼んでます。

　もう一人の幼馴染み、スチュアートとともに、小さい頃は三人でよく遊びました。

　が、ある事件を契機にスチュアートが心を閉ざし、離れていってしまってからはバランスが崩れ、タイロンもアイリーンから少し距離を置くようになってしまいます。

　婚約者候補になったものの「俺とお嬢じゃ釣り合わないだろ」とかなり消極的。

　しかし今でもアイリーンの力になりたいと考えるタイロンは、1000G獲得を目指すアイリーンに快く協力してくれます。

　一緒にいるうちに懐かしい思い出を語り合ったり、互いの事情や想いを打ち明けるようになっていく二人。

　気持ちが近付いていく中で、タイロンの口から彼がアイリーンから離れた理由が語られます。


　実はタイロンは昔からアイリーンのことが好きなのですが、アイリーンとスチュアートが互いに打ち明けてはいないものの、想い合っていたことに気付いていたのでした。

　だからスチュアートが心を閉ざした時、アイリーンの寂しさにつけこむようなことはしたくないし、つけこんで拒絶されるのも怖かったから距離を置くことにしたようです。

　アイリーンは昔スチュアートを好きだったことを認めた上で、今はタイロンが好きだと言って、その不器用な想いに応えます。


　エンディングではそんなタイロンから激甘いプロポーズを受けてハッピーエンドなんですが、結局アイリーンは父王からうまいこと王位を押し付けられちゃう。笑。

　自分は国を治める器じゃないと言うアイリーンに、タイロンが言い放つ言葉。

「国も、お嬢に滅ぼされるなら本望だ」


　「魔法使いと～」のセラスなんかもそうだけど、QuinRoseのゲームに出て来る大半の男子の思考傾向って、ヒロイン＞世界なんだよね。笑笑。

　この倒錯した恋愛が、他のメーカーにない色だと思う。

　そういうの苦手な人もいるだろうけど、逆にそこにハマれる人ならかなり楽しめるんじゃないかな。



　あと今作のキャラは本当にみんなワルなんですよ。
　タイロンなんてマシなほうだけど、それでも本編のイベントで人を素手でなぶり殺したり、今はもう国にいないアイリーンの元彼に殺し屋を派遣したり(スチュアートとどっちが先に仕留めるか競争中　汗)、結構トンデモナイです。笑。

　そういうことが日常茶飯事で、道徳感がズレた世界なので、嫌悪感はあまり感じないと思うけど、受け入れられない人には勧められない。


　私は好きです。現実に婚約者が人殺しは困りますが(当たり前だ)、ゲーム的には有。


　ちなみに1000G到達しなかった場合は駆け落ちEDになるらしいんで、それも見たいなあ。


　また太陽の国を少し進めたら、他のキャラクターもやってみようと思います。