カーティス・ナイルの感想ですが、一部「魔法使いとご主人様」のネタバレも含むのでご注意下さい。

　赤毛の殺し屋さん☆カーティス・ナイルを攻略。

　事前に調べた情報では一番人気のあるキャラクターのようだったので、逆に絶対にこいつにはハマんないだろうと思いました。笑。

　だけど萌えポイントも結構ありましたわ。

　どうでもいいけどビジュアル的にヒノエにちょっと似てるなあと思ったんですが、声は石田彰さんなんですよね(そして直兄はロベルト役という　笑) 。

　では毎度ながらネタバレレビューは下の台詞からです☆

　カーティス・ナイル。
　天才的な暗殺者で、暗殺者ギルドの長でもある。

　見た目ははアイリーン曰く「平凡そうな男」で、いつも穏やかな物腰。

　にこにこにこにこしながらサクサクサクサク殺すらしいです。笑。


　一見童顔で年下っぽいけど、私はアイリーンより年上のような気がします。
　少なくとも精神年齢は、ライルの次くらいに高そう。

　スラム街出身。
　お金持ちになってからも貧乏だった頃に借りていた古い借家を買い取って済んでたり、当時の主食(？)である林檎を好んで常に持ち歩いています(どういう理屈で収納されているのか謎です)。
　欲がないというか、何事にも執着がない男なので、稼いだ金はもちろん、ギルドの長という地位や天才暗殺者という名声、果ては自分の命にさえ執着しません。

　職業柄、というよりは多分生まれつき人の命を奪うことに抵抗がないらしく、殺しても何も感じないとか。

　で、そんな自分は壊れていると自覚しています。

　王位になんて興味がないカーティスがアイリーンの婚約者候補になったのは、ある一件で王に借りを作ってしまったからなんですが、ここが絶妙にシリーズの前作「魔法使いとご主人様」とリンクしてます。

　ゆえにここからは「魔法使いとご主人様」のネタバレを含みます。




　親しくなるに連れて、明らかになっていくカーティスの過去。
　殺すことに抵抗がない筈の彼が唯一「殺したくなかった」相手がいたと言います。

　それは、暗殺者のタマゴ(？)の少年で、素質もあり、ギルドの仲間たちからとても可愛がられていました。

　その彼が誘拐されて人質に取られてしまうという事件が起きるのですが、カーティスは暗殺者ギルドの長としての最善の策として、少年を自らの手で葬りました。

　その少年を弟のように面倒を見ていたある暗殺者は、その一件以来自分の生き方について考えるようになりました。
　カーティス曰く、どう生きるかを考えるようになったか考えるようになったら暗殺者は終わりらしく(普通はどう死ぬかを考えるものらしい)、その彼に「潜伏者」の任務を与えて他国に送り出します。
　もうギルドには戻ってこないことを確信しながら。

　現地に潜伏してターゲットが現れるのを待ち続けるという大変気の長い任務です。

　ターゲットは他国の王族でしたが、彼はこれを仕留め損じてしまった。王族の暗殺に失敗したということは大変な問題に発展するものらしく、重罪人となってしまいます。

　彼を許してもらうかわりに、カーティスはアイリーンの婚約者となった……それが王に作った借りの正体でした。


　もっともカーティスは「やりたくないことはやらない」のがポリシーなので(唯一の例外が前出の少年の始末)、本気で嫌だったら王の命令でも婚約者候補なんて引き受けなかったそうですが……。

　このカーティスがかばった暗殺者は、前作「魔法使いとご主人様」のサイラスで間違いないと思います。

　シンフォニア高位魔法学校の教師として潜伏し、ルーンビナスの王女(ヒロイン)を暗殺しようとした人。だいたい邪魔が入って失敗したり、自分で思い止まったりして暗殺失敗するんですが。
　ギルカタール生まれってことは明言されてましたし。
　彼も基本いつもにこにこしていて、あまり本心を語らないキャラクターなので、ベストエンディングまで見ても掴めない男なんですよ。

　装おうとすれば完璧に装おえるのに、初対面の時からヒロインに「裏がありそう」と悟られるくらい妖しさたっぷりだったりとか。
　プロの暗殺者らしからぬ行動をわざとしてるような場面が目につくんですが、カーティスのおかげで補完できましたね。

　すでにサイラスは暗殺者としては終わってた、ってことなわけで。


　ちなみに私はサイラス自体はすごく好きなタイプってわけじゃないけど、従者EDは好きです。
　セラスと組んで、プリンセスに逆らう奴はみんな殺っちゃいましょう、そうです燃やしてしまいましょう！　みたいなノリがブラック過ぎ。笑。

　しかも私、基本従者萌ってわけではないんだけど、この「殺そうとした相手に屈服する、または懐柔され、心酔して従うようになる」っていうパターン大好きなんですよ。

　男同士の上下関係でも萌だし、男女で恋愛を絡めてももちろん萌。

　吸血姫美夕の影響なんだろうな……ラヴァ……。




　話をカーティスに戻しまして。
　
　肝心のカーティスとの恋愛について。
　
　カーティスは女性経験はそれなりにありそうに見えるのですが、やはり他の候補同様恋愛に関しては不器用で、ちょっとズレているところがあります。
　致命的に女心が理解できないといいますか。

　例えば外出中、アイリーンに勧めることなく、ひとりで林檎を食べて怒られる→しばらく後の外出中、アイリーンがカーティスにみとれて見つめていたら「林檎がほしいんですか？」と聞いてくる、みたいな。笑。

　本気でわかんないらしくて、ツッコむと「僕は育ちがよくないから人に気を回すなんて出来ません」とか逆ギレされます。

　そんなこともあり、カーティスは自分がアイリーンにふさわしくないと思っています。

　一緒にいるうちにアイリーンに惹かれるようになっていきながらも、自信のなさ故に打ち明けられず、打ち明けられないからアイリーンもいつまでも「カーティスは王への借りがあるから仕方なくつき合ってくれてるだけ」という認識を脱することができなかったり。

　非常に歯がゆい。笑。


　暗殺者としての自信満々な態度と恋愛におけるへたれ具合のギャップがまた魅力なんでしょうね。


　駆け落ちEDになると、カーティスは「断ったら殺します」と前置きしてから駆け落ちを申し込んで「脅さないと言えないなんて意気地なし」とアイリーンにバッサリ斬られてしまいます。笑。
　本当に断られるのが怖くて脅さないと言えなかったらしい。

　婚約EDでも、自分がアイリーンに愛されている実感がなくて「体だけは気に入ってくれてるのかなって」とかバカなこと言ってましたが。笑。

　そのくせに駆け落ちしたらわざと情報を撒いて、挑戦者を呼び寄せて嬉々として戦ったり、アイリーンにプロポーズしながら王位につくのは嫌だから夫じゃなくて「女王の愛人」になりたいと言い張ったり、結局はいつものやりたい放題のカーティスになっちゃうんですけど。

　もし女王になりたいなら対抗勢力を上から順に殺してってあげるとか、またやめたくなったら反対する人間を上から(以下同文)とか過激な提案をしてくるあたりが、流石あのサイラスを「よく気が合った」と評するだけある。笑。




　次はヒロインの初恋の君(？)スチュアートか。
　今の印象としてはあんまり好きなタイプじゃないけども、他の人のルートで毎回名前を出されて嫉妬の対象になってきた男だけに気になることは気になる。