ムスコ★育成★記録［11］※ネタバレ有

　花柳剣士伝発売までに、なんとか恋愛系のEDだけでも全部見てやりたいもんです。

　七人目はMELODYの天敵？？　ポンちゃんです。

　ネタバレレビューは下の→からどうぞ★

　「ポンちゃん」。
　はじめ本名は明かされていません。

　四季ヶ原町の秋月公園でテントを張って暮らしています。

　自分のことをRPGゲーム(というか明らかにドラクエ)の勇者だと思い込んでおり、日々魔王を倒すために修行に励んでいます。

　「LVが足りない」「HPを回復」などと言ったり、水のみ場を「回復の泉」と呼んだり、段ボールで作った剣を「イクスカリパー」と呼んだり、他人をドラクエ風の職業で呼んだりします(辰波→遊び人、神楽→占い師など。魔王はMELODY　笑)。

　身長150センチ未満の小柄な身体で何故か犬耳・犬尻尾をつけて勇者風の白い衣装を着てます。

　見た目も言動も可愛らしいので、ヒロインふくめ町民みんな小学生かなんかだと思ってますね。

　でも実際は……。






　ポンちゃんとの出会いはまだムスコ(弟)が保育園に上がったばかりの頃。

　タイミング悪く、ヒロインから紫藤家からの刺客と間違われたポンちゃん。

　いわれなく攻撃を受けたため、ヒロインを「勇者の前に立ちはだかる最初の敵」→「ザコボス」と認定。
　ちなみにムスコのほうは何故か気に入られ、「勇者のたまご」と呼ばれます。

　時が流れてもあくことなく魔王に勝負を挑んでは敗北し(神は迷惑がりながらも手加減しながらちゃんと戦ってあげてます)、敗北しては修行を積む……という生活をずっと続けていきます。

　辰波はポンちゃんにケーキの試作品を与えて餌付け(ポンちゃん的には町人からの善意の貢ぎ物)していますが、ヒロインに「あの子は意外と寂しがり屋だから一緒にいてあげて」と言います。

　この辰波の発言は、ポンちゃんを子供と認識してたからなんだろうな……あとでこの人は死ぬほど後悔するに違いない。笑。



　ヒロインはポンちゃんと話すうちに、ポンちゃんは自分と同じように親がいないのではないかと思い始めます。

　ポンちゃんは相変わらずヒロインをザコボス扱いしながらも、ちょっとずつなついていきます。完全に子犬ちゃんです。

　しかしムスコのことで悩むヒロインに的確なアドバイスを与えるなど、明らかにただの子供ではない面がちらついています。
　

　ある時期から、ポンちゃんは頻繁にひどい怪我を負い始めます。

　どうやらチンピラたちの仕業とわかり、「大人のくせに子供になんてことするのよ」みたいなふうに問いつめるヒロインに、チンピラたちは「あいつは俺らと同年代だぞ」と衝撃発言。

　なんでもまだ子供だった頃、チンピラたちはポンちゃんのパーティーのメンバーだったのだが、成長するにつれて公園に寄り付かなくなり、離脱した。

　たまたま久々に公園に行ったら、未だに勇者の真似事を続けているポンちゃんから「戻ってきてくれたのか！？」と言われたが、全く変わらないポンちゃんを嘲笑い、面白がってリンチしたという。


　なんかね、こいつらがチンピラで素行が悪いからポンちゃんがすごく可愛そうに感じるんだけど、実際は大人になっても勇者になる夢を捨てないで、姿も中身も全然変わってないポンちゃんって、異常なんだよね。

　リアルにこんな人がいたら病院送りですから。汗。

　このゲームではポンちゃんの、人に理解されなくても自分の夢をひたすら貫くというひたむきな純粋さを描きながらも、完全には肯定してないんですよね。

　だからポンちゃんはいくら修行しても魔王にもザコボスにもチンピラにも勝つことができないままなんです。


　小さい頃から勇者に憧れていたポンちゃんは、勇者になって大好きなお母さんを守ってあげたかったのだけど、お母さんはすでに亡くなってしまっている。

　生前の言葉、「お母さんにはお父さんがいるから、あなたは自分だけの姫を探して守ってあげなさい」という言葉だけを胸に、勇者になってどこかにいる姫を守るために家を出たポンちゃん。

　ポンちゃんはチンピラたちを「仲間だったのに魔王(げんじつ)に魂を売ってモンスターになった」と言うんですが、ポンちゃんこそ魔王(げんじつ)から逃げて時間を止めていたんじゃないかと私は感じました。独自解釈だけど。

　そんな彼ももう一度魔王(げんじつ)と向き合わざるを得ない時が来ます。



　少しずつヒロインに心を開き、「姫候補にしてもいいのだ」とまで言ってもらえるようになった矢先、事件発生です。

　姑と義弟がいきなり押し掛けてきて「やっぱり財産目当てだったのね」「軽蔑します」などと口々にヒロインを罵倒し、わけもわからないまま「援助を打ち切ります」などと言って帰っていきます。

　困惑していたところにポンちゃんがやって来て相談に乗ってくれると言うのですが、話し始めた瞬間、いきなり現れた黒塗りの高級車にポンちゃんが乗せられ、あっという間につれていかれます。

　ヒロインは先程の出来事と重ね合わせ、何らかの理由で紫藤に拉致されたのだと思って紫藤家に直行しますが、そこにはいません。

　話を聞いた義弟・幸四郎は、ヒロインが何も知らなかったことに驚きつつ、驚くべき真実を明かします。

「彼は実家に帰ったのでしょう」と。


　謎の犬耳勇者・ポンちゃんの正体は、一本木コーポレーションの御曹司・一本木守(イッポンギ・マモル)だったのでした。

　一本木は紫藤コーポレーションのライバル。
　ポンちゃんに紫藤家の嫁が近付いていると気付いた一本木側から紫藤家に「嫁を使って経営上の秘密でも聞き出そうというのか？」という探りが入れられていた。
　紫藤側もヒロインが次は一本木に取り入るつもりだと誤解していたわけです。

　結局それから一年の間、姿を見せなくなってしまったポンちゃん。

　ムスコの試験前日、秋月公園で一人、ポンちゃんを思っていたヒロインの前に、その人がついに現れます。

　しかも一年で身長が伸びてぐんと大人びた姿で「勇者は姫を救うために戻ってきました」と。

　ポンちゃんは、これからは勇者ポンとしてではなく、一本木守としてヒロインただ一人を守ると語り、プロポーズ。

　ヒロインは答えは明日まで待ってほしいと言います。


　そしてまた試験前夜の事件があり、離婚と親権の剥奪で傷付いたヒロイン。

　ポンちゃんはヒロインが望むなら、紫藤を潰してもいい、この家にモンスター(893かなんかですかね)をけしかけてもいい、などと言ってきますが、ヒロインは「それを全部やったら魔王に転職しなきゃいけないよ？」とたしなめます。

「ただしばらくこうしてくれていればいい」と身体を委ねながら。




　ポンちゃんがヒロイン専用のプライベート勇者になってしまったので、エピローグでは無事に勇者のたまごから勇者に昇格したムスコ(優しい)がパーティーを組んで旅立ちます。

　メンバーは何故か巻とミロ(本人たちは承諾しておりませんが　笑)。


　しかしポンちゃん、一本木コーポレーションを継ぐ気はなさそうなんだけど、ちゃんと就職する気はあるんでしょうか？　笑。


　ポンちゃんルート、コミカルだけど案外奥の深い話かもです。




　次は八人のメイン攻略対象のラスト「城錠尚哉」の予定です。