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プロフィール
HN:
麻咲
年齢:
41
性別:
女性
誕生日:
1983/05/03
職業:
フリーター
趣味:
ライブ、乙女ゲーム、カラオケ
自己紹介:
好きなバンド
janne Da Arc
Angelo
犬神サーカス団
シド
Sound Schedule
PIERROT
angela
GRANRODEO
Acid Black Cherry 他
好きな乙女ゲームとひいきキャラ
アンジェリークシリーズ(チャーリー)
遙かなる時空の中でシリーズ(無印・橘友雅、2.藤原幸鷹、3.平知盛、4・サザキ)
金色のコルダシリーズ(1&2・王崎信武、3・榊大地、氷渡貴史)
ネオアンジェリーク(ジェット)
フルハウスキス(羽倉麻生)
ときめきメモリアルGSシリーズ(1・葉月珪、2・若王子貴文)
幕末恋華シリーズ(大石鍬次郎、陸奥陽之助)
花宵ロマネスク(紫陽)
Vitaminシリーズ(X→七瀬瞬、真田正輝、永田智也 Z→方丈慧、不破千聖、加賀美蘭丸)
僕と私の恋愛事情(シグルド)
ラスト・エスコート2(天祢一星)
アラビアンズ・ロスト(ロベルト=クロムウェル)
魔法使いとご主人様(セラス=ドラグーン)
危険なマイ★アイドル(日下部浩次)
ラブマジ(双薔冬也)
星空のコミックガーデン(轟木圭吾)
リトルアンカー(フェンネル=ヨーク)
暗闇の果てで君を待つ(風野太郎)
ラブΦサミット(ジャン=マリー)
妄想彼氏学園(神崎鷹也) 他
バイト先→某損保系コールセンター
janne Da Arc
Angelo
犬神サーカス団
シド
Sound Schedule
PIERROT
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GRANRODEO
Acid Black Cherry 他
好きな乙女ゲームとひいきキャラ
アンジェリークシリーズ(チャーリー)
遙かなる時空の中でシリーズ(無印・橘友雅、2.藤原幸鷹、3.平知盛、4・サザキ)
金色のコルダシリーズ(1&2・王崎信武、3・榊大地、氷渡貴史)
ネオアンジェリーク(ジェット)
フルハウスキス(羽倉麻生)
ときめきメモリアルGSシリーズ(1・葉月珪、2・若王子貴文)
幕末恋華シリーズ(大石鍬次郎、陸奥陽之助)
花宵ロマネスク(紫陽)
Vitaminシリーズ(X→七瀬瞬、真田正輝、永田智也 Z→方丈慧、不破千聖、加賀美蘭丸)
僕と私の恋愛事情(シグルド)
ラスト・エスコート2(天祢一星)
アラビアンズ・ロスト(ロベルト=クロムウェル)
魔法使いとご主人様(セラス=ドラグーン)
危険なマイ★アイドル(日下部浩次)
ラブマジ(双薔冬也)
星空のコミックガーデン(轟木圭吾)
リトルアンカー(フェンネル=ヨーク)
暗闇の果てで君を待つ(風野太郎)
ラブΦサミット(ジャン=マリー)
妄想彼氏学園(神崎鷹也) 他
バイト先→某損保系コールセンター
アクセス解析
2007/09/27 (Thu)
新作乙女ゲーム
来月以降発売予定の乙女ゲーム(パソゲは除く)を超個人的嗜好に基づいて、期待度を5つ星判定してみる。
超個人的嗜好だから、もちろん私以外の人がみてもあまり参考にはならないと思うがね。
《幕末恋華・花柳剣士伝》
★★★★★
これは言わずもがな。とっくに予約済ですから。笑。
しいて言えば、庵たちフィクションキャラの投入が吉と出るか凶と出るかって感じ……。
《アラビアンズ・ロスト~The engagement on desert~》
★★★★
まあ、PCからの移植なんで大きく外すことはないでしょう。
攻略対象が全員悪党って設定や、世界観に惹かれる。ただし、絵はちょっと荒いんだよね~。
屈折した男子ばっかりってとこが多分私向き?
《Palais de Reine/パレドゥレーヌ》
★★★
王女と騎士、っていうテーマには非常に惹かれるんだけど、美形キャラがいっぱいいるわりにオトせなさそうだからなんだかな~(いや、わかんないけど)。
絵は綺麗だけど私の好きな感じとはちょっと違うかも。なんかずんぐりむっくりで。笑。
《星色のおくりもの》
★★★
どうやらオーソドックスな学園もの?
攻略対象がどうやら四人しかいない。ある意味潔い。
ってことはストーリーがしっかりしてないとキツイよなあ。大丈夫かしら??
これ、っていうキャラがいないので様子見してシナリオの評判がよかったら買うかも?
《はかれなはーと 君がために輝きを》
★★★
なんでもあり的な、いいとこ取りの攻略キャラたちがすごい。
絵柄の性質上、中性的な顔立ちの男子が多いのがちょっとマイナス。
《放課後は白銀の調べ》
★★
売りは坊主×乙女……? ん~、ないな~。著しくツボを外れてるんで。
私的には今んとこ圏外。
《ラスト・エスコート2~深夜の甘い棘》
★★★★★
すいません。D3Pばっか高くてすいません。
無印は絵がもうちょっとかな? って感じだったから、着実にクオリティアップしてて「おーっ」って感じ。
キャラ総替えは正しい判断だと思う。
《DUEL LOVE~恋する乙女は勝利の女神~》
★★
バンダイナムコゲームスが乙女ゲームを出す、しかもDS、更に中条比紗也キャラデザイン……という話題作ですが。
あんまりこう、男と男の拳のぶつけ合いに興味がない……。
あとやたら半裸のイラストばかり公開されてるけど、わざわざ見せるほどの裸でもない。笑。
どうせならもっとムキムキにしとけよ。ますます興味なくなるけど。爆。
《リアルロデ》
★★
なんせ絵師さんが苦手なんですわ。汗。
ラブレボもそれで手を出さなかったし。
好きしょの人とかもそうだけど、なんかキャラの顔の区別がつきづらいんだもの……(え、私だけ?)。
まあそんなわけでいつのまにやらD3信者みたいになってるけど(笑)、金色のコルダ2アンコール見て、コーエーの底力も感じたんで頑張ってほしいなあ。
コーエーはいつアンジェと遙かの新作出すんかね?
個人的にはアンジェの旧作をハイクオリティーにリメイクして頂きたい。
特にSP2とかデュエットを是非……!
ああ、ちなみに前に触れた携帯アプリの「Sweet Gardian~お嬢様の恋愛レッスン~」も気になります。
広告とかに使われてるイラストだと、全員バトラースタイルでキメてんだけど、本編で着ることあんのか? っていうキャラもいる。
そんな中、やはりマジ執事(なんだマジ執事って)の柊一郎さんは普通に気になる。
ステレオタイプの執事さんっぽいけど意外な一面とかあるのかな?
最近D3Pとクインロゼの濃いキャラに慣れちゃって普通じゃ物足りないんだよね~。汗。
とりあえず幕末恋華出る前にDMSの恋愛EDコンプ目指すぜ~。
超個人的嗜好だから、もちろん私以外の人がみてもあまり参考にはならないと思うがね。
《幕末恋華・花柳剣士伝》
★★★★★
これは言わずもがな。とっくに予約済ですから。笑。
しいて言えば、庵たちフィクションキャラの投入が吉と出るか凶と出るかって感じ……。
《アラビアンズ・ロスト~The engagement on desert~》
★★★★
まあ、PCからの移植なんで大きく外すことはないでしょう。
攻略対象が全員悪党って設定や、世界観に惹かれる。ただし、絵はちょっと荒いんだよね~。
屈折した男子ばっかりってとこが多分私向き?
《Palais de Reine/パレドゥレーヌ》
★★★
王女と騎士、っていうテーマには非常に惹かれるんだけど、美形キャラがいっぱいいるわりにオトせなさそうだからなんだかな~(いや、わかんないけど)。
絵は綺麗だけど私の好きな感じとはちょっと違うかも。なんかずんぐりむっくりで。笑。
《星色のおくりもの》
★★★
どうやらオーソドックスな学園もの?
攻略対象がどうやら四人しかいない。ある意味潔い。
ってことはストーリーがしっかりしてないとキツイよなあ。大丈夫かしら??
これ、っていうキャラがいないので様子見してシナリオの評判がよかったら買うかも?
《はかれなはーと 君がために輝きを》
★★★
なんでもあり的な、いいとこ取りの攻略キャラたちがすごい。
絵柄の性質上、中性的な顔立ちの男子が多いのがちょっとマイナス。
《放課後は白銀の調べ》
★★
売りは坊主×乙女……? ん~、ないな~。著しくツボを外れてるんで。
私的には今んとこ圏外。
《ラスト・エスコート2~深夜の甘い棘》
★★★★★
すいません。D3Pばっか高くてすいません。
無印は絵がもうちょっとかな? って感じだったから、着実にクオリティアップしてて「おーっ」って感じ。
キャラ総替えは正しい判断だと思う。
《DUEL LOVE~恋する乙女は勝利の女神~》
★★
バンダイナムコゲームスが乙女ゲームを出す、しかもDS、更に中条比紗也キャラデザイン……という話題作ですが。
あんまりこう、男と男の拳のぶつけ合いに興味がない……。
あとやたら半裸のイラストばかり公開されてるけど、わざわざ見せるほどの裸でもない。笑。
どうせならもっとムキムキにしとけよ。ますます興味なくなるけど。爆。
《リアルロデ》
★★
なんせ絵師さんが苦手なんですわ。汗。
ラブレボもそれで手を出さなかったし。
好きしょの人とかもそうだけど、なんかキャラの顔の区別がつきづらいんだもの……(え、私だけ?)。
まあそんなわけでいつのまにやらD3信者みたいになってるけど(笑)、金色のコルダ2アンコール見て、コーエーの底力も感じたんで頑張ってほしいなあ。
コーエーはいつアンジェと遙かの新作出すんかね?
個人的にはアンジェの旧作をハイクオリティーにリメイクして頂きたい。
特にSP2とかデュエットを是非……!
ああ、ちなみに前に触れた携帯アプリの「Sweet Gardian~お嬢様の恋愛レッスン~」も気になります。
広告とかに使われてるイラストだと、全員バトラースタイルでキメてんだけど、本編で着ることあんのか? っていうキャラもいる。
そんな中、やはりマジ執事(なんだマジ執事って)の柊一郎さんは普通に気になる。
ステレオタイプの執事さんっぽいけど意外な一面とかあるのかな?
最近D3Pとクインロゼの濃いキャラに慣れちゃって普通じゃ物足りないんだよね~。汗。
とりあえず幕末恋華出る前にDMSの恋愛EDコンプ目指すぜ~。
2007/09/26 (Wed)
音楽・ライブ感想など
今日は健康診断行って、帰りに友達とフットリラクゼーションしてきた。至福。
ここ最近休日の過ごし方がアクティブだったけど、たまにはちゃんと休まないとね。
ところで今週はCD一挙リリースだったので、昨日仕事終わってから一目散に買いに行ったのだよ。
Acid Black Cherryの2ndシングル「Black Cherry」、シドのNewシングル「蜜指」、さよなら絶望先生ED曲「絶世美人」、そしてVitamin XのキャラソンCD第3弾「GOLD DISK」、あとついでに犬神サーカス団の「地獄に堕ちた子供たち」もやっと買えた。
犬神とシドは私的には可もなく不可もなく……かなあ。
Acid Black Cherryはかなり好きな曲。
ただこういう曲はジャンヌでやってくれ、って感じもするがね。笑。
ライブで聞いた時よりいいと思った。
初回版CDのジャケット、今回は手に取った瞬間固まりました。
通常版と対な感じ?
yasu様の麗しいお姿(?)はPVでも堪能できるけど、今回はバックバンドの面々がおいしすぎるでしょう。
台詞少ないのに淳士さんがまた凄まじい存在感を発揮なさって……。汗。
「絶世美人」は、とりあえず野中藍がたまんないよね。
DMSの双子の弟の幼年期をやってるんだけど、最近お気に入りの女性声優さんの一人。
そしてそしてVitamin X、今回はT6から鳳先生、二階堂先生、九影先生が歌いました。
鳳先生(CV井上和彦さん)の「野獣∽紳士」は、不倫の歌でした。笑。
人妻をさらっていくというシチュなんで、作詞担当の岩崎ディレクターの脳内がDMSに侵蝕されてたんじゃないかと思った。
確かに何かこう、不倫相手っぽいオーラがありますがね、鳳先生は。笑。
是非またイベントやって井上さんに生で唄ってほしいなあ……エロいんだろうなあ。爆。
二階堂先生は「仙人掌哀歌(サボテンエレジー)」。
チューリップの「サボテンの花」を意識しているのか、ニューミュージックっぽい楽曲。
こういう路線でくるかあ……と思った。
九影先生の「悪女輪舞曲(マニョロンド)」は今回一番のお気に入り。
もはや完全にシャ乱Qですが(笑)、三宅健太さんの声が良すぎる!
途中の台詞のとこなんて、これ、故・鈴置さんが喋ってんじゃねェの?? って感じ。
若手とはにわかに信じがたい。汗。
普通のバージョンと、インストゥメンタルの他にレッスンバージョンが入ってて、先生が「次はサビだよ」とか「その調子だよ」みたいにコメントしてくれるんだが、鳳先生がどさくさに紛れて愛を囁いてて笑った。
二階堂先生は前半あまりにも爽やか過ぎて誰かと思った。
九影先生はもっと喋って。笑。
しかしジャケットイラストの三人はなんで武装してるんだろう……。
B6捕獲用? それとも12人でバトロワして南先生の伴侶でも決めるんですかね。
かっこいいからなんでもいいか。
来月はT6の残り半分のキャラソンが出るし、イベントDVDも出るし、12月には一と翼のCD出るし、いずれDS版も出るし。ポペラ楽しみだわ。
ここ最近休日の過ごし方がアクティブだったけど、たまにはちゃんと休まないとね。
ところで今週はCD一挙リリースだったので、昨日仕事終わってから一目散に買いに行ったのだよ。
Acid Black Cherryの2ndシングル「Black Cherry」、シドのNewシングル「蜜指」、さよなら絶望先生ED曲「絶世美人」、そしてVitamin XのキャラソンCD第3弾「GOLD DISK」、あとついでに犬神サーカス団の「地獄に堕ちた子供たち」もやっと買えた。
犬神とシドは私的には可もなく不可もなく……かなあ。
Acid Black Cherryはかなり好きな曲。
ただこういう曲はジャンヌでやってくれ、って感じもするがね。笑。
ライブで聞いた時よりいいと思った。
初回版CDのジャケット、今回は手に取った瞬間固まりました。
通常版と対な感じ?
yasu様の麗しいお姿(?)はPVでも堪能できるけど、今回はバックバンドの面々がおいしすぎるでしょう。
台詞少ないのに淳士さんがまた凄まじい存在感を発揮なさって……。汗。
「絶世美人」は、とりあえず野中藍がたまんないよね。
DMSの双子の弟の幼年期をやってるんだけど、最近お気に入りの女性声優さんの一人。
そしてそしてVitamin X、今回はT6から鳳先生、二階堂先生、九影先生が歌いました。
鳳先生(CV井上和彦さん)の「野獣∽紳士」は、不倫の歌でした。笑。
人妻をさらっていくというシチュなんで、作詞担当の岩崎ディレクターの脳内がDMSに侵蝕されてたんじゃないかと思った。
確かに何かこう、不倫相手っぽいオーラがありますがね、鳳先生は。笑。
是非またイベントやって井上さんに生で唄ってほしいなあ……エロいんだろうなあ。爆。
二階堂先生は「仙人掌哀歌(サボテンエレジー)」。
チューリップの「サボテンの花」を意識しているのか、ニューミュージックっぽい楽曲。
こういう路線でくるかあ……と思った。
九影先生の「悪女輪舞曲(マニョロンド)」は今回一番のお気に入り。
もはや完全にシャ乱Qですが(笑)、三宅健太さんの声が良すぎる!
途中の台詞のとこなんて、これ、故・鈴置さんが喋ってんじゃねェの?? って感じ。
若手とはにわかに信じがたい。汗。
普通のバージョンと、インストゥメンタルの他にレッスンバージョンが入ってて、先生が「次はサビだよ」とか「その調子だよ」みたいにコメントしてくれるんだが、鳳先生がどさくさに紛れて愛を囁いてて笑った。
二階堂先生は前半あまりにも爽やか過ぎて誰かと思った。
九影先生はもっと喋って。笑。
しかしジャケットイラストの三人はなんで武装してるんだろう……。
B6捕獲用? それとも12人でバトロワして南先生の伴侶でも決めるんですかね。
かっこいいからなんでもいいか。
来月はT6の残り半分のキャラソンが出るし、イベントDVDも出るし、12月には一と翼のCD出るし、いずれDS版も出るし。ポペラ楽しみだわ。
2007/09/26 (Wed)
一次創作関連
「本当に、一体どんな奴なんだ……日向子さんの婚約者って」
「婚約者じゃないよ、玄鳥。婚約するかもしれない人、でしょう?」
スタジオの駐車場に降り立った年少組は、美々の口から明かされた日向子の婚約騒動な一夜明けても当然のように興奮気味に話していた。
今日練習の見学に来る予定の日向子の意思を一応確認した上で、場合によっては妨害作戦を練らなくてはと昨夜も万楼の部屋でさんざん語り合い、そのまま今日も二人でここへ来たのだった。
「どっちだっていい。どうせろくでもない奴に決まってるさ」
「なんで決まってるの? 案外いい人で、お姉さんも気に入っちゃうことだってありえるよ?」
「……まだ日向子さんに会ってもいないのに婚約話を進めるような相手がいい人だと思うか?」
「ああ、そっか」
首を大きく上下する万楼。玄鳥は、すぐ近くに駐車されていた白のセダンを見やって、独り言のように呟いた。
「そんなどこの誰とも知れない奴に日向子さんを持っていかれるくらいなら……まだ有砂さんにかっさらわれるほうがマシだよ……」
《第9章 嘘つきな彼等 -play-》【4】
珍しく一番最後に到着した玄鳥と万楼は、スタジオ入り口のロビーの椅子に座って、何やら難しい顔をしているバンドのリーダーに遭遇した。
「おはよう、リーダー。なんで中に入らないの?」
「有砂さんも来てるんだろ?」
あっけらかんと声をかける二人に、紅朱は何故かかたい表情を浮かべたままだ。
「兄貴?」
「……なあ、お前ら」
低いトーンで、問う。
「日向子の奴、結婚……しちまうかもしれねェぞ?」
あまりにも衝撃的な発言に、他二人は完全にポカンとしている。
「あいつもう来てて、それで聞いたんだ……昨日のこととか、婚約者こととか……したらな、あいつ何て言ったと思う?」
「あの……どうなってしまうのやらわたくしにもまだわかりませんけれど……けしてわたくしを不幸にはしないとおっしゃって下さいましたから、今は信じてお任せしておりますの」
「え」
目を丸くしたまま綺麗にハモる玄鳥と万楼に、紅朱はにわかに立ち上がった。
「お前ら、これって、どうなんだ!? 俺には結構マンザラでもないので前向きに検討中、って意味にしか聞こえねェ……!」
「確かに……ボクにもそういう解釈しか……」
「そんなわけない!」
玄鳥だけがキッパリと否定する。
「日向子さんは口の巧い男に言いくるめられて、騙されてるんだ……絶対!」
「……ねえ玄鳥」
そんな玄鳥とは反対に、万楼はすぐに冷静さを取り戻していた。
「気持ちはわかるんだけど、そうやって決めつけるのってどうかと思う……」
「万楼……?」
確かに言っていることはかなり正論だったが、玄鳥は、
「お前は……もうあきらめるのか?」
思わず問い返した。
万楼の様子は、夜の公園でライバル宣言した時とは全然違う。
「わからない。でもボクには口出しする権利なんかないよ」
万楼が日向子に対して消極的になってきていることはわかっていた。
理由も聞いた。
忘れていたとはいえ、他の女性を好いていた自分が、日向子を好きになってしまったことに対する自己嫌悪。
そして、自分の本当の気持ちがどちらにあるのかはっきり掴めない自己疑心。
「……お姉さんが誰かと結婚、って考えるとせつなくはなるけどね……」
「万楼………」
「それに……お姉さんはぼんやりしてるところもあるけど、案外頭のいい人だと思う。
いい人と悪い人の区別くらいはつくと思うし、本気で嫌だと思ったらちゃんと自分で逃げ出す筈だよ。
そうなったら、その時にボクたちが支えてあげればいいんじゃないかな」
「……なかなかいいこと言うじゃねェか」
黙って聞いていた紅朱が感心したように口を開いた。
「流石は、日向子の弟分だな」
「え、ボクって弟分だったの?」
「違うのか? いつも『お姉さん』って呼んでなついてんだろ?」
「兄貴……」
ここまでの会話の流れをふまえても相変わらずわかっていない兄に、もはやかける言葉もない玄鳥。
しかし万楼はふっと、微かに笑みを浮かべた。
「弟……か。それもいいかな……」
その日の取材が終わると、日向子は迎えに来た小原の車でまた実家に帰った。
また書庫に行って、昨日見ていたアルバムの続きを見るつもりだったのだが、三分と経たないうちに日向子はすぐに書庫から飛び出した。
「……これは、どういうこと……?」
良家の令嬢にも関わらず廊下を駆け出した日向子は、角を曲がる時に向こうから来る相手とぶつかりそうになった。
漸だった。
「……何事ですか? 屋敷の中を走り回るなど非常識ではありませんか」
相変わらず冷たい反応の漸だったが、日向子はそれどころではなく、焦った口調で問う。
「ねえ雪乃、書庫にあったアルバムがどこへ行ったか知らないかしら? 昨日まで確かにありましたのに……」
「ああ、あれでしたら今朝私が処分させましたが?」
あっさり返ってきたショッキングな言葉に、日向子は半分我を忘れて、漸の両腕をひしっと掴んだ。
「どうして……!?」
「……書庫が手狭になってきたので、不要な物を処分しただけですが、いけませんか?」
「あれは不要な物などでは……!!」
「ああ、そうですね。少し早まったことをしたかもしれません」
漸は、ほとんど涙目で見上げる日向子を見下ろして冷笑する。
「もうすぐあなたの部屋が空くのですから、そこを第二書庫にしてしまえばこと足りますね」
「っ」
頭の中が空白に溶けてしまったようだった。
「……不要……あなたにとってはそうなのかもしれないけれど、わたくしにはかけがえのないものでしたのよ……?」
ぎゅっと掴んだ両手に力を込める。
「……そんなの、あんまりですわ……!」
「……離して頂けますか? 私にはやるべき仕事が山ほどありますので」
言いながら日向子の手をほとんど力任せにふりほどいた。
うつむいて、ついにすすり泣く日向子の脇をすり抜けて、靴音が遠ざかる。
「……雪、乃……っ」
振り返って名前を呼んでも答えはなく、こちらを見ることすらしない。
「思い出を抱き締めることすら……許してくれないの……?」
抜け出したと思っていた失意が再び日向子を捕えていた。
とめどなく涙があふれてきて、視界はぼやけていく。
「日向子」
失意に沈みかけた意識を呼び戻すかのような、威厳のある声が呼び掛ける。
「日向子」
二度目。日向子はゆっくりと振り返った。
「……お父様」
いつ見ても厳しい顔をした父親が、いつからそこにいたのか、日向子を見つめていた。
「……顔を洗ったら私の部屋に来なさい」
短く促され、その有無を言わさない口調に、日向子はしゃくり上げながらも反射的に頷いていた。
「かけなさい」
座るだけでお金を取れそうなほど高級な革のソファに座った日向子は、紅茶を置いて退出して行った小原を労うと、向かいに座った父親に視線を戻した。
高槻と日向子が向かい合って二人きりでお茶を飲むのは、実際十年以上ぶりだった。
和やかな雰囲気などは皆無だったが、それでも日向子は不思議と落ち着きを取り戻していく自分に気付いていた。
「……日向子」
やがて高槻はゆっくりと切り出した。
「お前も釘宮の人間ならば他愛ないことで一々取り乱すものではない」
「……けれどお父様」
「写真など、漸が手放したものに比べれば全く他愛もない」
「……え?」
言われている意味がわからずに、何も返答出来ない日向子。
高槻は続けた。
「漸はお前を遠ざけたいのだろう。お前が側にいる限り、あれは手放したものを忘れることができないだろうからな」
「手放したもの……?」
高槻は一度押し黙り、それからまた少し角度の違う話をし始めた。
「……釘宮の後継者となることは並大抵のことではない。私とて、生まれたその日から周囲の多大な期待と重圧を受け、幾度も苦しんだ。
何度逃げたいと思ったか知れない」
「お父様が、ですか?」
「そうだ。それほどに釘宮の名前は重い。
周囲から後継となる男子を養子にするように強く勧められた時も、私はひどく懐疑的だった。
生まれた時から釘宮である私にとっても重荷だったものを、他家に生まれた子供が果たして背負いきれるのか」
高槻もまた、釘宮という名前をその父親から受け継いだ身……その高槻が語る言葉にはとてつもない深みがあった。
「漸と同じくらいピアノの素質がある子どもはたくさんいたが、漸ほど芯の強い、肝のすわった子どもは他にいなかった。
あれに、どうしても釘宮の後継者にならなくてはならない『目的』があることには気付いていたが、そんなことはどうでもいい。
ただ並々ならぬ覚悟の元で、子どもらしい素顔を隠して釘宮の人間になろうと必死に努力している漸に、私は全てを譲りたいと考えたのだ」
日向子の脳裏に、初めて漸に会った時の朧気な記憶が蘇る。
上手に名前を呼べなくて、困らせてしまったあの時だ。
大人びた声と表情は、しかし実は緊張で微かに揺らいでいたような気がする。
「とはいえ、若者はとかく葛藤するものだ。
思春期を経て世界が広がれば、もっと他の可能性を模索したいと感じることもある。
……だから私は、漸が成人し、決意が固まるまでは正式な養子縁組をしないことにしたのだ」
日向子は正直心の底から驚いていた。
頭が固く、厳しいばかりのワンマンで時代錯誤な父親だとばかり思っていた人は、こんなにも深い考えを持って漸を見守ってきていたのだ。
「そして漸は今、釘宮を背負う茨の道を選んだ。
……それ以外の可能性を手放すことに未練はないようなことを言ってはいるが、本心ではないだろうと私は思う」
「……雪乃には、他に何か進みたい道があるのですか……?」
かつてそんなことを何気無く雪乃に聞いたことがあったが、その時は何も言っていなかった。
言ってくれなかった。
胸がきゅっと締め付けられる。
「雪乃は、わたくしにはいつも本当のことを何も話してくれなかった……。
本当は優しい人でも、ひどい人でももう構わないから、あの人の本当の気持ちが知りたいです……。
……今からでも知りたいと思うけれど、もう何もかも遅すぎるかしら……」
「取り乱すなと言ったばかりだ。未熟者めが」
「あ……」
高槻の言葉は厳しかったが、今は何故か優しく聞こえる。
亡き母はよく高槻の優しいところが好きだと話していて、日向子にはそれが不思議でならなかったのだが、少しだけわかった気がする。
高槻は強く、厳しくあろうとしているのだ。
「釘宮」という役割を果たすために。
その生き方は、深紅の髪をしたあの青年とどこか似ている。
「……『そういうキャラで売って』いますのね」
「……なんだそれは」
いぶかしげに眉間に皺を寄せる高槻に、日向子は微かな笑みを向けた。
「……お父様と同じ……わたくしが泣くと怒る人のことを少し、思い出してしまって」
いよいよいぶかしそうな高槻に、日向子は本格的にクスクス笑いを浮かべる。
「……もう泣きません。写真を失っても、思い出が失われるわけではありませんもの。
雪乃が捨てるというなら、雪乃の分もわたくしが抱えてゆきます。
……忘れたりしません」
書斎のドアの前に封筒を携えた青年が立ち尽くしていた。
ノックをするために緩く握っていた拳をきゅっと固め、下に下ろす。
封筒を持つ手にも力がこもり、くしゃりと潰れた。
「……先生……お嬢、様……」
呟きは、かすれて、消える。
「……そう、だね。この曲じゃダメだ……」
《つづく》
「婚約者じゃないよ、玄鳥。婚約するかもしれない人、でしょう?」
スタジオの駐車場に降り立った年少組は、美々の口から明かされた日向子の婚約騒動な一夜明けても当然のように興奮気味に話していた。
今日練習の見学に来る予定の日向子の意思を一応確認した上で、場合によっては妨害作戦を練らなくてはと昨夜も万楼の部屋でさんざん語り合い、そのまま今日も二人でここへ来たのだった。
「どっちだっていい。どうせろくでもない奴に決まってるさ」
「なんで決まってるの? 案外いい人で、お姉さんも気に入っちゃうことだってありえるよ?」
「……まだ日向子さんに会ってもいないのに婚約話を進めるような相手がいい人だと思うか?」
「ああ、そっか」
首を大きく上下する万楼。玄鳥は、すぐ近くに駐車されていた白のセダンを見やって、独り言のように呟いた。
「そんなどこの誰とも知れない奴に日向子さんを持っていかれるくらいなら……まだ有砂さんにかっさらわれるほうがマシだよ……」
《第9章 嘘つきな彼等 -play-》【4】
珍しく一番最後に到着した玄鳥と万楼は、スタジオ入り口のロビーの椅子に座って、何やら難しい顔をしているバンドのリーダーに遭遇した。
「おはよう、リーダー。なんで中に入らないの?」
「有砂さんも来てるんだろ?」
あっけらかんと声をかける二人に、紅朱は何故かかたい表情を浮かべたままだ。
「兄貴?」
「……なあ、お前ら」
低いトーンで、問う。
「日向子の奴、結婚……しちまうかもしれねェぞ?」
あまりにも衝撃的な発言に、他二人は完全にポカンとしている。
「あいつもう来てて、それで聞いたんだ……昨日のこととか、婚約者こととか……したらな、あいつ何て言ったと思う?」
「あの……どうなってしまうのやらわたくしにもまだわかりませんけれど……けしてわたくしを不幸にはしないとおっしゃって下さいましたから、今は信じてお任せしておりますの」
「え」
目を丸くしたまま綺麗にハモる玄鳥と万楼に、紅朱はにわかに立ち上がった。
「お前ら、これって、どうなんだ!? 俺には結構マンザラでもないので前向きに検討中、って意味にしか聞こえねェ……!」
「確かに……ボクにもそういう解釈しか……」
「そんなわけない!」
玄鳥だけがキッパリと否定する。
「日向子さんは口の巧い男に言いくるめられて、騙されてるんだ……絶対!」
「……ねえ玄鳥」
そんな玄鳥とは反対に、万楼はすぐに冷静さを取り戻していた。
「気持ちはわかるんだけど、そうやって決めつけるのってどうかと思う……」
「万楼……?」
確かに言っていることはかなり正論だったが、玄鳥は、
「お前は……もうあきらめるのか?」
思わず問い返した。
万楼の様子は、夜の公園でライバル宣言した時とは全然違う。
「わからない。でもボクには口出しする権利なんかないよ」
万楼が日向子に対して消極的になってきていることはわかっていた。
理由も聞いた。
忘れていたとはいえ、他の女性を好いていた自分が、日向子を好きになってしまったことに対する自己嫌悪。
そして、自分の本当の気持ちがどちらにあるのかはっきり掴めない自己疑心。
「……お姉さんが誰かと結婚、って考えるとせつなくはなるけどね……」
「万楼………」
「それに……お姉さんはぼんやりしてるところもあるけど、案外頭のいい人だと思う。
いい人と悪い人の区別くらいはつくと思うし、本気で嫌だと思ったらちゃんと自分で逃げ出す筈だよ。
そうなったら、その時にボクたちが支えてあげればいいんじゃないかな」
「……なかなかいいこと言うじゃねェか」
黙って聞いていた紅朱が感心したように口を開いた。
「流石は、日向子の弟分だな」
「え、ボクって弟分だったの?」
「違うのか? いつも『お姉さん』って呼んでなついてんだろ?」
「兄貴……」
ここまでの会話の流れをふまえても相変わらずわかっていない兄に、もはやかける言葉もない玄鳥。
しかし万楼はふっと、微かに笑みを浮かべた。
「弟……か。それもいいかな……」
その日の取材が終わると、日向子は迎えに来た小原の車でまた実家に帰った。
また書庫に行って、昨日見ていたアルバムの続きを見るつもりだったのだが、三分と経たないうちに日向子はすぐに書庫から飛び出した。
「……これは、どういうこと……?」
良家の令嬢にも関わらず廊下を駆け出した日向子は、角を曲がる時に向こうから来る相手とぶつかりそうになった。
漸だった。
「……何事ですか? 屋敷の中を走り回るなど非常識ではありませんか」
相変わらず冷たい反応の漸だったが、日向子はそれどころではなく、焦った口調で問う。
「ねえ雪乃、書庫にあったアルバムがどこへ行ったか知らないかしら? 昨日まで確かにありましたのに……」
「ああ、あれでしたら今朝私が処分させましたが?」
あっさり返ってきたショッキングな言葉に、日向子は半分我を忘れて、漸の両腕をひしっと掴んだ。
「どうして……!?」
「……書庫が手狭になってきたので、不要な物を処分しただけですが、いけませんか?」
「あれは不要な物などでは……!!」
「ああ、そうですね。少し早まったことをしたかもしれません」
漸は、ほとんど涙目で見上げる日向子を見下ろして冷笑する。
「もうすぐあなたの部屋が空くのですから、そこを第二書庫にしてしまえばこと足りますね」
「っ」
頭の中が空白に溶けてしまったようだった。
「……不要……あなたにとってはそうなのかもしれないけれど、わたくしにはかけがえのないものでしたのよ……?」
ぎゅっと掴んだ両手に力を込める。
「……そんなの、あんまりですわ……!」
「……離して頂けますか? 私にはやるべき仕事が山ほどありますので」
言いながら日向子の手をほとんど力任せにふりほどいた。
うつむいて、ついにすすり泣く日向子の脇をすり抜けて、靴音が遠ざかる。
「……雪、乃……っ」
振り返って名前を呼んでも答えはなく、こちらを見ることすらしない。
「思い出を抱き締めることすら……許してくれないの……?」
抜け出したと思っていた失意が再び日向子を捕えていた。
とめどなく涙があふれてきて、視界はぼやけていく。
「日向子」
失意に沈みかけた意識を呼び戻すかのような、威厳のある声が呼び掛ける。
「日向子」
二度目。日向子はゆっくりと振り返った。
「……お父様」
いつ見ても厳しい顔をした父親が、いつからそこにいたのか、日向子を見つめていた。
「……顔を洗ったら私の部屋に来なさい」
短く促され、その有無を言わさない口調に、日向子はしゃくり上げながらも反射的に頷いていた。
「かけなさい」
座るだけでお金を取れそうなほど高級な革のソファに座った日向子は、紅茶を置いて退出して行った小原を労うと、向かいに座った父親に視線を戻した。
高槻と日向子が向かい合って二人きりでお茶を飲むのは、実際十年以上ぶりだった。
和やかな雰囲気などは皆無だったが、それでも日向子は不思議と落ち着きを取り戻していく自分に気付いていた。
「……日向子」
やがて高槻はゆっくりと切り出した。
「お前も釘宮の人間ならば他愛ないことで一々取り乱すものではない」
「……けれどお父様」
「写真など、漸が手放したものに比べれば全く他愛もない」
「……え?」
言われている意味がわからずに、何も返答出来ない日向子。
高槻は続けた。
「漸はお前を遠ざけたいのだろう。お前が側にいる限り、あれは手放したものを忘れることができないだろうからな」
「手放したもの……?」
高槻は一度押し黙り、それからまた少し角度の違う話をし始めた。
「……釘宮の後継者となることは並大抵のことではない。私とて、生まれたその日から周囲の多大な期待と重圧を受け、幾度も苦しんだ。
何度逃げたいと思ったか知れない」
「お父様が、ですか?」
「そうだ。それほどに釘宮の名前は重い。
周囲から後継となる男子を養子にするように強く勧められた時も、私はひどく懐疑的だった。
生まれた時から釘宮である私にとっても重荷だったものを、他家に生まれた子供が果たして背負いきれるのか」
高槻もまた、釘宮という名前をその父親から受け継いだ身……その高槻が語る言葉にはとてつもない深みがあった。
「漸と同じくらいピアノの素質がある子どもはたくさんいたが、漸ほど芯の強い、肝のすわった子どもは他にいなかった。
あれに、どうしても釘宮の後継者にならなくてはならない『目的』があることには気付いていたが、そんなことはどうでもいい。
ただ並々ならぬ覚悟の元で、子どもらしい素顔を隠して釘宮の人間になろうと必死に努力している漸に、私は全てを譲りたいと考えたのだ」
日向子の脳裏に、初めて漸に会った時の朧気な記憶が蘇る。
上手に名前を呼べなくて、困らせてしまったあの時だ。
大人びた声と表情は、しかし実は緊張で微かに揺らいでいたような気がする。
「とはいえ、若者はとかく葛藤するものだ。
思春期を経て世界が広がれば、もっと他の可能性を模索したいと感じることもある。
……だから私は、漸が成人し、決意が固まるまでは正式な養子縁組をしないことにしたのだ」
日向子は正直心の底から驚いていた。
頭が固く、厳しいばかりのワンマンで時代錯誤な父親だとばかり思っていた人は、こんなにも深い考えを持って漸を見守ってきていたのだ。
「そして漸は今、釘宮を背負う茨の道を選んだ。
……それ以外の可能性を手放すことに未練はないようなことを言ってはいるが、本心ではないだろうと私は思う」
「……雪乃には、他に何か進みたい道があるのですか……?」
かつてそんなことを何気無く雪乃に聞いたことがあったが、その時は何も言っていなかった。
言ってくれなかった。
胸がきゅっと締め付けられる。
「雪乃は、わたくしにはいつも本当のことを何も話してくれなかった……。
本当は優しい人でも、ひどい人でももう構わないから、あの人の本当の気持ちが知りたいです……。
……今からでも知りたいと思うけれど、もう何もかも遅すぎるかしら……」
「取り乱すなと言ったばかりだ。未熟者めが」
「あ……」
高槻の言葉は厳しかったが、今は何故か優しく聞こえる。
亡き母はよく高槻の優しいところが好きだと話していて、日向子にはそれが不思議でならなかったのだが、少しだけわかった気がする。
高槻は強く、厳しくあろうとしているのだ。
「釘宮」という役割を果たすために。
その生き方は、深紅の髪をしたあの青年とどこか似ている。
「……『そういうキャラで売って』いますのね」
「……なんだそれは」
いぶかしげに眉間に皺を寄せる高槻に、日向子は微かな笑みを向けた。
「……お父様と同じ……わたくしが泣くと怒る人のことを少し、思い出してしまって」
いよいよいぶかしそうな高槻に、日向子は本格的にクスクス笑いを浮かべる。
「……もう泣きません。写真を失っても、思い出が失われるわけではありませんもの。
雪乃が捨てるというなら、雪乃の分もわたくしが抱えてゆきます。
……忘れたりしません」
書斎のドアの前に封筒を携えた青年が立ち尽くしていた。
ノックをするために緩く握っていた拳をきゅっと固め、下に下ろす。
封筒を持つ手にも力がこもり、くしゃりと潰れた。
「……先生……お嬢、様……」
呟きは、かすれて、消える。
「……そう、だね。この曲じゃダメだ……」
《つづく》
2007/09/24 (Mon)
旧作乙女ゲーム
TGS最終日行ってきました。
乙女ゲームの出展はあんまり多くなくて、いいなあ、と思うのが基本シリーズもんばっかだったんで、残念ちゃ残念だったかも?
一番気になり出したのは意外にも「金色のコルダ2アンコール」でしたわ。笑。
「2」やんないと始まらないけどね。
全然興味なかった吉羅理事長が急に気になり出しちゃって…。
今まで、へえ、色黒だなあ、くらいにしか思わなかったんだがなあ。笑。
アンコールの吉羅理事長は、コルダのトークイベントでのきーやんの言葉を借りるなら「ベジータやピッコロが仲間になっちゃった感じ」だそうで。
何かすごく、いじめてみたいというか、陥落してひざまづかせで屈服させたいタイプだよね。笑。
そういえばイトケンさんが「教師が出てくるゲームはたくさんあるけど、理事長って珍しいよね」とおっしゃってましたが。
あとは花宵ロマネスクの葵とか……他にもいたような気がしますが、なぜでしょう、思い出せません。笑。
葵と言えば、すでに人気を確立した加地葵とかどうなんかね……(きーやんが、地震・雷・加地葵ってキャッチコピーつけてた)。
ビジュアルは月森君より遥かに主役っぽいよね。笑。
月森くんはわりと人気あるし、かっこいいけど、イマイチ華が無いと思うので。汗。
コルダとは関係ないけど、きーやんが武将の役やりたい、武将の役やりたい、って言ってて笑った。
つい数時間前に幕末恋華のトークイベント出てたわけだけど、実は幕末より戦国がやりたかったのか??
「コーエーは(きーやんには)歌唄わせとけばいいと思ってるから」とかグチってたけど、そのあとネオロマイベントの話になって、「今年はネオロマのイベントに七本も出演されてますが、覚えてますか?」って司会の人に聞かれても、結局ロケパン(GRANRODEOとして出演)しか出てこなかったからね。これはひどい。爆。
それにしてもきーやん、D3Pブースの時に比べて、コーエーブースでは猫被ってたような。
D3Pではずっとグラサンかけてたからね。よっちんもだけどさ。
しかも「まだ『角度』が10代です」とか発言するし(意味わかります? 笑)。
乙女ゲーのイベントだってばよ。爆。
まあ集まってるの大半腐女子かもしんないけどさ~。
アンジェ&遙か(賢雄さん、みっちゃん、成田さん、関智さん、宮田さんが出演)のトークイベントもあったんだけど、これのステージが9ホール、30分後のコルダイベントが1ホールで、会場の両端だったもんだから、そっくりそのまま集団で動き出して、民族大移動みたいになってた。笑。
司会の人もネタにしてたわ……。
皆さんお疲れ様でやんした。
しかし今年のTGSの最大の収穫はリアル吉野裕行のかっこよさを知ったことかも。笑。
何かこう、唐橋充と同じ匂いがした。爆。
新作乙女ゲームについてのちょっとツッコんだ話はまた別の記事で。
乙女ゲームの出展はあんまり多くなくて、いいなあ、と思うのが基本シリーズもんばっかだったんで、残念ちゃ残念だったかも?
一番気になり出したのは意外にも「金色のコルダ2アンコール」でしたわ。笑。
「2」やんないと始まらないけどね。
全然興味なかった吉羅理事長が急に気になり出しちゃって…。
今まで、へえ、色黒だなあ、くらいにしか思わなかったんだがなあ。笑。
アンコールの吉羅理事長は、コルダのトークイベントでのきーやんの言葉を借りるなら「ベジータやピッコロが仲間になっちゃった感じ」だそうで。
何かすごく、いじめてみたいというか、陥落してひざまづかせで屈服させたいタイプだよね。笑。
そういえばイトケンさんが「教師が出てくるゲームはたくさんあるけど、理事長って珍しいよね」とおっしゃってましたが。
あとは花宵ロマネスクの葵とか……他にもいたような気がしますが、なぜでしょう、思い出せません。笑。
葵と言えば、すでに人気を確立した加地葵とかどうなんかね……(きーやんが、地震・雷・加地葵ってキャッチコピーつけてた)。
ビジュアルは月森君より遥かに主役っぽいよね。笑。
月森くんはわりと人気あるし、かっこいいけど、イマイチ華が無いと思うので。汗。
コルダとは関係ないけど、きーやんが武将の役やりたい、武将の役やりたい、って言ってて笑った。
つい数時間前に幕末恋華のトークイベント出てたわけだけど、実は幕末より戦国がやりたかったのか??
「コーエーは(きーやんには)歌唄わせとけばいいと思ってるから」とかグチってたけど、そのあとネオロマイベントの話になって、「今年はネオロマのイベントに七本も出演されてますが、覚えてますか?」って司会の人に聞かれても、結局ロケパン(GRANRODEOとして出演)しか出てこなかったからね。これはひどい。爆。
それにしてもきーやん、D3Pブースの時に比べて、コーエーブースでは猫被ってたような。
D3Pではずっとグラサンかけてたからね。よっちんもだけどさ。
しかも「まだ『角度』が10代です」とか発言するし(意味わかります? 笑)。
乙女ゲーのイベントだってばよ。爆。
まあ集まってるの大半腐女子かもしんないけどさ~。
アンジェ&遙か(賢雄さん、みっちゃん、成田さん、関智さん、宮田さんが出演)のトークイベントもあったんだけど、これのステージが9ホール、30分後のコルダイベントが1ホールで、会場の両端だったもんだから、そっくりそのまま集団で動き出して、民族大移動みたいになってた。笑。
司会の人もネタにしてたわ……。
皆さんお疲れ様でやんした。
しかし今年のTGSの最大の収穫はリアル吉野裕行のかっこよさを知ったことかも。笑。
何かこう、唐橋充と同じ匂いがした。爆。
新作乙女ゲームについてのちょっとツッコんだ話はまた別の記事で。
2007/09/20 (Thu)
一次創作関連
「君のお父上……秀人くんには大きな借りがある」
高槻が言った。
「彼がそう望むならば、娘を沢城家に嫁がせることに異存はない」
誰もが耳を疑う言葉だった。
「……父に、借り……ですか?」
さしもの有砂も驚きを露にしている。
どうやら秀人は日向子の母、水無子と面識があった(本人曰く元カレ)らしいということは知っていたが、高槻とも関係していたとは思っていなかった。
それは日向子も同じだった。
「……お父様……お話を、詳しくお聞かせ頂けませんこと?」
《第9章 嘘つきな彼等 -play-》【3】
高槻の語る因縁は、日向子が誕生する以前にまで遡るものだった。
看護婦だった水無子を見そめて婚約した高槻だったが、周囲の水無子に対する風当たりは相当なものだったという。
水無子は高槻に恥をかかせまいと努力してはいたが、生まれ育ちの違いによる偏見もあいまって、社交の場でも明らかに浮き上がってしまい、陰でこそこそとさげすまれ、嘲笑されているような状況だった。
そんな折に、気鋭の若手デザイナーとして名を上げつつあった秀人との出会いがあったのだという。
秀人は水無子の美しさを絶賛し、自ら水無子の装飾品やドレスのプロデュースを買って出た。
「……最初は他人の婚約者に下心を持って近付き、色目を使うけしからん輩と思ったものだが」
高槻の言葉に、若者たちは皆内心「それは実際その通りだったに違いない」と思ったが、それを口に出来る空気ではなかった。
「秀人くんが、自身の新しいブランド名を水無子の名前から取って名付けたこともあり、周囲の評価は随分と暖かいものになっていった」
沢城秀人のブランド……「SIXS(シックス)」。
それは六月生まれであることに由来する「水無子」という名前から発想されたものだった。
秀人の実子で、そのブランドとかつて専属モデル契約を結んでいた有砂でさえも知らなかった事実だった。
「元カレ」は冗談にしても、実際水無子と秀人は因縁浅からぬ関係であったと知り、日向子も心底驚いていた。
高槻はさらに続ける。
「しかし秀人くんとは十年以上前に絶縁状態となっていた。
ある出来事から、交流を続けると迷惑がかかるから、と向こうから連絡を絶ったためだ」
ある出来事……恐らくは、沢城家の双子の悲劇のことだろう。
マスコミにセンセーショナルに書き立てられる渦中の一家と懇意と知れれば巻き込まれかねない。
「私は当時も彼への借りを返すために尽力したいと考えていたが、協力出来たことといえば、彼の家族のために完全にマスコミをシャットダウンできる隠れ家を紹介したことくらいだ」
漸と有砂は同時にはっとしていた。
少し遅れて日向子も思いいたった。
「スノウ・ドーム……?」
有砂をスノウ・ドームに入所させるよう手引きしたのは高槻だったのだ。
少年たちの出会いはただの偶然ではなかった。
「よう。ご立派やな。見違えたで」
「……」
夕刻、漸が一人になるのを見計らって、有砂はその背中に声をかけた。
漸は自室のドアにかけた手を戻し、ゆっくりと振り返った。
「……何故、あんな嘘を?」
睨むような眼差しで問う。
「……嘘?」
「お嬢様と、付き合っているなんて……」
「嘘やないで」
有砂は薄く笑い、即座に切り返す。
「お嬢とはもう、随分深い仲やし」
「……まさか」
「証明をお望みなん?」
チャリ、と軽く金属がこすれる音を立て、有砂はポケットから小さな鍵を引っ張り出した。
鍵には、漸にも見覚えのある月の形をしたキーホルダーがついている。
高山獅貴のファンクラブ限定ライブのグッズだと……聞かされている。
「それは……彼女の部屋の」
「合鍵。もうほとんど同棲みたいなもんやから」
意表をつく小道具を提示されて、漸は思わずうろたえていた。
「っ……」
「そんなに驚くこともないやろう? お嬢かてガキと違うんやで……あいつ、脱がせてみたら案外ええ身体つきしとるしな」
「お前……!」
「別に、遊びで抱いてるわけちゃうんやからええやろ。親御さんにも結婚の了承得たしな」
漸は一瞬沸騰しかけたある種の感情を必死に沈静化させようとするように唇を噛んだ。
「それなら……お前は、お前のしたいようにすればいい。
しかしどうする? いくら恩人の子だと言っても、先生はバンドマンとの結婚はお許しにはならない」
言い放つ漸に、有砂はあっさりと答える。
「バンド……? もちろん、辞めるで」
「な……?」
「オレは釘宮家に婿入りして事業のいくつかを任せてもらうつもりや……お前が引き継ぐ筈のな。
バンドなんて続けるより、ずっと安定したええ暮らしが出来るやろうな」
「黙れ……っ」
漸は、恐らく考えるよりも先に有砂の襟首に掴みかかっていた。
掴みかかられた有砂は、苦痛に顔を歪めながらも余裕の笑みを絶やさない。
「……なんで怒るんや? ジブンかて目的のためにバンド捨てたんやろ?」
「っ」
ひるんだ漸の手を掴んで、引き離す。
「この手はもうクラシック以外弾かへんのやろ? お嬢のためにハンドル握るこもない……」
有砂の淡々とした言葉は、1つ1つ鋭い針となって漸に突き刺さる。
「……正直、このまんまひねり潰したいくらい腹立っとんねんで」
漸は深く息を吐き出すと、突き刺さった針を振り払おうとするかのように、鼻先に笑みを浮かべる。
「……成程、そうやって動揺を誘う魂胆なわけか。
悪いけど、無駄だよ」
冷たい声音で告げながら、有砂の手をふりほどく。
「お前が言う通り。おれは自分の目的のために何もかもを切り捨てた。
どうせならば釘宮家の全てを手に入れる……そのためにはお嬢様には他家に嫁いでもらうほうが都合がいい。
……お前がお嬢様とどんな関係でも別に構わない。
だけど、おれの邪魔はするな」
鋭い視線を残して、漸は自室の中へと消えて行った。
残された有砂はしばらく閉ざされたドアを見つめていたが、不意に、小さく笑った。
「……ホンマに、難儀な男や」
ドアを背にした漸は立ち尽くしたまま、額に手を押し当て、うつ向いていた。
「……何もかも予定通りにはいかないもんだな」
吐き捨てるように呟いて、フラフラと窓際の机に歩み寄る。
書きかけの譜面が散らばった机の上には、シンプルな木製の写真立てで飾られたセピア色の写真がある。
古い小さなピアノの前で撮った、父と慕う人との写真。
ピアノという生き甲斐を与えてくれた人。
「だけど……ためらいなんて、もう許されない……」
書架で半分隠れた窓から西日がさしこんでいる。
日向子がこの釘宮家の一階奥の書庫に足を踏み入れるのは、学生時代以来だったが、常に整頓されて綺麗に埃を払われているのは相変わらずだ。
探し物を見つけるのも簡単だった。
表紙がビロードで飾られた古いアルバム。
日向子がこの世に誕生する前の写真を集めたアルバムだ。
在りし日の母・水無子、まだ今よりはずっと穏やかな雰囲気の高槻、フサフサした黒髪の小原。
そして、有砂と見間違えてしまいそうな秀人の写真もそこにはあった。
更には……伯爵・高山獅貴の姿を収めたものも。
秀人が高山獅貴と同じデザインのコートを着ていたのは、両者の間に交流があった……あるいは現在進行形で交流があるという可能性を示唆している。
世界は広いようで本当に狭いものなのだと、実感せざるをえない。
「それにしても……どうして有砂様はあのような……」
嘘をついたのだろうか?
後で理由を問いつめた日向子に、有砂は真面目な顔をして囁いた。
「悪いが、しばらく、オレの嘘に付き合うてくれ。……どう転んでもお嬢を不幸にはせんから」
すぐには理由を話すつもりがないらしい。
12月の夕暮れはあまりにも短く、気が付けば窓の外は漆黒の闇だった。
時の流れが速い。
一日があっという間に終わってしまう。
流されるように。
追い立てられるように。
アルバムを元の場所にしまって書庫を出ると、微かだがピアノの音が聞こえてきた。
屋敷の中で日向子以外にピアノを奏でる人間は二人しかいない。
高槻は午後から出掛けたまままだ戻らない。ということは……。
「雪乃の部屋……」
久々に聞く、彼の弾くピアノの音色。
本当に久々の筈なのだが……何故か、あまりそんな気がしない。
もっと最近、どこかでこの音を聞いた気がするのは何故だろうか。
それにしても今日の旋律は、せつない響きだ。
心の内側に何を秘めたらこんなふうにせつない音が鳴るのだろう。
二度も冷たく日向子を突き放した人……それでも……。
日向子は小走りで書庫の中に舞い戻った。
暗い部屋に灯りをつけて、先程と同じ書架の前に立ち、年月日とシリアルナンバーのついた背表紙を人指し指でたどり、何冊かをまとめて引っ張り出す。
それは、日向子が雪乃と呼んできた人物がこの屋敷に来てからの記録。
写真好きだった水無子が亡くなってからはぐっと枚数が減ったが、かわって小原が折りを見て撮ってくれたものが残っている。
幼い頃から、彼はあまり笑顔で写っていない。
いかにもな作り笑いを除いては、いつもはりつめたような真面目な顔で写っている。
あまりに無邪気だった少女時代の日向子にはわからなかったが、彼のような出自の人間が釘宮家の一員として生きるためには、大変な苦労があったのかもしれない。
かつて蝉から「雪乃は保身のために日向子に取り入ろうとしたのかもしれない」と言われた時には怒って「そんなことはない」と否定した。
だが実際は、そうだったのかもしれない。
日向子の知らないところで彼は苦悩し、自分を偽り、戦ってきたのかもしれない。
「わたくしは……雪乃のこと、本当は何も……何も、わかっていないのかもしれない……」
こわばった顔の彼の横で、日向子はリラックスしきった眩しい笑顔や、少し甘えたような幼い顔、時には泣き顔や寝顔……さらけ出して写っている。
だが「雪乃」という少年の素顔を、日向子は知らない気がした。
「……家族ごっこ……だったのかもしれない」
けれどそれでも、長方形に区切られて並んだ思い出の数々は、愛しく、尊い。その「家族ごっこ」は日向子にはかけがえのない日々だった。
秀人の別段善意ではなかったのだろうちょっとした気まぐれに、高槻が深く感謝しているように……相手の気持ちがどこか別にあっても、それで救われる人がいる。
本当に大切なのは自分が相手をどう思っているか……かつて蝉から教わった大切なことをもう一度思い出す。
日向子はぎゅっとアルバムを抱き締めて、目を閉じた。
「雪乃」
絶えず鍵盤の奏でる音が漏れ聞こえる部屋のドアをノックした。
ピアノの音が、止まる。
「……部屋から出て来なくてもいいから。聞いていて」
少しだけ声をはって、ドアの向こうにしっかり届くように、日向子は言った。
「ごめんなさい」
あふれる感情で声が震えないように、必死に堪える。
「ずっとずっと、家族ごっこしてしまってごめんなさい。
もう遅いかもしれないけれど、わたくしは……あなたと本当の家族になりたいです。
それが叶わないとしても」
拒絶されてもいい。
ただ伝えよう。
伝えなければきっと後悔する。
「ずっと側にいてくれて、ありがとう。
幾つもの思い出の中にあなたがいてくれることが、わたくしの幸いです」
沈黙した白と黒の世界へ音もなく雫が落ちる。
「ねえ……なんで……キミは……おれを楽にしてくれないの……?」
《つづく》
高槻が言った。
「彼がそう望むならば、娘を沢城家に嫁がせることに異存はない」
誰もが耳を疑う言葉だった。
「……父に、借り……ですか?」
さしもの有砂も驚きを露にしている。
どうやら秀人は日向子の母、水無子と面識があった(本人曰く元カレ)らしいということは知っていたが、高槻とも関係していたとは思っていなかった。
それは日向子も同じだった。
「……お父様……お話を、詳しくお聞かせ頂けませんこと?」
《第9章 嘘つきな彼等 -play-》【3】
高槻の語る因縁は、日向子が誕生する以前にまで遡るものだった。
看護婦だった水無子を見そめて婚約した高槻だったが、周囲の水無子に対する風当たりは相当なものだったという。
水無子は高槻に恥をかかせまいと努力してはいたが、生まれ育ちの違いによる偏見もあいまって、社交の場でも明らかに浮き上がってしまい、陰でこそこそとさげすまれ、嘲笑されているような状況だった。
そんな折に、気鋭の若手デザイナーとして名を上げつつあった秀人との出会いがあったのだという。
秀人は水無子の美しさを絶賛し、自ら水無子の装飾品やドレスのプロデュースを買って出た。
「……最初は他人の婚約者に下心を持って近付き、色目を使うけしからん輩と思ったものだが」
高槻の言葉に、若者たちは皆内心「それは実際その通りだったに違いない」と思ったが、それを口に出来る空気ではなかった。
「秀人くんが、自身の新しいブランド名を水無子の名前から取って名付けたこともあり、周囲の評価は随分と暖かいものになっていった」
沢城秀人のブランド……「SIXS(シックス)」。
それは六月生まれであることに由来する「水無子」という名前から発想されたものだった。
秀人の実子で、そのブランドとかつて専属モデル契約を結んでいた有砂でさえも知らなかった事実だった。
「元カレ」は冗談にしても、実際水無子と秀人は因縁浅からぬ関係であったと知り、日向子も心底驚いていた。
高槻はさらに続ける。
「しかし秀人くんとは十年以上前に絶縁状態となっていた。
ある出来事から、交流を続けると迷惑がかかるから、と向こうから連絡を絶ったためだ」
ある出来事……恐らくは、沢城家の双子の悲劇のことだろう。
マスコミにセンセーショナルに書き立てられる渦中の一家と懇意と知れれば巻き込まれかねない。
「私は当時も彼への借りを返すために尽力したいと考えていたが、協力出来たことといえば、彼の家族のために完全にマスコミをシャットダウンできる隠れ家を紹介したことくらいだ」
漸と有砂は同時にはっとしていた。
少し遅れて日向子も思いいたった。
「スノウ・ドーム……?」
有砂をスノウ・ドームに入所させるよう手引きしたのは高槻だったのだ。
少年たちの出会いはただの偶然ではなかった。
「よう。ご立派やな。見違えたで」
「……」
夕刻、漸が一人になるのを見計らって、有砂はその背中に声をかけた。
漸は自室のドアにかけた手を戻し、ゆっくりと振り返った。
「……何故、あんな嘘を?」
睨むような眼差しで問う。
「……嘘?」
「お嬢様と、付き合っているなんて……」
「嘘やないで」
有砂は薄く笑い、即座に切り返す。
「お嬢とはもう、随分深い仲やし」
「……まさか」
「証明をお望みなん?」
チャリ、と軽く金属がこすれる音を立て、有砂はポケットから小さな鍵を引っ張り出した。
鍵には、漸にも見覚えのある月の形をしたキーホルダーがついている。
高山獅貴のファンクラブ限定ライブのグッズだと……聞かされている。
「それは……彼女の部屋の」
「合鍵。もうほとんど同棲みたいなもんやから」
意表をつく小道具を提示されて、漸は思わずうろたえていた。
「っ……」
「そんなに驚くこともないやろう? お嬢かてガキと違うんやで……あいつ、脱がせてみたら案外ええ身体つきしとるしな」
「お前……!」
「別に、遊びで抱いてるわけちゃうんやからええやろ。親御さんにも結婚の了承得たしな」
漸は一瞬沸騰しかけたある種の感情を必死に沈静化させようとするように唇を噛んだ。
「それなら……お前は、お前のしたいようにすればいい。
しかしどうする? いくら恩人の子だと言っても、先生はバンドマンとの結婚はお許しにはならない」
言い放つ漸に、有砂はあっさりと答える。
「バンド……? もちろん、辞めるで」
「な……?」
「オレは釘宮家に婿入りして事業のいくつかを任せてもらうつもりや……お前が引き継ぐ筈のな。
バンドなんて続けるより、ずっと安定したええ暮らしが出来るやろうな」
「黙れ……っ」
漸は、恐らく考えるよりも先に有砂の襟首に掴みかかっていた。
掴みかかられた有砂は、苦痛に顔を歪めながらも余裕の笑みを絶やさない。
「……なんで怒るんや? ジブンかて目的のためにバンド捨てたんやろ?」
「っ」
ひるんだ漸の手を掴んで、引き離す。
「この手はもうクラシック以外弾かへんのやろ? お嬢のためにハンドル握るこもない……」
有砂の淡々とした言葉は、1つ1つ鋭い針となって漸に突き刺さる。
「……正直、このまんまひねり潰したいくらい腹立っとんねんで」
漸は深く息を吐き出すと、突き刺さった針を振り払おうとするかのように、鼻先に笑みを浮かべる。
「……成程、そうやって動揺を誘う魂胆なわけか。
悪いけど、無駄だよ」
冷たい声音で告げながら、有砂の手をふりほどく。
「お前が言う通り。おれは自分の目的のために何もかもを切り捨てた。
どうせならば釘宮家の全てを手に入れる……そのためにはお嬢様には他家に嫁いでもらうほうが都合がいい。
……お前がお嬢様とどんな関係でも別に構わない。
だけど、おれの邪魔はするな」
鋭い視線を残して、漸は自室の中へと消えて行った。
残された有砂はしばらく閉ざされたドアを見つめていたが、不意に、小さく笑った。
「……ホンマに、難儀な男や」
ドアを背にした漸は立ち尽くしたまま、額に手を押し当て、うつ向いていた。
「……何もかも予定通りにはいかないもんだな」
吐き捨てるように呟いて、フラフラと窓際の机に歩み寄る。
書きかけの譜面が散らばった机の上には、シンプルな木製の写真立てで飾られたセピア色の写真がある。
古い小さなピアノの前で撮った、父と慕う人との写真。
ピアノという生き甲斐を与えてくれた人。
「だけど……ためらいなんて、もう許されない……」
書架で半分隠れた窓から西日がさしこんでいる。
日向子がこの釘宮家の一階奥の書庫に足を踏み入れるのは、学生時代以来だったが、常に整頓されて綺麗に埃を払われているのは相変わらずだ。
探し物を見つけるのも簡単だった。
表紙がビロードで飾られた古いアルバム。
日向子がこの世に誕生する前の写真を集めたアルバムだ。
在りし日の母・水無子、まだ今よりはずっと穏やかな雰囲気の高槻、フサフサした黒髪の小原。
そして、有砂と見間違えてしまいそうな秀人の写真もそこにはあった。
更には……伯爵・高山獅貴の姿を収めたものも。
秀人が高山獅貴と同じデザインのコートを着ていたのは、両者の間に交流があった……あるいは現在進行形で交流があるという可能性を示唆している。
世界は広いようで本当に狭いものなのだと、実感せざるをえない。
「それにしても……どうして有砂様はあのような……」
嘘をついたのだろうか?
後で理由を問いつめた日向子に、有砂は真面目な顔をして囁いた。
「悪いが、しばらく、オレの嘘に付き合うてくれ。……どう転んでもお嬢を不幸にはせんから」
すぐには理由を話すつもりがないらしい。
12月の夕暮れはあまりにも短く、気が付けば窓の外は漆黒の闇だった。
時の流れが速い。
一日があっという間に終わってしまう。
流されるように。
追い立てられるように。
アルバムを元の場所にしまって書庫を出ると、微かだがピアノの音が聞こえてきた。
屋敷の中で日向子以外にピアノを奏でる人間は二人しかいない。
高槻は午後から出掛けたまままだ戻らない。ということは……。
「雪乃の部屋……」
久々に聞く、彼の弾くピアノの音色。
本当に久々の筈なのだが……何故か、あまりそんな気がしない。
もっと最近、どこかでこの音を聞いた気がするのは何故だろうか。
それにしても今日の旋律は、せつない響きだ。
心の内側に何を秘めたらこんなふうにせつない音が鳴るのだろう。
二度も冷たく日向子を突き放した人……それでも……。
日向子は小走りで書庫の中に舞い戻った。
暗い部屋に灯りをつけて、先程と同じ書架の前に立ち、年月日とシリアルナンバーのついた背表紙を人指し指でたどり、何冊かをまとめて引っ張り出す。
それは、日向子が雪乃と呼んできた人物がこの屋敷に来てからの記録。
写真好きだった水無子が亡くなってからはぐっと枚数が減ったが、かわって小原が折りを見て撮ってくれたものが残っている。
幼い頃から、彼はあまり笑顔で写っていない。
いかにもな作り笑いを除いては、いつもはりつめたような真面目な顔で写っている。
あまりに無邪気だった少女時代の日向子にはわからなかったが、彼のような出自の人間が釘宮家の一員として生きるためには、大変な苦労があったのかもしれない。
かつて蝉から「雪乃は保身のために日向子に取り入ろうとしたのかもしれない」と言われた時には怒って「そんなことはない」と否定した。
だが実際は、そうだったのかもしれない。
日向子の知らないところで彼は苦悩し、自分を偽り、戦ってきたのかもしれない。
「わたくしは……雪乃のこと、本当は何も……何も、わかっていないのかもしれない……」
こわばった顔の彼の横で、日向子はリラックスしきった眩しい笑顔や、少し甘えたような幼い顔、時には泣き顔や寝顔……さらけ出して写っている。
だが「雪乃」という少年の素顔を、日向子は知らない気がした。
「……家族ごっこ……だったのかもしれない」
けれどそれでも、長方形に区切られて並んだ思い出の数々は、愛しく、尊い。その「家族ごっこ」は日向子にはかけがえのない日々だった。
秀人の別段善意ではなかったのだろうちょっとした気まぐれに、高槻が深く感謝しているように……相手の気持ちがどこか別にあっても、それで救われる人がいる。
本当に大切なのは自分が相手をどう思っているか……かつて蝉から教わった大切なことをもう一度思い出す。
日向子はぎゅっとアルバムを抱き締めて、目を閉じた。
「雪乃」
絶えず鍵盤の奏でる音が漏れ聞こえる部屋のドアをノックした。
ピアノの音が、止まる。
「……部屋から出て来なくてもいいから。聞いていて」
少しだけ声をはって、ドアの向こうにしっかり届くように、日向子は言った。
「ごめんなさい」
あふれる感情で声が震えないように、必死に堪える。
「ずっとずっと、家族ごっこしてしまってごめんなさい。
もう遅いかもしれないけれど、わたくしは……あなたと本当の家族になりたいです。
それが叶わないとしても」
拒絶されてもいい。
ただ伝えよう。
伝えなければきっと後悔する。
「ずっと側にいてくれて、ありがとう。
幾つもの思い出の中にあなたがいてくれることが、わたくしの幸いです」
沈黙した白と黒の世界へ音もなく雫が落ちる。
「ねえ……なんで……キミは……おれを楽にしてくれないの……?」
《つづく》
2007/09/19 (Wed)
遙かなる時空の中でシリーズ関連
アニメ化は噂に聞いていたけど、キッズステーションで単発でやると聞いてちょっとびっくりした。
多分、舞一夜みたいな外伝的な内容になるんじゃないかと思うんだが(だってあんな長い話を単発でまとめるのは不可能だろ)。
単発ならせいぜいクオリティーの高いものにしてほしいよね。
遙3でアニメ……だからね。我々には若干のトラウマが。笑。
あれほどクオリティーの高いゲームが、劇中アニメのショボさでも伝説化しちゃったことは全く残念なことだよ。
サブタイトルが紅の月だから、知盛がメインになるんじゃないかという噂がある。
赤がイメージカラーのキャラといえば、他にも将臣やヒノエがいるけど。
全部人気あるし、私にとっても好きなキャラクターだからなあ。
まあ、紅といえばもっと大きくとらえて「平家」っていう意味かもしれないし、これだけじゃよくわからんです。
まあなんにせよコーエーが生み出した狂気のカリスマが登場しないわけはないんで、彼がかっこよく描かれてればそれでよしだ。
そういえば、この前アニマックスで劇場版の「AIR」見て、ヲタに見てほしいのか、一般客に見てほしいのかよくわかんない中途半端な感じで脚本も構成もなんかイマイチだし、全然泣けなくて腹立ったな。
せっかく映画化するならもっとオリジナル色出してもよかったんじゃないかと私は思った。
原作に比較的忠実なアニメはテレビでやってすでに成功してたわけでしょ?
もっと思いきって、たとえばSUMMER編だけ映画化してみるとか。スクリーン映えするアクションシーンとかいっぱい入れてさ。
ラストは現代で観鈴と往人が出会う場面で。
どうしても観鈴と往人をメインにしたければ、観鈴主観で描いてみるとか。新しいアプローチはいろいろあるんじゃないかしら。
それに、釈が短いからって晴子が最初から優しいママだとカタルシスがないっつーか……泣かせどころが弱いじゃん。
現代を舞台にするなら逆に過去話は切り捨てて、観鈴・往人・晴子の心象描写だけに力を入れたらどうかね。
だいたい映画の往人は柳也の子孫じゃないし(柳也死んだから。子供がいたような描写もない)、観鈴と神奈も別に繋がりないと思うんで(空の夢も見ないし、翼も痛くないし)、必然性に欠けるんだよ。
神奈と柳也がただの恋人同士だとメインテーマの「家族の絆」が薄れるし。
映画では柳也も往人もヒロインの運命の王子さま、ラブストーリーのパートナー扱いだけど、でも原作を見た感じだと、どっちかといえば「シンデレラの魔法使い」のポジションだと思うんです。
特に往人はね。観鈴と晴子を本当の母子にしてあげるために現れた魔法使い。脇役だと思うんですよ。
それをラブストーリーに改変するなら最後に観鈴のゴールになるのは往人じゃないとダメじゃね?
なんか色々努力の跡は見えるんだけど、原作のいいところを活かせてないし、オリジナルとしては破綻してるんだよなあ。
そんなこんなであまりにAIRが微妙だったから、あえて乙女ゲームの本編を二時間弱くらいにまとめて映画化ってなったら私ならどうするかなあとか考えてみた。
劇場版・遙か3。
私ならこうします。
ヒロインの望美たちの前に白龍と名乗る少年が現れて、「怨霊を封印し、京を救ってほしい」と訴えますが、力尽きて逆鱗に姿を変えてしまいます。
逆鱗を手にした途端、望美、譲、将臣は時空跳躍。将臣は行方不明になり、他二人はいきなり戦闘中の船の上に放り出されてしまいます。
わけもわからず逃げ回る間に、九郎・弁慶・景時・朔に出会って救われ、そこが壇之浦の戦場だと知ります。
源氏が追い詰められていると知った譲はいぶかしみます。
一方望美は将臣の姿を見つけた気がして追い掛けようとしたところを、怨霊(水虎=敦盛) に襲われてしまい、それをかばった譲が致命傷を負ってしまいます。
戦は大敗、九郎たちはその責任を問われて鎌倉を追われ、将臣は行方不明、そして譲は意識が戻らないまま……望美が絶望していると、謎の男(リズ先生)が現れて、望美には運命を変える力があることを教えてくれます。
逆鱗があれば3回だけ時空を越えることができるということ。
神子には力の具現化と怨霊を封印する力があるということ。
怨霊を封印して五行の力を取り戻し、応龍が復活すれば、3つの願いを叶えてくれるので、元の世界にも帰れること。
男はかつて大罪を犯した一族の末裔で、その罪をあがなうために神子の影となって見守る宿命を背負っているため、ともにあることはできないと言って、消えてしまいます。
望美が譲たちを救いたいと願うと、呼応するように逆鱗が光り、譲が傷を負う前に時空跳躍し、更に逆鱗が剣に変化、仲間の援護を受けて怨霊を倒す。
元に戻った敦盛は神子に感謝し、平家一門の運命を委ねます。
龍神の神子が源氏に降臨した……と、にわかに活気づいた源氏軍は勢いを取り戻します。
近海で様子を伺っていたヒノエ率いる熊野水軍が、戦況は源氏に有利と見て援軍を送ったため、一気に逆転。
望美は知盛を、九郎・弁慶が惟盛を倒し、朔と景時と譲は怨霊武者を倒して援護。
ヒノエ、更にはリズヴァーンも陰ながら戦います。
残すは清盛だけかと思った時、安徳帝らを逃がした還内府(=将臣)が戻ってきて、九郎と斬り合いを始めてしまう。
どうしてこんなことになってしまったか知りたいと思った神子は2回目の時空跳躍で4年前に飛び、将臣が還内府になった経緯を知ります。
そのまま平家で将臣と一緒に過ごすのもいいかもしれないと思う望美だったが、結局仲間たちを見捨てることができず、将臣に自分が龍神の神子であり、将臣の大切なものもいつか必ず救うと約束して、最後の時空跳躍で壇之浦に戻る。
望美は将臣に自分を信じて剣を引くように言い、決死の思いで清盛を封印。
復活した応龍が叶える3つの願いのうち2つを使って、平家の人々が安住の地を見付けて平穏に暮らせること、鬼の一族の罪が許されることを願います。
最後の願いで元の世界に戻ろうとした望美に、政子に宿っていた荼吉尼天が襲いかかり、同化して望美たちの世界へ行こうとする。望美を守りたいと思った仲間たちが八葉として覚醒し、望美荼吉尼天を討ち破るが、結局全員で時空を越えてしまう。
で、本編大団円エンドもどき。
……ああ。無理かな。これでも長すぎるかな。八葉全部出すといくら設定を簡略化して短縮してもオーバーだ。汗。
次はもっと人少ない乙女ゲームで考えよう。
多分、舞一夜みたいな外伝的な内容になるんじゃないかと思うんだが(だってあんな長い話を単発でまとめるのは不可能だろ)。
単発ならせいぜいクオリティーの高いものにしてほしいよね。
遙3でアニメ……だからね。我々には若干のトラウマが。笑。
あれほどクオリティーの高いゲームが、劇中アニメのショボさでも伝説化しちゃったことは全く残念なことだよ。
サブタイトルが紅の月だから、知盛がメインになるんじゃないかという噂がある。
赤がイメージカラーのキャラといえば、他にも将臣やヒノエがいるけど。
全部人気あるし、私にとっても好きなキャラクターだからなあ。
まあ、紅といえばもっと大きくとらえて「平家」っていう意味かもしれないし、これだけじゃよくわからんです。
まあなんにせよコーエーが生み出した狂気のカリスマが登場しないわけはないんで、彼がかっこよく描かれてればそれでよしだ。
そういえば、この前アニマックスで劇場版の「AIR」見て、ヲタに見てほしいのか、一般客に見てほしいのかよくわかんない中途半端な感じで脚本も構成もなんかイマイチだし、全然泣けなくて腹立ったな。
せっかく映画化するならもっとオリジナル色出してもよかったんじゃないかと私は思った。
原作に比較的忠実なアニメはテレビでやってすでに成功してたわけでしょ?
もっと思いきって、たとえばSUMMER編だけ映画化してみるとか。スクリーン映えするアクションシーンとかいっぱい入れてさ。
ラストは現代で観鈴と往人が出会う場面で。
どうしても観鈴と往人をメインにしたければ、観鈴主観で描いてみるとか。新しいアプローチはいろいろあるんじゃないかしら。
それに、釈が短いからって晴子が最初から優しいママだとカタルシスがないっつーか……泣かせどころが弱いじゃん。
現代を舞台にするなら逆に過去話は切り捨てて、観鈴・往人・晴子の心象描写だけに力を入れたらどうかね。
だいたい映画の往人は柳也の子孫じゃないし(柳也死んだから。子供がいたような描写もない)、観鈴と神奈も別に繋がりないと思うんで(空の夢も見ないし、翼も痛くないし)、必然性に欠けるんだよ。
神奈と柳也がただの恋人同士だとメインテーマの「家族の絆」が薄れるし。
映画では柳也も往人もヒロインの運命の王子さま、ラブストーリーのパートナー扱いだけど、でも原作を見た感じだと、どっちかといえば「シンデレラの魔法使い」のポジションだと思うんです。
特に往人はね。観鈴と晴子を本当の母子にしてあげるために現れた魔法使い。脇役だと思うんですよ。
それをラブストーリーに改変するなら最後に観鈴のゴールになるのは往人じゃないとダメじゃね?
なんか色々努力の跡は見えるんだけど、原作のいいところを活かせてないし、オリジナルとしては破綻してるんだよなあ。
そんなこんなであまりにAIRが微妙だったから、あえて乙女ゲームの本編を二時間弱くらいにまとめて映画化ってなったら私ならどうするかなあとか考えてみた。
劇場版・遙か3。
私ならこうします。
ヒロインの望美たちの前に白龍と名乗る少年が現れて、「怨霊を封印し、京を救ってほしい」と訴えますが、力尽きて逆鱗に姿を変えてしまいます。
逆鱗を手にした途端、望美、譲、将臣は時空跳躍。将臣は行方不明になり、他二人はいきなり戦闘中の船の上に放り出されてしまいます。
わけもわからず逃げ回る間に、九郎・弁慶・景時・朔に出会って救われ、そこが壇之浦の戦場だと知ります。
源氏が追い詰められていると知った譲はいぶかしみます。
一方望美は将臣の姿を見つけた気がして追い掛けようとしたところを、怨霊(水虎=敦盛) に襲われてしまい、それをかばった譲が致命傷を負ってしまいます。
戦は大敗、九郎たちはその責任を問われて鎌倉を追われ、将臣は行方不明、そして譲は意識が戻らないまま……望美が絶望していると、謎の男(リズ先生)が現れて、望美には運命を変える力があることを教えてくれます。
逆鱗があれば3回だけ時空を越えることができるということ。
神子には力の具現化と怨霊を封印する力があるということ。
怨霊を封印して五行の力を取り戻し、応龍が復活すれば、3つの願いを叶えてくれるので、元の世界にも帰れること。
男はかつて大罪を犯した一族の末裔で、その罪をあがなうために神子の影となって見守る宿命を背負っているため、ともにあることはできないと言って、消えてしまいます。
望美が譲たちを救いたいと願うと、呼応するように逆鱗が光り、譲が傷を負う前に時空跳躍し、更に逆鱗が剣に変化、仲間の援護を受けて怨霊を倒す。
元に戻った敦盛は神子に感謝し、平家一門の運命を委ねます。
龍神の神子が源氏に降臨した……と、にわかに活気づいた源氏軍は勢いを取り戻します。
近海で様子を伺っていたヒノエ率いる熊野水軍が、戦況は源氏に有利と見て援軍を送ったため、一気に逆転。
望美は知盛を、九郎・弁慶が惟盛を倒し、朔と景時と譲は怨霊武者を倒して援護。
ヒノエ、更にはリズヴァーンも陰ながら戦います。
残すは清盛だけかと思った時、安徳帝らを逃がした還内府(=将臣)が戻ってきて、九郎と斬り合いを始めてしまう。
どうしてこんなことになってしまったか知りたいと思った神子は2回目の時空跳躍で4年前に飛び、将臣が還内府になった経緯を知ります。
そのまま平家で将臣と一緒に過ごすのもいいかもしれないと思う望美だったが、結局仲間たちを見捨てることができず、将臣に自分が龍神の神子であり、将臣の大切なものもいつか必ず救うと約束して、最後の時空跳躍で壇之浦に戻る。
望美は将臣に自分を信じて剣を引くように言い、決死の思いで清盛を封印。
復活した応龍が叶える3つの願いのうち2つを使って、平家の人々が安住の地を見付けて平穏に暮らせること、鬼の一族の罪が許されることを願います。
最後の願いで元の世界に戻ろうとした望美に、政子に宿っていた荼吉尼天が襲いかかり、同化して望美たちの世界へ行こうとする。望美を守りたいと思った仲間たちが八葉として覚醒し、望美荼吉尼天を討ち破るが、結局全員で時空を越えてしまう。
で、本編大団円エンドもどき。
……ああ。無理かな。これでも長すぎるかな。八葉全部出すといくら設定を簡略化して短縮してもオーバーだ。汗。
次はもっと人少ない乙女ゲームで考えよう。