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乙女ゲーマー麻咲(あさき)の、2.5次元を彷徨うブログ
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  プロフィール
HN:
麻咲
年齢:
41
性別:
女性
誕生日:
1983/05/03
職業:
フリーター
趣味:
ライブ、乙女ゲーム、カラオケ
自己紹介:
好きなバンド

janne Da Arc
Angelo
犬神サーカス団
シド 
Sound Schedule
PIERROT
angela
GRANRODEO
Acid Black Cherry 他

好きな乙女ゲームとひいきキャラ
アンジェリークシリーズ(チャーリー)
遙かなる時空の中でシリーズ(無印・橘友雅、2.藤原幸鷹、3.平知盛、4・サザキ) 
金色のコルダシリーズ(1&2・王崎信武、3・榊大地、氷渡貴史)
ネオアンジェリーク(ジェット) 
フルハウスキス(羽倉麻生) 
ときめきメモリアルGSシリーズ(1・葉月珪、2・若王子貴文) 
幕末恋華シリーズ(大石鍬次郎、陸奥陽之助) 
花宵ロマネスク(紫陽) 
Vitaminシリーズ(X→七瀬瞬、真田正輝、永田智也 Z→方丈慧、不破千聖、加賀美蘭丸) 
僕と私の恋愛事情(シグルド) 
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アラビアンズ・ロスト(ロベルト=クロムウェル) 
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危険なマイ★アイドル(日下部浩次)
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妄想彼氏学園(神崎鷹也) 他

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2009/07/26 (Sun)
 1ヶ月以上も前から書く書くと言って、伸び伸びになっていた、ラブマジSS、ようやくできました。汗。


 一応40,000hit記念とラブマジ本編完結記念を兼ねての作品です。


 今回は冬也×みつきで、ほのぼの日常話を目指したつもりが、なんだか違うもんができあがってしまいました。

 冬也大好きなんですが、冬也はいじられてなんぼだと思っているので(笑)、冬也単体をメインで書くのは、ちょっと難しかったです
ね。
 ……言い訳しとこう、的な。笑。


 一応、ラブマジ本編の前日談のつもりです。

 中盤には「スーパー○○タイム」があります。
 まめにこのブログを読んでくれている方はご存知かもしれませんが……三度の飯より大好きなアレを存分に書かせて頂きました。

 それだけである意味満足です。書いた人はね。笑。


 もはや甘くもなければ、笑えも泣けもしないですが、それでもいいという優しい方だけつづきからどうぞ。

【キレイな景色、シアワセな彼女】









 あのころ世界はシンプルで鮮やかだった。

 たった12色のクレヨンで、好きなものを何でも描けた。

 描いた円がどれだけイビツでも、そのイビツな円からどれだけ色がはみ出しても構わなかった。

 どうしてその、単純で偉大な強さを持ったまま、人は大人になれないんだろう……?








 それは冬の話。

 まだ、人騒がせな魔法にかかる前のこと。





「美術の、課題……?」

「うん。もしまだだったら一緒にやらない?」

 冬也は視線を斜めに逃がし、少し考えた後で、

「……いや、やめとく」

 と、短く答えた。

「そう……」

 みつきはとても残念そうな顔をして、けれどしつこく誘うことなしなかった。
 そのかわりに、

「どこにするか、もう決めた?」

 と、別の問いかけをしてきた。

「いや」

 冬也は小さく首を左右して見せた。

 美術の課題……それが出されたのは1週間前。

 提出期限が、目の前に迫っている。

 課題の内容は、風景画。学園の敷地内のどこでも、好きな風景を選んでいいことになっている。

「どこでもいいって言われると悩んじゃうよね」

 困ったように苦笑する、その仕草が可愛くて、冬也はもう一度視線を逃がさずにはいられなかった。
 そして、

「じゃあな」

「あっ……」

 ついには身体ごと逃げ出した。










 あてどなく校舎内を歩き回る。

 最上の「景色」を求めて。

 いつもの冬也なら、適当な場所を見つけて要領良く課題を終わらせ、とっとと提出してしまっていたのだろうが、今回はそういうわけにはいかなかった。

 それは……。

 先に提出され、美術室の壁に飾られた春也の絵を、


――春也くんの絵、すごいね!! 私もこんなふうに描けたらなあ……。


 みつきがあんなにも絶賛したからだ。

 春也の絵は、教室から見える校庭の何気ない風景を描いただけだったのに、確かに素晴らしかった。

 冬枯れの、風の匂いまでも感じられるような……そんな絵だ。

 あの絵に負けたくない……そんな思いにとらわれてからは、どんな景色を描こうとしても筆が進まない。

 「この景色じゃダメだ」……そう思ってしまう。

 「こんな絵じゃ、みつきは喜ばない」……と。


 みつきの誘いに乗れなかった理由もそれだ。

 みつきの隣で、筆を握って、何も描けなかったら困る。

 みっともないところは見られたくないし、悩んでいることすら、知られたくない。

 ぐるぐると悩み続けている間に、気づけば教室に舞い戻っていた。

 放課後の教室はすっかり空っぽだった。
 窓辺に寄り、すでに暗くなりつつある外を眺める。

 見慣れた、他愛ない景色……特に魅力を感じるものでもない。何故、春也はこの景色を絵に描こうと思ったんだろう。

 どうやったら、あんなにいい絵に仕上がるんだろう……?


「……冬也?」

「……!」

 人はこれを双子のシンパシーと評するのだろうか。
 ありえないタイミングで春也が教室に入って来た。

「探してたんだ」

 冬也の内心の動揺に気づいているのか、いないのか……似てない双子の兄は、笑顔で近づいて来た。

「さっきみつきに会ったんだけど、冬也に後で謝っておいてって言われたぞ」

「謝る?」

「なんか、怒らせちゃったかも……とか言ってた。……また何か誤解されるようなことをしたんだろ?」

 確かに、あの状況なら誤解されても仕方がないかもしれない。
 やってしまった……と思った。
 流石に顔に出ていたのか、全て察した様子で、春也は苦笑を浮かべた。

「いい加減、みつきに告白したほうがいいんじゃないか?」

「簡単に言うなよ」

「難しく考えるなよ」

 長い間、内に秘めたまま、誰にも話したことのない冬也の想いを、春也だけは知っている。

「小さいときは『みつきちゃん大好き』ってよく言ってたじゃないか」

「っ」

 自分でもおぼろ気にしか覚えていないような過去の話を持ち出されて、身体がカッと熱くなる。

「ちゃんと素直に伝えればみつきだって……」

「子どもの頃とは違うんだ」

 大人になったら、みつきと結婚する。
 そう無邪気に信じていた頃と、今は違う。

 みつきだって年頃なんだから、誰か想う相手がいるのかもしれない……もしかしたらそれは。

 春也かもしれないのだ。

 そうじゃなかったとしても。

 自分と春也がもし同時に「付き合ってほしい」と言ったら、みつきは春也と付き合うのではないか?

 みつきは春也のほうが好きなんじゃないか……思春期になり、そんな漠然とした不安を感じ始めてからというもの、みつきに対する態度は年々ぎこちなくなっていった。

 好意を悟られて、「ごめんね。私、春也くんが……」などと言われたら立ち直れない。
 そう思ったら好意を表に出すことすら恥ずかしくなっていった。

 今さら子どもの時のようには戻れない。

「まあ、無理強いする気は毛頭ないけどさ」

 春也は、弟の不安を受け止めようとするかのように、悠然と微笑する。

 その余裕が、羨ましい。

「……課題は捗ってるのか?」

「……」

「まだ、どの風景を書くかも決まってないとか?」

「……ああ」

 認めるのは悔しかったが、聞いてみたい気がした。

「……春也はなんでここからの景色を絵にしたんだ?」

「うーん……」

 春也は少し考えるような顔をして、答えた。

「やっぱり、好きだから、かな」

「?? ……好き?こんなどうってことない景色が?」

「えっ、どうってことないかな? あの木立とか、向こうの塔とか……石畳の色合いとかすごく好きなんだけど」

 言われて窓からの景色を隅々まで凝視したが、何がそんなに春也の心の琴線に触れたのか、サッパリわからない。

「お前……変わってるよな」

「なんだよ、昨日今日の付き合いでもあるまいし」

「でも確かに、春也の絵は……よかったと思う」

 このなんでもない風景が、春也の目にはあんなに綺麗に映っているのか。

 好きなものは、綺麗に見える。輝いて見える。

 それを素直に描き出したから、あんなに春也の絵は綺麗なのだと……冬也は今理解した。

「……俺も、難しく考えないことにする」

「それは絵の話? それとも……」

「両方」

「……そっか。うん。頑張れよ」

「……ああ」

 2人はどちらからともなく微笑した。

 まだもう少し時間はかかるかもしれないが、伝えてみよう。

 思ったまま、ありのままを。
 好きだ、という想いをそのままぶつけよう。


 まずは課題で、それから……。







 あのころ世界はシンプルで鮮やかだった。

 たった12色のクレヨンで、好きなものを何でも描けた。

 描いた円がどれだけイビツでも、そのイビツな円からどれだけ色がはみ出しても構わなかった。

 あの単純で偉大な強さを、この手にもう一度取り戻せたならば……。















「冬也くん」

 この間、怒らせてしまったばかりではあったが、懲りもせずに声をかけてしまった。

「……ん?」

 振り返ったその顔はなんとなく、本当になんとなくではあったが、機嫌が良さそうに見えた。

「課題、提出に行くんでしょう?」

「ああ」

「へへ、私もなんだ。ねえねえ、提出する前に見せ合いっこしない?」

 自分の絵を見られてしまうのは恥ずかしかったが、どうせ飾られてしまうのだし、冬也の描いた絵を見たいという欲求のほうがずっと勝った。

「別に、構わない」

 冬也もあっさりと了承してきた。

「じゃあまず、私からね」

 隠しきれない恥ずかしさに顔が赤らんでしまうが、覚悟を決めて、後ろ手に持っていた絵を前に出す。

「結局、女神像の庭園を描いちゃった……やっぱりベタだったかな?」

 冬也はじっと無言でみつきの絵を見つめていた。

 緊張感が高まる。

「……いいんじゃないか?」

 冬也は微かに口の端を持ち上げて、静かに笑う。

「よく描けてるし、ベタでもなんでも、みつきが気に入った場所ならそれでいいだろ」

「うん、そうだよね!」

 提出前に冬也に見てもらってよかった……と、みつきは心から思った。

 たとえ美術の先生に酷評されたとしても、冬也が認めてくれたのだから、そんなに落ち込まなくて済みそうだ。

「じゃあ次、冬也くんの絵を見せて」

「ん……ああ。笑うなよ」

「何言ってるんだか、私が冬也くんの絵を笑えるわけないでしょ!」

 子どもの頃から知っているのだから、冬也のほうが自分よりずっと絵心があるのはよくわかっている。

 しかし冬也は再度「絶対だからな?」と念を押し、半ば押し付けるようにしてみつきに手渡すと、

「ついでだから一緒に提出しといてくれ」

「えっ?」

「頼んだ。じゃあな」

 一方的にそう言って、自分の作品をみつきに渡したまま、一目散に立ち去ってしまう。

「ちょっと冬也くん!」

 あっという間に廊下の角を曲がって姿を消してしまった。

「もう……冬也くんったら」

 美術室は目と鼻の先なのだから、自分で出しに行けばいいのに。

 しょうがないなあ、と思いつつ、みつきは渡された絵をまじまじと眺める。

 それは、なんとみつきが描いたのと同じ、庭園の絵だった。

 とっさに、被っちゃったのが気まずかったのかな、とぼんやり考えていたみつきだったが、

「っ」

 その直後、はっとして思わず絵を落としそうになる。

「これ……」


 自分と全く同じ景色を描いた冬也の風景画。

 違っていたのは、絵の遠近感。

 そして、小さく描き込まれた人物の存在だった。

 キャンパスを立て掛けたイーゼル、に向かう、髪の長い制服姿の少女。

 みつきは思わず、冬也が去って行った廊下のほうを見やった。

 もちろんそこに冬也の姿はない。

 もう一度、目を落とした。

 胸がドキドキする。

「まさか……ね」

 だって。

 こんなに綺麗じゃないし……。

 みつきは内心の動揺を無理矢理抑え込むように、美術室へ向かって足を踏み出した。

 この絵の女の子が誰かはわからない。

 だけど、この子は幸せだ。

 彼の目に、こんなに綺麗な姿で映ることができたのだから。

 絵の中の綺麗な少女への羨望……それと少しの嫉妬めいたもの。

 それは、彼が自慢の幼なじみの1人だから、それだけだろうか?

 それとも……。









 不器用で純粋な少年が、キャンパスに描いた、彼の愛する《最も綺麗な景色》。

 その美しい世界に佇む《最も幸福な少女》。

 みつきがその絵にこめられた、精一杯の深い愛情に気がつくのは、それから1年も先のことだった。








《ラブマジ本編につづく?》

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