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乙女ゲーマー麻咲(あさき)の、2.5次元を彷徨うブログ
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  カウンター
  プロフィール
HN:
麻咲
年齢:
41
性別:
女性
誕生日:
1983/05/03
職業:
フリーター
趣味:
ライブ、乙女ゲーム、カラオケ
自己紹介:
好きなバンド

janne Da Arc
Angelo
犬神サーカス団
シド 
Sound Schedule
PIERROT
angela
GRANRODEO
Acid Black Cherry 他

好きな乙女ゲームとひいきキャラ
アンジェリークシリーズ(チャーリー)
遙かなる時空の中でシリーズ(無印・橘友雅、2.藤原幸鷹、3.平知盛、4・サザキ) 
金色のコルダシリーズ(1&2・王崎信武、3・榊大地、氷渡貴史)
ネオアンジェリーク(ジェット) 
フルハウスキス(羽倉麻生) 
ときめきメモリアルGSシリーズ(1・葉月珪、2・若王子貴文) 
幕末恋華シリーズ(大石鍬次郎、陸奥陽之助) 
花宵ロマネスク(紫陽) 
Vitaminシリーズ(X→七瀬瞬、真田正輝、永田智也 Z→方丈慧、不破千聖、加賀美蘭丸) 
僕と私の恋愛事情(シグルド) 
ラスト・エスコート2(天祢一星) 
アラビアンズ・ロスト(ロベルト=クロムウェル) 
魔法使いとご主人様(セラス=ドラグーン)
危険なマイ★アイドル(日下部浩次)
ラブマジ(双薔冬也)
星空のコミックガーデン(轟木圭吾)
リトルアンカー(フェンネル=ヨーク) 
暗闇の果てで君を待つ(風野太郎)
ラブΦサミット(ジャン=マリー)
妄想彼氏学園(神崎鷹也) 他

バイト先→某損保系コールセンター 

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2024/05/13 (Mon)
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2010/07/29 (Thu)
 昨日の午前、ゲオルクを連れて最寄りのドコモショップに出掛けました。

 故障窓口のお姉さん曰く、修理をすることはできるが、本体のメモリーは、やはり確実に消えるらしい。

 そして当然といえば当然だけど、修理をすれば外装のラッピングも剥がされて、新品と同じ状態で戻ってくるというわけです。

 それなら彼のことはこのまま大切にしまっておいて、新しいパートナーを探すべきだろうと思いました。


 喪われたものの大きさを考えると途方もない喪失感に襲われましたが、とりあえず諦めがついた分だけマシな精神状態にはなりました。

 で、冷静に近所で一番安いケータイショップに移動し、新しい相棒を決めてきましたよ。P-04Bのマゼンタです。

 同じPanasonic製品とはいえど、流石にボタンの位置や操作が多少変わってしまって、慣れるまで難儀しそうですが、とりあえず腕ならしとして短いSSを書いてみました。

 ケータイ擬人化一次創作です。笑。

 私と7代目の出逢いをちょっと脚色してみました。ケータイが人間で喋れること以外はだいたいこの通りです。笑。

 擬人化とかに抵抗のない方はつづきからどうぞ。

「彼らはこの夏からのニューフェイスです。ご希望のタイプはありますか?」

 案内係の女性が示した壁際には真新しい衣装に身を包んだ青年たちが、整然と並んで立っていた。

「写真を撮るのか上手な子はいますか? できれば赤い服の……」

 私がそう尋ねると、どこか近未来なメタリックブルーの衣装をまとった利発そうなメガネの男の子が一歩前に出た。

「あいにく服は赤くないのですが、写真でしたら僕にお任せ下さい。それに僕は最近流行の防水スーツを着ていますから、雨の街でも、夏の浜辺でもどこででもお役に立ってみせましょう」

 男の子はメガネの縁を怪しく光らせながら上目遣いで私を見つめた。

「貴女、ゲームはお好きではないですか? 僕がいればどこででも無線通信でゲームを楽しむことができますよ。魅力的でしょう?」

 そういえばこの男の子はアニメショップのフリーペーパーにも載っていた。
 確かに私には似合いのパートナーかもしれない……そう思ったその刹那、

「お待ちなさい」

 ポンと肩を叩かれて振り返ると、渋い深みのある赤いスーツを来た紳士が立っていた。

「確かに彼は有能だが、いろいろとトラブルを起こすことがあってね……ああ見えて問題児なのだよ、君のように分別のある大人が連れて歩くのは賛成出来ないね」

「はあ……そうなんですか?」

 メガネの少年はあからさまにムッとしたように紳士を睨んだ。

「今日来たばかりの新入りの貴方に知ったふうなことを言われたくないですね」

 一触即発の雰囲気をまとう2人をよそに、次々と色々な子が私に声を掛けてきた。

「お姉さんお絵描きは好き? 一緒に写真にお絵描きして遊ばない?」

「お前さ、ブログとかやる人? 俺がいたらほとんどパソコン持ってんのと変わらないくらい楽になるぜ」

「私の衣装は有名ブランドがデザインしているんだよ。一緒にいればお友達に自慢できるよ」

 それぞれに魅力的なアピールをしてくる彼らに幾らか気圧されながらも、私は赤い服を着た何人かを選び、並ばせた。

 期待に満ちた眼差しで見つめてくる彼らに順番に視線を走らせながら、私はその中から1人を選ぶことができず、しばし立ち尽くしていた。

 同じ赤い服を着た人なら、「あの人」と同じくらい好きになれるかもしれないと思ったけれど……むしろ、ただただ「あの人」ではないのだという事実を痛感するばかりだった。

 ああ。古びても、傷だらけでも、力がなくても……私には彼より大切な人などいなかったのに。

 彼を失ったという、大きな大きな、耐え難い喪失感。

 誰の手を取れば埋めることができるのだろう。



「オレにしなよ」



 不意に、耳元で囁かれた声に振り返ると、いつの間にかすぐ側に軽薄そうな笑みを浮かべた若い男が立っていた。

「あんたの先代パートナー、オレと同じPの一族なんだろ? オレならクセも似てるし、扱い易いんじゃねーの?」

「でもあなたの衣装はピンク色じゃない」

 しかも目に突き刺さりそうなドギツイショッキングピンクのサマーセーターだった。
 どう考えても私のタイプじゃない。

「ピンクじゃない、マゼンタだ」

 中途半端な黒髪をかきあげながらやつは気取って言った。

「彼はああ見えてなかなか優秀なんですよ」

 見かねたように案内係が口を開いた。

「余分な能力を削ったことで、残った能力をフル活用出来るように調整されてるんです」

 そう説明しながらスペックの比較表を見せてくれた。
 確かに幾つかの能力が他の子に劣る代わりに、残った機能は軒並み平均かそれ以上の数値を持っていた。

 確かに、契約金も青い子よりは安く上がりそうだし……悪くはない、のかもしれない。

 そんな私の心境の変化を知ってか知らずか、やつは更に口の端を吊り上げる。

「オレが欲しくなってきた?」

 私は質問に答える代わりに案内係のほうを見やって口を開いた。

「他の色はないんですか?」

「えっと……」

 案内係は少し困ったような顔をして視線を泳がせた。

「他にも4色いたのですが、あいにくみんなもう契約が決まっていまして……」

 瞬間、私は思わず吹き出してしまった。

「人気がないんだね……売れ残りのマゼンタさん」

 やつは先刻までの笑みを打ち消して目を半眼すると、フン、と鼻を鳴らした。

「P族のメインユーザーは男だからな、オレの可愛らしさはヤローにはわかんねえのよ」

 確かに私は6代もの長きに亘ってPの一族をパートナーとしてきたけれど、こんな色をまとった人を見た覚えがない。

「あんた一応女だよな、だったらオレの愛らしさが理解できるだろ?
な、オレにしろよ」

 こいつ、やたら上から目線だけど案外必死なのかもしれない。なんだか目が真剣だ。

 案内係のお姉さんもヒヤヒヤしながら成り行きを見守っている。

「契約金一括払いなら今月いっぱい10パーセント割引で契約してやれるし、今なら、デジタルフォトフレームもつけられるぞ、オレにしろよ、な?」

 なんだか必死すぎて段々気の毒な感じがしてきた。

 ……本当にあの人と同じ一族なの?

 初めて会ったあの日、「当店の人気ナンバー1です」と、案内係が恭しく招いてきた赤いコートの青年はまさに王の風格だった。

 目と目が会った瞬間、一目で恋に落ちた気がした。

 あんな人にはもう、きっと出会えない。

 ……誰を選んでも彼の代わりにはならない、というのなら……別にこいつでも悪くはないのかもしれない。

 どうしても色が気に入らなかったらまたラッピングしてもらえばいいのだしね。

「……わかりました、このピンク連れて行きます」

 私がそう言った途端、案内係は安堵の吐息とともに満面の笑みを浮かべ、やつは一瞬目を見開いた後で、少しその目を伏せて呟いた。

「……オレはマゼンタだよ」

「なんだっていいよ、今日からは私が付けた名前で呼ばれるんだから」









「待たせたな、行くか」

 30分ほどで支度を整えて出て来たヤツは、店の外の暑さに「暑ぃな」とぼやきながら眉をひそめた。

「今日はどこか出掛けんのか?」

「代官山に食事しに行きます。早速だけどあなたにはたくさん撮影してもらうと思うからよろしく」

「ハイハイ……人使い荒らそうなご主人に買われてオレは幸せだなー」

 それはきっと半分皮肉で、半分本気なのだろう。
 私は優しいご主人様にはなれそうもないけれど、それでも不良在庫として埃を被るよりはいくらかマシなのかもしれない。

「デジタルフォトフレームのやつがついて来たがってたけど、置いて来て良かったのか?
大手三社ん中じゃ一番背が高くてイケメンなんだがなー」

「あなたとの契約だけでも予想外の大出費なんだから、その上おまけの契約金なんか払えません」

「なるほど、イケメンはオレだけでお腹いっぱいってわけか」

「バカなこと言ってないでついて来なさい。あなたには即戦力として覚えてもらうことがたくさんあるんですから」

 そして私は早く取り戻さなくてはいけないのだ。
 未完成のまま喪われた、あの人と綴っていた書きかけの物語を。

 歩き出した私に寄り添う、彼曰く「マゼンタ」の新パートナーはほんの少し期待を滲ませた声音で、囁きかける。

「……で、オレの名前は考えたのか? 30分もあったんだから、当然決まったんだろ?」

「……カルロソ」

「え?」

「カルロソです。スペイン語で『暑い』って意味……今日も暑いし、あなたの色も暑苦しいから」

「なんつー安直な……」

「嫌ならロサにします。スペイン語で『ピンク』」

「……いいです。カルロソで……はい」


 紅紫色(マゼンタ)のカルロソ。

 これは望んだ出逢いではなかったけれど、私は彼のことを、出来るだけ愛してみようと思った。

 だから私の一番好きな季節から連想した名前をつけたのだと……今はまだ教えないでおこう。

 太陽の眩しい光の下で見ると、あなたの色も結構悪くない……とか、そういうこともね。

 ともあれ、彼と私の物語はここから始まるのだった……。


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