妄想彼氏学園をムダに熱く語る

　前にもご紹介しました、先月から今月にかけて、なんだかんだと夢中でプレイしていたケータイ乙女ゲーム・「妄想彼氏学園」。

　制限なしで手軽にプレイできて、声優豪華で、絵も綺麗で、シナリオは(ばらつきはあるが)センスがよく、キャラも魅力的。

　このゲームはもっと評価されるべきです。全DoCoMoユーザーに自信を持って勧めます。

　すでに全シナリオ解禁になっているため、今後の展開は不明ですが、続編が作られるように、当ブログで力いっぱい宣伝していきたいと思います……！！


　PC版の猫神草子では、右サイドバーに、ぴったりな妄想彼氏を診断してくれるブログパーツを貼ったので、是非やってみてください。

　ちなみに私は、ベッセル先輩になりました。笑。


　とりあえず、つづきから雪兎・葵・一希・神崎のネタバレ感想書いていきます。

　まずは、可愛い後輩キャラの桜井雪兎(さくらい・ゆきと)くんから。
　体験版でも導入部をプレイできた雪兎シナリオですが、名前に兎がつくだけあって、マイドルの日下部と通じるものがあったり。

　通常ルート、妄想ルートともにヒロインと雪兎は過去に面識があり、雪兎だけが覚えていて、一方的に慕い続けている……という設定なんです。

　通常ルートでは、過去に兄弟へのコンプレックスから荒んで喧嘩に明け暮れていた雪兎が、たまたま立ち寄った店でバイトしていたヒロインの、さりげない優しさやひたむきな生き方に心を動かされて更正、以後恋い焦がれて来たという設定。

　↑↑主人公にとっては、ごく当たり前の無意識の優しさだったので、覚えてなくて当然です。

　最初は雪兎の押しの強さに迷惑がっていたヒロインが、質の悪い連中に絡まれたところを守られたり、彼の過去を知っていくことで次第に気になっていき、雪兎がヒロインのためを思ってあえて距離を置くようになってから、今更大切さに気づく展開は熱い。


　一方妄想ルートの雪兎は、ヒロインが子どもの頃に飼っていたウサギ。

　ウサギの身ながらヒロインに恋して、「魔法使い」を名乗る人物に人間にしてもらい、会いに来たという設定です。

　次の満月までに、ヒロインが雪兎の正体に気付いて、ペットだった頃の名前で呼び、更には彼を愛してくれないとウサギに戻ってしまい、「魔法使い」に毛皮にされてしまうという約束なのです……！


　もちろんギリギリでヒロインが気付いてハッピーエンドなわけですが、雪兎の一途さが突き刺さる、せつないシナリオでした。

　どちらも良かったのですが、どちらかというと妄想ルートが好きでした。ウサギ可愛いよウサギ。


　さて。
　ここまでプレイしてきたキャラたちの妄想ルートでは、それぞれ、

ベッセル→魔法のコンパクト
柊征→羅針盤
雪兎→魔法の時計

　というキーアイテムが存在し、特徴を見る限りそれらは大変よく似ている。

　シナリオ開始時点のアイテムの所有者は、

コンパクト→葵
羅針盤→葵
時計→雪兎

　ただし雪兎は「魔法使い」から時計を受け取っているので、元々の所有者は「魔法使い」なわけです。

　雪兎シナリオ中の「魔法使い」の描写と、他シナリオの設定から、私は「魔法使い＝葵？」と、この時点では考えていました。


　……実はミスリードなんですけどね。汗汗。


　雪兎・ベッセル・柊征が好きな順で攻略できるのに対し、葵・一希・神崎は、先の３人を攻略した上で、任意の順番にやらなければいけないことになっています。

　先の３人はたくさんの伏線を散りばめた「謎かけ編」で、後の３人のシナリオは「謎とき編」という感じ。
　……よく出来てるんですよ……！！


　後半戦の最初を飾るキャラクターが「篠塚葵」。
　帝瑛学園大学院医学部3年(飛び級なのでまだ21歳)にして、保険医でもあるというドＳ眼鏡です。

　通常ルートでは、たまたま口にしたヒロインの手作り弁当を気に入って、毎日作れと言って来るのが恋の始まり。

　……というか主従関係の成立というか。笑。

　ヒロインは葵の俺様っぷりに憤りながらも、何故か憎めないといったスタンスです。
　葵の要求に一々バカ正直に応えつつも、けして媚びるではなく、本音でぶつかっていきます。

　しかし「バカは嫌いだ」と公言する葵の恋愛対象にはなりえないと思い込んでだんだん辛くなっていくんですよね。

　そんな時、ある研究に参加するために葵が海外へ行くかもしれないという話がヒロインの耳に入り、いよいよ微妙な空気になってしまうんですが、この辺りは、葵の素直に気持ちを表せない不器用さがたまらなくもどかしかったです。

　ヒロインの幼なじみで、葵の年の離れた友人でもある一希が、２人を結びつけようと頑張る姿がまたせつないんですよね。
　一希もヒロインのことがずっと好きなんだけど、伝えられなかったという後悔があって、葵には同じ轍を踏んでほしくないし、ヒロインにも幸せになってほしいわけですよ。
　すげーいい子なんです。

　一希シナリオへの期待が自ずと膨らんでしまいました。

　葵は葵で、想いを伝えるまでの不器用な行動の数々がたまらなく萌で、なにげに通常ルートでは全キャラ最萌でした。

　それだけに妄想ルートの葵ちゃんのダークさ加減には、もう唖然呆然立ち尽くしましたよ。笑。

　妄想ルートの葵の正体は死神でした。
　今回のシナリオでもやっぱり時計を持っていた葵。
　ただし時計の本来の所有者は神崎であることがわかります。

　何故か時計を取り戻したがる神崎と、何故か神崎には渡したくない葵。

　今までのシナリオで、葵が時計(コンパクトや羅針盤とも呼ばれていたもの)を第３者に託したのも、神崎に渡らないためだとすれば納得です。

　時計には時を戻す力と、新しい時を作り出す力があるということが、このシナリオで初めてわかります。

　このシナリオではまだ神崎がその力で何をしようとしているのかは謎のまま。

　ヒロインが葵を好きになったばかりに、なんだかよくわからないけど、とりあえず葵を選んでしまうからです。笑。
　ヒロインにとっては葵が全てで、それ以外のことはどうでもいい。

　葵もまた、ヒロインを求め、必要とするのですが……その愛の代償は大きく。
　全てを捨てて死神の世界へ誘われたヒロインは生気を奪われ、半ば人形のようになってしまう。
　それでもすぐ側に葵を感じるから幸せ……そんなエンディングでした。


　……怖ぇよ。汗汗。



　気分を変えて、一希編。
　通常ルートは王道の幼なじみネタ。
　子どもの頃からヒロインを好きだったのに、ヒロインが引っ越す時に、寂しさゆえに逆にヒロインを避けるような行動を取ってしまい、気持ちを伝えられなかったことを悔やんでいます。

　せっかく再会出来て、嬉しくてたまらないのに、気まずさからわざとそっけなくしてしまったり、結局なんだかんだ面倒見ちゃったり。

　一希のファンの女子らのいじめとか、これでもかってくらいに正統派なシナリオでした。

　一希の時とは逆に葵がいい仕事してたり、雪兎がすごい名言(お姫様の役目の件)を吐いたりと、周囲のバックアップが印象的でしたね。

　一方の妄想ルートでは、いよいよ物語の真相に近づいていきます。

　一希の正体は異世界のエクソシスト。
　また因縁ありと見られた神崎先生の正体が吸血鬼の王であることが判明します。

　一希の亡き母は、エクソシストの一族でありながら、異種族との共存を望んだ穏健派。
　しかしその母が吸血鬼に殺されてしまった。
　一族は一希の母の意思を継ぐ者と、吸血鬼は皆殺しにすべきという過激派に分裂し、痛ましい粛清が繰り返された。
　吸血鬼は憎いが、血族の殺し合いは許容できなかった一希もまた粛清の対象となり、狙われる。

　そんな一希を救って、時計の力で異世界に飛ばしたのが神崎。

　一希にとって神崎は命の恩人であり、仇敵でもあったわけです。

　一希は、母の死が同族の過激派による陰謀だったこと、神崎の目的が「みんなが幸せになる世界」だと知り、葛藤を乗り越え、神崎に協力することにします。

　満月の夜、時計塔でヒロインと一希は「みんなの幸せ」を祈ります。

　願いは届けられて、平和な日常が訪れ、２人はめでたしめでたしなのですが……その世界に神崎の姿はなかった。

　そんな意味深な結末でした。

　神崎編をやらないと、まだまだ明かされていない謎があるんです……！



　学年主任の神崎先生は、通常ルートでも、妄想ルートでも、大きな秘密を持っています。

　通常ルートの神崎先生は、実は幼い頃からヒロインを知っていて、ヒロインの父の友人であり、また学園の理事長でもある。

　いわゆる足長おじさんなのです……！！

　冷静に考えてしまうと、けしからんロリコンなのですが(笑)、あんだけ可愛がられたら誰だって嬉しいに決まってます……！
　ヒロインが神崎先生に惹かれてしまうのはすごく自然でしたね。

　ここまでは柊征本命で来た私ですが、このシナリオでかなりグラグラ来ました。

　そして、妄想ルートやって完全にオチました。

　この人は卑怯過ぎる……！！　笑。
　私ツボなんですよ、飄々としてるのに寂しげだったり、弱さを抱えたりしてる人が……！！

　ネタバレ感想としているのになんですが、この結末は是非実際にプレイして見てほしいです。

　下手に抜粋すると面白さが半減だし、全貌はとても記しきれないというのもありますが。

　全ての伏線が綺麗に回収され、６つの物語が１つに繋がった時に訪れるある結末。

　神崎のエンディングが、妄想ルートの事実的なトゥルーエンドに位置するため、他キャラ本命だった場合、否定的な感想を持つかもしれません。

　遙か４がそうだったように。

　私も少しだけ引っ掛かりを覚えはしましたが、物語としての美しさと完成度の高さへの感嘆がそれを上回りました。

　それに……。

６つの物語の中で、ヒロインは別々の人に恋をし、自らの望みを貫いて、未来を選び取りました。

　その望みの美しさ、選択の重さには優劣や正誤は無く、全てが正解だと思いたい。

　だからこそ神崎は、それが自分の願いを妨げるとわかっていても、ヒロインの恋路に立ちはだかることをしなかったんだと思うんです(葵は、まあ……例外ですが。笑)。

　神崎エンディングはトゥルーエンドだが、ベストエンドではないんじゃないかな。



　配信がDoCoMoだけということで、マイナーな印象が拭えない妄想彼氏学園ですが、今までやったケータイ乙女ゲームの中でもかなりお気に入りの部類に入ります。

　やってる人が周りにいなくて萌語りできないのがホントに残念。

　ここ見てる方で、妄想彼氏学園好きな方は是非お声がけ下さいね！



　……攻略は……需要、あるかなー……？