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乙女ゲーマー麻咲(あさき)の、2.5次元を彷徨うブログ
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  プロフィール
HN:
麻咲
年齢:
41
性別:
女性
誕生日:
1983/05/03
職業:
フリーター
趣味:
ライブ、乙女ゲーム、カラオケ
自己紹介:
好きなバンド

janne Da Arc
Angelo
犬神サーカス団
シド 
Sound Schedule
PIERROT
angela
GRANRODEO
Acid Black Cherry 他

好きな乙女ゲームとひいきキャラ
アンジェリークシリーズ(チャーリー)
遙かなる時空の中でシリーズ(無印・橘友雅、2.藤原幸鷹、3.平知盛、4・サザキ) 
金色のコルダシリーズ(1&2・王崎信武、3・榊大地、氷渡貴史)
ネオアンジェリーク(ジェット) 
フルハウスキス(羽倉麻生) 
ときめきメモリアルGSシリーズ(1・葉月珪、2・若王子貴文) 
幕末恋華シリーズ(大石鍬次郎、陸奥陽之助) 
花宵ロマネスク(紫陽) 
Vitaminシリーズ(X→七瀬瞬、真田正輝、永田智也 Z→方丈慧、不破千聖、加賀美蘭丸) 
僕と私の恋愛事情(シグルド) 
ラスト・エスコート2(天祢一星) 
アラビアンズ・ロスト(ロベルト=クロムウェル) 
魔法使いとご主人様(セラス=ドラグーン)
危険なマイ★アイドル(日下部浩次)
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星空のコミックガーデン(轟木圭吾)
リトルアンカー(フェンネル=ヨーク) 
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妄想彼氏学園(神崎鷹也) 他

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2007/10/14 (Sun)
 とりあえず10日間で全ED(BAD除く)、全イベントスチルをコンプしました。
 まあ、1日に1人と考えたら人として節度あるペースだったと思います。笑。

 アルバム全部埋まって、ご褒美スチル見ての感想がタイトルです。
 なかなかほっこりしました。

 とりあえず、最終的に私の最萌キャラは陸奥、好きなシナリオは辰巳と三木でした。笑。
 陸奥ルートの陸奥よりも辰巳ルートの陸奥のほうが萌えるのは私だけでしょうか。



 少しネタバレになりますが、今回は前作より悲恋EDが少なく、ヒロインが死亡するEDは1つもなかったです。
 「強く生きる」ということが今回の共通テーマだったので、最愛の人を失おうとも、一人でも強く生きていくという感じなんでしょう。

 また前作の最終章が戊辰戦争だったのに対し、今回は西南戦争まであります。「もう幕末じゃなくねェ?」というツッコミは厳禁の方向で。爆。

 このマルチエンディング全盛の時代(?)、幕末恋華は辿る運命が1人1つに決まってるところが逆に魅力かなと、個人的には思います。
 どうあがいても歴史は変わらないっていう非情とも言えるシステム。
 まあ、個別ルートに入ることで生き残るキャラクターもいるし、カップリング設定如何で鈴花と相手の運命は大きく変わったりはしますがね。
 悲恋のキャラにはもう悲恋しか道がない、だけどそれもまたハッピーエンドの1つの形として成立している。
 そういう部分を引き継いでくれて嬉しかった。

 今回は大きく分けて佐幕派(旧幕府軍)ルート、倒幕派(新政府軍)ルートに分かれてますが、ヒロインは必ず好きな相手のほうに行くので、前回の藤堂ルートみたいに最終的に敵になることがないんですが(ごく一時的にはありますが)、そういうシナリオも1つくらいあってもよかったかも??


 ちなみに、私の思うお勧め攻略順は以下の通りです。

咲彦

三木三郎

陸奥陽之介

鹿取菊千代

富山弥兵衛

大石鍬次郎

相馬肇

辰巳

中村半次郎



 庵はヒロインの生い立ちが明らかになるルートなので、最後にしたほうがいいと思いますが、それ以外は基本的に「なるべく早い章で終わる」「比較的多くの謎が残る」キャラクターを優先した形になっています。

 まあもちろん好きなキャラクターからやっていいんですが、もしかすると一周目ではオトせない、とかいうキャラクターもいるかも(鹿取が怪しい)。
 カプ設定によって攻略対象から外れるヤツもいますが、ちゃんと注意が出るからご心配なく!


 次回からまた個別レビューに戻ります。

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2007/10/13 (Sat)
 花柳剣士伝、六人終わりました。
 初回以外は大体平均所要時間二時間くらい? 極端に早く終わったキャラもいますが。

 あと2、3日あればひとまずEDはコンプできるかと思います。
 スチルは、特定カプ設定じゃないと見れないスチルとかなかったら集まると思うけど……あってほしいかも。笑。

 ここまで、大石→三木→陸奥→鹿取→中村→富山とやってきて、花柳館の食客以外は終わった感じ。
 残るは四人、みんな花柳館の仲間たち。
 むしろこっからがメインって感じです。

 詳細レビューはまた個別に書くつもりですが、ここまででシナリオが断トツに好きなのは三木三郎!
 前作の山南さんや近藤さんの時ほど泣きはしなかったけど、途中かなりうるっときた。
 
 ああ、教えてあげたい! 生きてるって教えてあげたい!!(あの人とカプ設定済)って思いました。笑。

 あとラスト近くのセリフが普通に名言です。
 パクって座右の銘にしたろうかと思った。笑。


 次点は富山かな。富山も泣いた。彼はもう、なんか存在が卑怯だ。笑。


 それにしても大石と大久保はどのルートでも最悪だよね。爆。
 新撰組と薩摩の負の部分をそれぞれ一人で被っちゃってなんか気の毒だけれど。



 ここまでやってきて思ったけど、ヒロイン(デフォルト名・志月倫)はあれですね、なにげにSな傾向にあるよね。笑。

 恋に落ちる(自覚する)瞬間が、だいたい相手が弱さを見せたり、いじけたりしてる姿を見た時だからね。爆。
 鹿取や陸奥のルートでははっきり相手をいじめて楽しんでるのがわかるしね。自覚もあるみたいだし。

 前作のヒロイン(デフォルト名・桜庭鈴花)に比べると感情の起伏があんまりなくて無口な印象。
 クールビューティとも言えるし、天然ちゃんでもあるし……。
 相手の言動に対するリアクションを見ても、鈴花がツッコミを得意としていたのに対し(たまに「局長にそんなこと言っていいのか?」とか心配になるくらいに 笑)、倫は基本無表情で「…………」みたいな反応ばっかです。

 何か言う時はツッコミというより普通に注意することが多いかも?

 まあ、鈴花の相手がほとんど身内の隊士ばかりだったのに対して、倫の相手は外部の人が結構多いせいもあるかな。

 鈴花よりもはるかに物事を客観的に捕えていて、観察力があるのは職業柄か。反面、色恋や自分の気持ちになるとかなり無器用な印象。

 イベントでも相手に「○○さんは××なのですか?」「私は□□だと思います。そうではありませんか?」みたいに淡々と説教することがよくあって、なんか新鮮です。

 まだ彼女の過去は断片しかでてきてない(真相がわかるだろう庵編は最後にとっとくし)からそっちも楽しみ。

 あと前作の大石ほどのインパクトはないけど、脇役も緒形とか晋介とか個人的に結構萌えます。野村はバカ過ぎるが、相馬とセットなら許す。爆。

 あとちらっと寄り道した辰己ルートに前作のCDドラマに出てた岡田が!
 しかもCDドラマの内容踏まえての登場。実はまだ聞いてないんだけど、ちょっと聞きたくなったかも。


 中間報告の最後にとりあえず声を大にして言いたいことがひとつ。








 4章の長州の寺怖すぎ!!(泣)


 ……しかも今のところ意味不明だから尚更怖い。


 これからプレイする人は4章メインイベント始まったら、心の準備だけしといて下さい。マジで何の前ぶれもなくきますから。アレが。笑。

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2007/10/12 (Fri)
 今回は予告通り、更新遅延しまくってすいませんでした。
 DMSはまだ平気だったんだけど、恋華の世界から、こっちの世界に頭を切り替えるのが大変難しく、どうにも効率が悪いので、このあとがきを書いたらしばらく幕末の世界に引き込もって先にコンプしちゃおうかなぁと思います。


 本編がまたすげー引きで終わってますが、まあ、今月中には執筆再開できるかなあと思います。

 今回はタイトルの通り、嘘がキーワードですな。
 嘘吐きだらけです。

 またサブタイトルの「play」は「演奏」の意味と「演技」の意味でWミーニングとなってます。



 【1】からいきなり黒雪乃本領発揮です。
 日向子は踏んだり蹴ったりですが、相変わらず出番少な目の浅川兄弟のほうが気の毒です。
 まあ、順番が回ってくれば今度は浅川兄弟ばっかになるんですけど……。


 【2】でとうとう有砂が抜け駆けを。笑。
 有砂的には【1】でメンバーに言ったように蝉の様子を見るのがメインの目的だったわけなんですが……よもやの急展開。
 まあ、一瞬有砂がおいしい感じなんだけど、今回は当て馬的な役回りだよね、実際は。

 【3】ではまず沢城家と釘宮家の奇妙な縁が発覚。
 いずれ水無子を主役にした外伝を書いてみたいとちょっと思いました。

 その後の親友(?)コンビの一触即発なシークエンスが今回の一番のお気に入りかもしれない。


 【4】がなにしろ今回一番苦労したセクションで、もう釘宮家親子トークを四回くらい書き直したような気がする……なんか納得いかなくて。
 高槻にどこまで言わせるか……抽象的過ぎても違うし、あけすけ過ぎても嫌かもって。
 だいたい高槻がこんなに喋ること自体なかったしね~。

 【5】は式の当日です。
 とうとうこの時が来たかという感じです。

 蝉の正体については、蝉自ら明かすか、日向子が自力で気付くか、どっちもありだなあと思ってたんですが、スーパーバイザーなゆきさんが、自分からバラすほうがいいって前に言ってたんで(笑)、その時にこの展開を決めました。

 次の章の前半も蝉がメイン、後半から新しい展開となっていきます。

 いよいよクライマックスに向けての大きな流れが生じますが、とりあえず最初に言った通りまたしばし更新お休みとなりますので、よろしくです。

 ではまたご意見ご感想をばお聞かせくださいまし。ごきげんよう。

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2007/10/10 (Wed)
「楽しくない……」

 溜め息混じりの呟きがもれる。

「男の衣裳見立てるなんて、パパはちっとも楽しないで~、佳人~」

「やかましいオッサンやな……この間の件をホンマに反省しとんやったら黙って協力したらええねん」

「はいはい……わかりましたぁ。
まあ、やるからには完璧に仕上げますケド~?
ほんならキミたち、こっち来て」

 子どものようにむくれる中年男と、その息子の傍らで居心地悪そうにしていた三人は不意に促されて顔を見合わせ、揃って頷いた。

 とりあえず、致し方ない。

「有砂のパパ、よろしくね」

「どうぞお手柔らかに」

「とっとと頼むぜ、若作りのおっさん」


「……佳人、僕この赤いの嫌い」

「ええからとっととやれ」








《第9章 嘘つきな彼等 -play-》【5】










「お麗しいですわ、お嬢様」

 十ほど年上のメイドが感嘆の悲鳴を上げた。

「まるで奥様が蘇ったかのようですよ」

 日向子は感慨深く、鏡の中の自分を眺めていた。
 バロックパールをあしらったプリンセスラインの黒いドレス。
 実際、こんなドレスを着た若いころの母親の姿を写真で見せてもらったことは何度もある。

「わたくしよりお母様のほうがずっと綺麗でしたわよ」

「まあ、そんなにご謙遜なさらなくともよろしいではありませんか。
ああ、そう遠くない日に今度は純白のウエディングドレスを着たお嬢様を見られるなんて……まるで夢のようですわ」

「はあ……」

 日向子は明らかに戸惑った表情を見せたが、テンションの上がっているメイドは気付くことなく、鼻唄まじりにアクセサリー選びを始めていた。

 なんとも落ち着かない気分になってしまう。

 このドレスは、アトリエでのことへの謝罪を兼ねて秀人が今日のためにと言って贈ってきたものだ。

 一体秀人はどこまで知っているのだろう。
 まさか本当に沢城家に嫁ぐと思っているのではないだろうか。

 それ以前に気になるのは有砂の真意だった。

 今日の夕刻、式は始まってしまう。あと数時間しかない。
 釘宮高槻の後継者の指名と、釘宮家令嬢の婚約を発表するための式だ。

 有砂には何か考えがあるのだとは思うが、万が一このまま有砂と正式に婚約することにでもなってしまったらどうしよう……という不安が頭を去来する。

 別に有砂が嫌だというのではない。

 だが、こんな形で将来の結婚相手がいきなり決まってしまうのは困る。

 何より。

 日向子の心の中にはまだ「伯爵」がいる。

 「伯爵」への思慕は未だに揺るぐことなくここにあるのだ。

 こんな気持ちを抱いたまま誰と結ばれることができるだろうか?












「どうも、大変ご無沙汰を致しまして」

「ああ、息災のようだな」

「ええ、おかげさまで」

 実際に親しげに挨拶を交す二人を見るまで、有砂は内心どこかで疑っていたのだが、真実二人は友人と呼べる関係のようだった。

 高槻と秀人。まるでタイプの違う二人が、肩を並べている様は何とも不思議な光景だった。

「あいにく到着がギリギリになってまうんやけど、あとで僕のハニーちゃん紹介しますね♪」

「懲りん男だな、君は……」

「ええ、僕には恋が必要なんです。常に恋をしてへんと、僕のイマジネーションの泉は枯渇してまうんですよ。……ねえ、みんな? そうやろ」

 振り返った先には一目で「SIXS」製とわかる独特なデザインの黒いフォーマルウエアを着た三人の青年が立っていた。

 赤毛と黒髪に白いメッシュと、ピンクがかった白金の髪の三人はそれぞれに何とも複雑な表情を浮かべながら、

「……はい、先生のおっしゃる通りです」

 前もって言われた通りの言葉を口を揃えて答えた。

「彼らは……?」

 高槻の問いに、有砂が答えた。

「父のアシスタントです。今日は勉強のために同行していますが、邪魔にならないようにしますから、どうぞお気になさらずに」









「あ」

 小さく声を上げた。

 身支度を整えて、式の会場に向かう途中、日向子はまたしても彼と鉢合わせてしまった。

「雪乃……」

 アルバムの一件以来、一度も顔を合わせていなかった。
 式で披露する曲の制作にかかりっきりでろくに部屋から出て来なかったからだった。

 数日ぶりに見た彼の顔には疲労の色がくっきりと見て取れる。

 無言のままにすれ違おうとした瞬間、ほんの少しその身体が不自然に傾げた。

「雪乃……!」

 とっさに支えるように腕に触れていた。

 すぐに振り払われるかと思ったが、それはなかった。

「……雪乃、疲れているのでしょう?
 まだ式までは時間があるわ、お部屋でお休みになってはいかが?」

 彼は相変わらず表情の変化に乏しい面を、わずかにふせた。

「……お気遣いなく」

 そっと、日向子の手に自身の手を重ね、静かに腕を離させる。

「……雪乃」

 頼りない足取りで遠ざかっていく姿を見送って、日向子は今ほんの束の間彼に触れていた手を見やった。

 あの綺麗な手から「温もり」を感じたのはとても久しぶりだった。
 一瞬の触れ合いで感じた、戸惑うほどの優しさ。

「わからないわ……雪乃。あなたはわたくしを……本当はどう思っているのですか……?」











「……有砂のパパって本当に面白い人だね」

「え、面白いかな……? 俺はちょっと、いや大分苦手だけど」

「な~にが、『僕の機嫌損ねたらすぐに退場やからね~♪』だ。調子に乗りやがって。
おい有砂、あいつなんとかしろよ!!」

「……帰ってもええよ。お嬢が心配やないんやったらな」

 なかばコスチュームプレイの様相を呈したheliodorの面々が、一人を除いて釘宮邸の一室に集っていた。

 沢城秀人のアシスタントという設定は、有砂の提案だった。

 確かに怪しまれずに潜り込むにはいい作戦かもしれなかったが、少なくとも紅朱と玄鳥は不満をのぞかせていた。

「……だいたいなんで有砂さんが日向子さんの恋人なんですか!?」

「せやから説明したやろう? ただ『反応』を見たくてゆうただけの冗談のつもりやったって。
……まさかあっさり許可されるとは思てへんかったけどな」

 実際有砂は『彼』が動揺するかどうか見たかっただけだった。そのあとは、今のは冗談だと言うつもりだったのだが……。

「……だったら俺がその役、やりたかったんですけど……」

「え~、玄鳥には無理だよ」

 万楼が笑う。

「玄鳥は役者に向いてないもんね。バカ正直だから」

「う」

 確かに人よりかなり嘘の下手な玄鳥は何も言えなくなってしまった。

 今日とて見破られてしまうのではないかとかなり神経をすり減らしているほどだ。

 あの見るからにおっかない釘宮高槻の前で、日向子の恋人を装うことなどとても出来そうにない。

「……で、どうなんだ有砂。そろそろ本当のところを教えろよ」

 気の毒な弟をよそに、紅朱はゆっくりと問掛ける。

「……日向子と、『あいつ』はどういう関係なんだ。偶然たまたま同じ名字でした、なんて馬鹿なことは言わねェだろうな?」

 有砂からメンバーに語られていたのは真実の断片。

 森久保は母親の旧姓、日向子の本当の姓は「釘宮」であるということ。

 日向子の婚約が発表される場に、必ず蝉がいるということ。

 そして、そこで蝉は何らかの答えを出すということだった。

「……悪いが」

 有砂はきっぱりと返した。

「オレの口から全てを話す気はない」

 いぶかしげな面々を見渡して、更に続ける。

「黙って見ていれば真実は自ずと判明する……どんな形にせよ、な。判明した後にどうするかは各自の自由や」

 有砂のいつにない毅然とした雰囲気に、メンバーたちは押し黙った。

「……あの男は何年もの間さんざん嘘をついて、さんざん秘密を作って、さんざん悩んで、さんざん苦しんだ。
せやから、最終決断はあいつがするべきやと思う。
それであいつが……二度と帰って来なかったとしても」














 すっかり日が落ちたというのに小さな灯り一つ灯らない暗い部屋の中で、青年がベッドの上に横たわっていた。

 今日の式の主役の一人だった。

「……ん……」

 浅い、とても浅い眠りから目が覚める。

 それでも丸一日も眠っていたかのように、とても頭の中がすっきりしていた。

 自分がするべきことがクリアに見えている。
 最後の迷いが打ち払われていた。

 もう今度こそ揺れることはない。

「……おれは、弾く……あの曲を」

 小さく呟いて、ゆっくりとベッドから起き上がった。




 運命の時が今訪れたのだ。










 日向子は、高槻の隣に座って視線を純白のテーブルクロスに落としていた。
 着々と式が進行するにつれ、日向子の心臓はその高鳴りを強くしていった。

 ちらりと有砂や秀人のいるテーブルを見やったが、有砂は落ち着いた表情で、式の進行を見守っているばかりだ。

 その近くに立っている(予定外のゲストのためテーブルが用意されていなかったようだ)、何故だかどこかで見たことのあるような三人組の存在にも気付いていたが、ゆっくり確認するだけの心の余裕が日向子にはなかった。

「日向子」

 高槻が口を開く。

「あまりそわそわするな。みっともない」

「……すみません、お父様……」

「……いよいよ、漸が出てくる。ちゃんと見ていなさい」

「……ええ」

 確かに、自分のことで頭がいっぱいになっているとはいえ、漸の晴れ姿はやはりしっかりと見ておきたいし、見ていなければいけないと思った。

 漸はホワイトタイで正装し、彼のために用意された舞台の上に姿を現した。

 漸がどういう経緯で釘宮家の後継となるに至ったか、会場内に知らない者はほとんどいなかったが、堂々とした歩みで颯爽と現れた漸は、生まれながらの名家の令息だと言われても疑う余地がないほど立派なものだった。

 肉眼で日の光を見上げるかのような眩しさを感じながら、日向子は漸をじっと見ていた。

 ゲストたちに向けて深く礼をした漸が頭を上げた時、ほんの一瞬だけ視線がぶつかった気がした。

「……!」

 その一瞬、漸は微笑していた。

 日向子に向けて確かに微笑んでいた。

 見たこともないような……けれど初めて見たのではない、そんな笑顔だった。

 ……誰かに似ていた?

 でも誰に……?


 困惑している日向子の前で、漸はゲストたちの拍手と品定めのような数多の視線を一身に受けながらピアノの前に座っていた。

 日向子の横で舞台を見上げる高槻の眼差しにも力がこもる。

 やがてゆっくりと、最初の指が最初の鍵へ。

 踊るように動く10本の指は、奏でていく。

 それはせつなく。

 それは優しく。

 それは独創的で。

 そして日向子と、他の何人かにとっては驚愕に満ちた旋律だった。



「これ……この曲は……」


 ピアノソロとして、大幅なアレンジを加えられてはいるが、軸となるメロディは全くそのままだ。

 全くそのままの、




「……Melting Snow……?」












《第10章へつづく》

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2007/10/09 (Tue)
 携帯サイトのクイズ大会で勝たないとゲット出来ない3つのパスワード、ようやく集まりまして、おまけの「こぼれ話」を聞くことができました。

 →リンクの先にちょこっとだけ内容をご紹介します☆
















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2007/10/08 (Mon)
 昨日は生まれて初めて東京ネズミーシーに行って来たんだが、あそこはランドとはまた違った独特の雰囲気があって面白いね。

 友達に勧められていた某魔宮もよかったけど、私は平和な乗りもんが好きだから、シンドバッドのやつが好きだ。
 あの虎に一目惚れしてグッズ買っちゃったから。笑。
 特に宝石の中から尻尾だけ出してる姿がなんとも……。


 今日は仕事中にキノの旅の新刊を読んだ。今回は私的にアタリで、仕事しながらゆっくり読んだけど2時間弱くらいで読み終わって、改めて読み返してしまったくらい。

 最近のキノは私の中ではアタリとハズレが順々になってる。
 前巻があまり、って感じでそのまた前は好きで。
 時雨沢さんが意図的に周期をつけて同じ雰囲気の巻が続かないようにしてる?

 今回はわりと表現というか、風刺の仕方が直接的でテーマがわかりやすい。
 わりと血生臭いエピソードが多いけど、オチやエピローグで少し優しい気持ちになれる……っていう一番好きなパターンの作品が多かったんだよね。
 ネタとしてはそろそろループになってる感はイナメナイけど、それでも楽しめた。

 ただし今回シズたちはあんまり活躍しておりませんが。汗。


 一番好きなのは「アジン(略)の国-With You-」かな。このタイトがすでにもうすばらしいけど。笑。

 「学校の国」もぐっときた。その後のエピソードと合わせでって感じで。
 学校で習うことはその時は、こんなのいつ役に立つのかな、って思うけど、やっといて損はないんだよ、っていう直球のメッセージが胸に響いた。これは自分が学生の時に読みたかったな……。

 
 シンドバッドのアトラクションのキノバージョンみたいのがあったらいいのに。キノが回ったいろんな国を再現してね。


 採用するエピソードによっては、ほとんどホラーハウスになりそうだけど。笑。

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2007/10/06 (Sat)
 攻略一人目、「大石鍬次郎(オオイシ・クワジロウ)」のネタバレレビューです。一番下の→リンクからどーぞ。








 なんでこんな人好きになっちゃったんだろう。笑。










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2007/10/05 (Fri)
 「幕末恋華・花柳剣士伝」一周目終了★

 ヒロインの名前は今回は「石川麻咲」にしたんだが、そういえば「石川誠之介」が出てくることをすっかり忘れてた……。

 仮眠とらないと仕事に響くからネタバレレビューはまたにしますが、一番最初は誰のエンディング見たと思います??

 気分的には……うっかり前菜からぶ厚い肉食っちゃったなあって感じですわ。しかも血の滴る生肉を。笑。


 ほぼヒントじゃなくて答えだな。

 そう、彼ですよ。

 なかなか賛否ありそうなオチでしたが、また乙女ゲーム史に残る強烈なラストシーンが誕生したことは確かです。




 まずゲーム自体への雑感。


 今回は幕末史の知識がない人にはかなり難しいと思います。
 前回は新撰組周辺だけわかってりゃなんとかなったんですが、今回はかなり多岐に渡ってますからね。

 攻略キャラたちはそれぞれ別な理想を持って別の勢力についたり、独断で行動したりしてますから。

 辞書機能を活用してしっかり理解していかないと混乱します。

 とにかく人多すぎなんで、少なくとも前作はプレイしておかないと、サブキャラクターを理解するのも大変。

 あと文字のフォントがちょっと読みづらくて、目が疲れるかも。


 前作のヒロインが新撰組隊士として最初から信念を持って行動していたのに対し、今回のヒロインはニュートラルです。

 彼女は、幼い頃に花街に売られたところを謎のお方に引き取られ、花柳館という道場で暮らしているんですが、花柳館は裏稼業として「なんでも屋」をやってるていう設定です。

 「○○藩の××について調べてほしい」とか「新撰組の□□に手紙を届けてほしい」なんてふうに、勢力に関係なく依頼をこなすエージェント。

 うまい設定ですよね。

 ヒロインは色々な勢力の人々と関わりながら自分の生き方を決めていくわけです。

 前作のヒロインより年下だし、少し頼りなく見えるかもしれませんが、等身大の少女の魅力があるキャラクターですな。

 ちなみにタイトルは「花柳剣士伝」だけどヒロインは刀があまり好きではないそうで、主に体術を使います。
 少なくとも剣士という印象は全くないんですが……この子が剣の達人だったら「彼」とのエンディングはまた少し違ったものだったのかもなあ……(しみじみ)。

 とりあえずタイトルが示しているのはヒロインのほうではなさそうです。


 あと今回は期待のカップリングシステム(前作プレイデータがあると、前作のヒロインと前作の恋愛対象キャラの間でカップリングを設定できる)の恩恵を全く感じませんでした。笑。
 組み合わせの問題なんだろうなあ……暗中模索です。

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2007/10/04 (Thu)
 「城錠 尚哉(ジョウジョウ・ナオヤ)」、実はだいぶ前に終わってたんですがなかなかUPする時間がなくて大変でございました。汗。


 この男、ちょっとズルい設定となっております。笑。


 ネタバレは下の→リンクからどうぞ~。






















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2007/10/01 (Mon)
 花柳剣士伝発売までに、なんとか恋愛系のEDだけでも全部見てやりたいもんです。

 七人目はMELODYの天敵?? ポンちゃんです。

 ネタバレレビューは下の→からどうぞ★















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* ILLUSTRATION BY nyao *