遙かなる時空の中で４【アシュヴィン・まとめ】

　というわけで、今回から各キャラクターとそのシナリオについて、振り返ってみたいと思います。

　風早は最後にとっとくべきだろうと思うんで、まずはアシュヴィンについて語っていきます。


　アシュヴィンは、ヒロイン・千尋の母国「中つ国」を攻め滅ぼした「常世の国」の皇子。「黒雷(くろいかずち)」の二つ名で呼ばれています。
　性格は自信家で行動力のある典型的俺様タイプ。一方で身内や部下には優しいところもあり、カリスマ性があるようです。

　千尋にとっては仇敵なので、仲間になるのは一番最後になります。

　というか攻略するキャラによっては、仲間にならないまま終わることも多々あります。汗。

　でも特技の「黒雷」の威力がとんでもないので、「孤高の書(メインの誰とも結ばれないルート。ノーマルシナリオ)」で、味方を３軍に分けて戦う場面では必ず指揮官の１人に選んでました。
　第２軍だと敵と属性もぶつからないから瞬殺ですよ。瞬殺。マジで強いのです。


　敵国の皇子との恋、と聞いてずっと「ロミオとジュリエット」な展開になるんだろうな、とか思ってたんだけど……予想を裏切るシナリオでしたね。
　そこがすごくツボにハマりました。


　以下はかなりネタバレな内容になるので、バラされても平気な人だけ下の台詞をクリックして下さい。

　アシュヴィンとは敵同士として出会うので、幾度となく彼や彼の軍と戦うことになります。

　しかしその一方で、お忍びで村の子どもたちと遊んでたり、千尋に対して「中つ国の人々に利用されているのではないか」と気遣うような発言をしたり、別な一面を見せて千尋を戸惑わせます。

　何か得体の知れないものに蝕まれて、荒廃してしまった常世の国を救うために戦う、というアシュヴィン。
　ある戦場において、その「得体の知れないもの」＝「黒い太陽」が突如出現して炎を降らせ、両軍を襲うことになります。

　「黒い太陽」の脅威を前に休戦を余儀なくされ、初めてアシュヴィンは千尋たちと協力することとなります。

　「黒い太陽」は「禍日神(まがつひのかみ)」と呼ばれるもので、アシュヴィンの父である常世の国の「皇(ラージャ)」を傀儡として意のままとしている。
　アシュヴィンはついに反旗を翻して、自らが新しい「皇」となって常世の国を救うため行動を起こします。

　そのための一手。
　それは中つ国との結び付きを強めるための「政略結婚」。

　千尋との婚姻です。

　中つ国の王としての役割を果たすために政略結婚を受け入れる千尋でしたが、感情が追い付かないままの形式だけの婚姻に困惑を隠せない。

　淡々と式を済ませた後は、自身の離宮に千尋を住まわせたままほったらかし(笑)、自らは忙しく駆け回るアシュヴィン。

　ある時ついにぷっつんキレた千尋は自室に閉じ籠ってしまうのですが、アシュヴィンは意外なほど殊勝に扉ごしに「ごめん」と頭を下げ(本来人に謝るのは超苦手な男)、「これからはいつでもお前のことを考える」と約束します。

　皇子として子どもの頃から、他人との関係を利害でしかはかれなかったアシュヴィンは、爆発するまで千尋の思いに気づくことができなかっただけで、夫として后をいたわる気持ちがないわけではなかったんですね。

　なんだ。可愛いじゃねえか。笑。


　夫婦仲も深まったところで一気に「皇」のいる「根宮(ねのみや)」を攻めようとするアシュヴィン派＆中つ国連合軍でしたが、形勢は悪く、中つ国の仲間たちとはぐれた上に、苦しい籠城戦を強いられることになります。

　千尋とアシュヴィンは、黒麒麟(アシュヴィンの使役する聖獣)に乗って闇にまぎれて砦を抜け出します。
　そのまま千尋に１人で常世の国から逃げろと言うアシュヴィンに、がんとして首を縦にしない千尋。その決意に心打たれる夫。

　そんな時に現れた白麒麟(千尋には、時々何故か助けに来てくれる白麒麟ちゃんがいるのです)に導かれて中つ国の仲間と合流。
　奇跡の逆転に賭けることになります。

　アシュヴィンと千尋はそれぞれの麒麟に股がって上空から敵の目を引き付け、その隙に地上から中つ国軍が討って出ます。

　危機を脱した彼らの前には最後の敵となる皇と禍日神が。

　最期に心を取り戻した皇と、そして神にも屈しない千尋とアシュヴィンの強い意志がその脅威を打ち破ります。


　荒れ果てていた常世の国は息を吹き返し、皇となったアシュヴィンの下、復興に向けて歩き始めます。

　そして苦難を乗り越えて絆を深めた２人は、晴れた空の下で、形だけではなく本当の夫婦として２人だけの結婚式を挙げるのでした……。


　かなり端折ってしまってますが大まかな流れはこんな感じです。

　他にもアシュヴィンは兄のナーサティヤとの戦いとか、剣の師匠のムドガラとの戦いとか、側近のリブとの関係とか、おいしいところがいっぱいあるんですが、 そこはもう実際にプレイして楽しんで下さい。



　とにかく政略結婚っていう設定はよかった。
　いきなり人妻って、ネオロマ的に新しいよね。笑。

　俺様アシュヴィンの意外と不器用な愛情にはきゅんきゅんです。
　恋愛下手なところは歴代の地の青龍と共通よね。


　以前に遙か４キャラは「３」と設定が似てると書いたんですが、アシュヴィンは顕著じゃないですか？

　九郎は皇子ではないけど御曹子だし、最終的に大勢に弓引いて実兄と争うという展開とか。

　そういや、望美は九郎の許嫁だったしね。便宜上の。笑。

　十六夜記では、平泉に落ちのびる途中で九郎は望美を置いて行こうとしてた。これも籠城戦でのアシュヴィンと同じ行動。

　発明大好きな癒し系の家臣を連れてるし(しかもアシュヴィン監視用の元スパイ)。

　列挙すると結構共通点あるなー……これは毎回やってみよう。


　そんな感じで次回は「サザキ」をまとめます。