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乙女ゲーマー麻咲(あさき)の、2.5次元を彷徨うブログ
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  プロフィール
HN:
麻咲
年齢:
41
性別:
女性
誕生日:
1983/05/03
職業:
フリーター
趣味:
ライブ、乙女ゲーム、カラオケ
自己紹介:
好きなバンド

janne Da Arc
Angelo
犬神サーカス団
シド 
Sound Schedule
PIERROT
angela
GRANRODEO
Acid Black Cherry 他

好きな乙女ゲームとひいきキャラ
アンジェリークシリーズ(チャーリー)
遙かなる時空の中でシリーズ(無印・橘友雅、2.藤原幸鷹、3.平知盛、4・サザキ) 
金色のコルダシリーズ(1&2・王崎信武、3・榊大地、氷渡貴史)
ネオアンジェリーク(ジェット) 
フルハウスキス(羽倉麻生) 
ときめきメモリアルGSシリーズ(1・葉月珪、2・若王子貴文) 
幕末恋華シリーズ(大石鍬次郎、陸奥陽之助) 
花宵ロマネスク(紫陽) 
Vitaminシリーズ(X→七瀬瞬、真田正輝、永田智也 Z→方丈慧、不破千聖、加賀美蘭丸) 
僕と私の恋愛事情(シグルド) 
ラスト・エスコート2(天祢一星) 
アラビアンズ・ロスト(ロベルト=クロムウェル) 
魔法使いとご主人様(セラス=ドラグーン)
危険なマイ★アイドル(日下部浩次)
ラブマジ(双薔冬也)
星空のコミックガーデン(轟木圭吾)
リトルアンカー(フェンネル=ヨーク) 
暗闇の果てで君を待つ(風野太郎)
ラブΦサミット(ジャン=マリー)
妄想彼氏学園(神崎鷹也) 他

バイト先→某損保系コールセンター 

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2008/12/31 (Wed)
 恋華のSSがあまりにもマニア向けだったので、たまには正統派でいこうかと思い、寛貴→さつきで書いてみました。

 寛貴視点で、恋愛モード寛貴ルートの中盤くらいをイメージしていますが、エンディングを見てから読んだほうがいいと思います。

 あと他のアイドルのルートも見てると更にいいかも……。


 今までと比べるとちょっと短めなんですが、まあ、のんびり紅白見ながら、片手間にお楽しみ頂ければと思います。


 来年も全国のプロデューサーさん方に萌多からんことを……。

《カウントダウン・メルトダウン》







「姉貴、風呂空い……」

 って。
 寝てるし。


 新年のカウントダウンの前に2人ともお風呂済ませて、ゆっくりお祝いしよう……って言うから急いで上がったってのに。

 濡れた髪をタオルで押さえながら戻ってきた俺が目にしたのは、こたつに伏してうたた寝している姉貴の姿だった。

 風邪引くからこたつでは寝るなっていつも言ってんのに。しょうがないやつだ。

 とりあえずつけっぱなしのテレビの電源を、切る。
 で、「おい」ってもう一度声をかけた。
 でも起きる気配がない。

 これはうたた寝って言葉は適当じゃないくらい熟睡してるらしい。

 仕方なく揺さぶってみようと思って、肩に手を置こうとして、止まる。


 もうちょっと。
 見てようかな……。

 大晦日だっていうのに、夕方まで必死になって働いてた姉貴は、これ以上ないくらい幸せな寝顔をさらしている。


 でも多分、それを独占して、こんな近くで眺めてる俺も……顔が緩んで恥ずかしいことになってんだろうな……。

 ま、別に誰に見られてるわけじゃないからいいけどさ。


 俺はなるべく音を立てないように、こたつに入った。姉貴の寝顔が一番よく見える位置。左側だ。

 一瞬、足が当たって慌てて引っ込めた。

 ドキッとした。

 姉貴は、目を覚まさない。

 ガキの頃の……悪戯が見つかりそうになって、なんとか運良く切り抜けた時……こんな気分だったかも。

 それにしても。
 よく寝てる。


 姉貴は眠りが深いから、寝付くとホント起きないんだよな。
 だから朝起こすのも一苦労なわけで……。


 しかも、どこでも寝るんだよな。事務所とか、スタジオとか……疲れてんのは分かるんだけど。

 隙が多いんだよ。隙が!

 お人好しで、天然で、無防備って……どんだけ危なっかしいやつなんだ。

 いつも俺が守ってやってんの、ちゃんとわかってんのかな。
 わかってねーよな。
 わかってたら、ここまで苦労しねーもん。

 姉貴が俺以外の奴のプロデューサーだったら、って考えるとゾッとする。


 相沢は最初から姉貴のこと無条件に慕ってるから、いつ変な気起こすかわかんねーし、柳本も馴れ馴れしくて信用できない。

 葛原は真面目だけど、外国人だから案外手が早いかもしれないし……藤城だって、今は興味なさそうだからって油断できない。

 晴人さんは……まあ、平気だとは、思うけど……。

 でも、わかんねーじゃん……男と女、なんだから。


 例えばこんな、隙だらけな寝顔とか見たら……。


 悪戯、したくなるかもしれないじゃん……。


 姉貴がもっとブスならよかったのに。

 姉貴の良さがわかるやつなんて、俺一人いればそれでいいのに。


 姉貴がプロデューサーになって、外で一緒に行動すればするほど、こういうくだらないことを考える日が多くなる。

 なんかもう、世界中が敵に見えてくる。
 周りにいる男がみんな姉貴に下心持ってるように思えて、イライラする。

 イライラして、早く家に帰りたくなる。


 姉貴と俺の家。
 誰にも邪魔されない。

 こんなふうに、俺だけが姉貴を見ていられる。


 ずっとここに閉じ込めておけたら……もうイライラしないのかな?


「ん……」


 不意に、何の前触れもなく姉貴の唇から声が漏れた。

 それを合図にするように、ゆっくり瞼が持ち上がって、縮こまった身体を伸ばしながら、姉貴は目を覚ました。

「うーん……」

 呑気に唸ってんじゃねーよ……。

「そんなに疲れてんなら、カウントダウンとかいいから、早くベッドに入ればいいだろ」

「ふぁあ……ダメじゃない、寛貴、パジャマなんか着て……もう出番なんだから早く衣装着なきゃ……」

「なんか寝惚けてるし!!」

「ふぇ?? あれ? 紅白は??」

「もう終わった。あと、俺は出てないから」

「え?え??」


 状況をなんとか認識しようと、姉貴は寝惚けた顔のまま周りをキョロキョロ見て、ようやく、

「なんだ……夢かあ」

 気付いたらしい。

 でもすぐに俺を見つめて、にっこり満面の笑みを浮かべる。

「でもきっと正夢になるよ。寛貴ならきっと、来年は紅白に出られるよ!」


 俺も思わずつられて笑った。

「しょうがねーな……俺が姉貴の夢を叶えてやるよ」

「……それって、私が言う台詞のような……まいっか。
夢は2人で叶えようね」


 姉貴の夢が、俺を一流のアイドルにすることなら、俺はその夢を叶えてやるよ。

 俺に才能が一しかなかったとしても、姉貴が望むなら千の結果を出してやるよ。

 でも姉貴には、俺の夢は叶えられるの?

 自分でも制御できないところまで近づいてきてる、この「衝動」を、解き放ってしまったら……?

 それでも姉貴は……。


「あ、もしかしてそろそろ始まるんじゃないの? カウントダウン」



 違う。
 もう始まってるんだ。


 誰か知らない人が考えた、時計や暦の移り変わりを数えるのとは違う。

 俺の中でだけ、着々と進んでいくカウント。


 このカウントがゼロになったら、その時俺は……。










《よいお年を……》

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